保険に加入されている方の多くは、保険料支払いを毎月引き落としに設定しているのではないでしょうか。
しかし、年に1回や半年に1回まとめて払い込むことで保険料が割引される制度があることを知っていましたか?
このページでは保険料をまとめて支払う「年払い」「半年払い」という仕組みについてご説明します。
家計の節約に役立つ知識をご提供するので、ぜひご覧ください。
年払い・半年払いとは
1年分の保険料を年に1回まとめて払い込む方法を「年払い(ねんばらい)」、2回に分けて払い込む方法を「半年払い(はんねんばらい)」と言います。
一般に、保険料を払い込む頻度が低いほど、保険料は安くなります。
生命保険や医療保険だけでなく、年金保険や自動車保険などでもまとめて払うほど安くなる傾向があります。
月払・半年払い・年払いの比較
月払い | 半年払い | 年払い | |
---|---|---|---|
払込頻度 | 月に1回 | 半年に1回 | 1年に1回 |
1回の払込金額 | 最も安い | 月払いの6倍弱 | 最も高い |
年間の保険料総額 | 最も高い | 少し安い | 最も安い |
これらのほか、保険期間分の全額を一度に払い込む「一時払い」「全期前納」という方法もあります。
詳しくはこちら
年払い・半年払いだと安くなる理由
年払いや半年払いで保険料が安くなる一番の要因は、保険会社の負担が減ることです。
保険会社からすれば、月々分けて払い込まれるよりも、まとめて払ってもらったほうが事務作業や銀行の手数料がかかる回数が少なくなります。
その分の人件費や手数料コストが下がるので、割引がなされるのです。
コスト減以外の要因としては、前払い分として受け取った分の利息もあります。
とはいえ、近年の金利は非常に低いので利息分の割引額はごくわずかなものでしょう。
年払い・半年払いにはデメリットもある
年払い・半年払いのメリットは、当たり前ですが「保険料の総額が安くなる」ことです。
しかし、まとめ払いならではのデメリットもあるので、理解しておきましょう。
銀行口座の管理に注意が必要
年払い・半年払いだと、一回にまとまった金額が銀行から引き落とされることになります。
そのため、引き落とし時期を忘れてしまって残高が足りなくならないよう、口座の管理に注意が必要になります。
ちなみに、多くの保険会社では年払いや半年払いの契約者に、引き落とし前の事前案内送っています。
年末調整の手間が増えることがある
生命保険や医療保険などに加入しているサラリーマンの場合、年末調整のときに「保険料控除証明書」という書類(ハガキ)を添付します。
年払いや半年払いの場合、保険会社は保険料が払い込まれるまで証明書を発行できないので、払込時期によっては年末調整手続きに間に合わない場合があります。
その場合、10月ごろに保険会社から「申告予定額のお知らせ」という書類(ハガキ)が届くので、「お知らせ」で年末調整の手続きができるかを勤務先の担当者に確認するとよいでしょう。
保険料控除についての詳細はこちら
途中で解約したら、払った分は戻ってくる?
年払い・半年払いは、保険料をまとめて前払いする仕組みです。
では、前払いしている期間の途中で保険を乗り換えたり解約したくなった場合、払い込んだ保険料は返ってくるのでしょうか?
2010年4月以降の契約なら返金される
契約日が2010(平成22)年4月1日以降の場合は、まだ過ぎていない分の保険料(未経過保険料)は返金されます。
当然ですが、すでに過ぎている月の保険料は返ってきません。
契約時期による未経過保険料の扱いについては保険会社によって異なりますので、契約中の保険会社にお問い合わせください。
2010年3月以前の契約だと返金されない場合がある
契約日が2010年4月1日より前の場合、未経過保険料が返金されない可能性があります。
それは、未経過保険料の返還について定めている「改正保険法」が施行されたのがこの日のため。
改正保険法が施行される前は、保険会社に返還義務がなかったのです。
契約時期があいまいな方は、保険の内容を見直しておくことをおすすめします。
年払い・半年払いで保険料はどれくらい変わる?
ここまでで、保険料はまとめて払えば安くなることをご説明しましたが、実際にいくらくらい変わるのでしょうか?
生命保険(定期/終身)と、医療保険(終身型)を例に比較してみましょう。
生命保険(定期保険)の場合
加入条件
保険金額:3,000万円
保険期間:20年
被保険者:30歳男性
月払い | 半年払い | 年払い | |
---|---|---|---|
1回の払込金額 | 4,046円 | 24,061円 | 47,629円 |
年間の保険料総額 | 48,552円 | 48,122円 | 47,629円 |
※A生命保険の見積り金額(2021年5月時点)
生命保険(終身保険)の場合
加入条件
保険金額:500万円
保険期間:終身(一生涯)
被保険者:30歳男性
保険料払込:20年払済
月払い | 半年払い | 年払い | |
---|---|---|---|
1回の払込金額 | 16,100円 | 95,780円 | 189,600円 |
年間の保険料総額 | 193,200円 | 191,560円 | 189,600円 |
※A生命保険の見積り金額(2021年5月時点)
医療保険(終身型)の場合
加入条件
保険金額:入院日額5,000円/先進医療給付金:あり
保険期間:終身(一生涯)
被保険者:30歳男性
保険料払込:終身払
月払い | 半年払い | 年払い | |
---|---|---|---|
1回の払込金額 | 1,531円 | 9,107円 | 18,025円 |
年間の保険料総額 | 18,372円 | 18,214円 | 18,025円 |
※A生命保険の見積り金額(2021年5月時点)
年払い・半年払いにしただけでは大きく変わらない
上の比較を見て、「あれ、あんまり変わらなくない…?」と思われたかもしれません。
保険料が安くなることがあるとはいえ、最近の保険では値下げ幅は1%前後のことが多いようです。
保険料が高額なら、1%の値下げでもそれなりの金額になるので年払いにするとよいでしょう。
とはいえ、月払いよりは得と分かっていても、節約できる金額のインパクトとしてはやや物足りない感じがするのが正直なところではないでしょうか?
保険料の節約は保険内容の見直しから
より効果的に保険料を安くするのであれば、保険の内容を見直し、無駄をなくすことのほうが重要です。
見直しで必要のない保障・必要以上の保障を削れば、年払いや半年払いにするより保険料をずっと安くできる可能性があります。
保険の見直しをする際には、ぜひ保険の専門家であるファイナンシャルプランナーに相談してみてください。
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