「自分はサラリーマンだから、確定申告は関係ない」と思っていませんか?
もしあなたが、次のうち一つでも当てはまった場合、確定申告が必要かもしれません。
- 出産などで年間10万円を超す医療費を支払った(家族全員分の合計額)
- 年末調整の後に家族構成が変わった
- 年末調整の手続きが間に合わなかった
- 住宅ローンの返済1年目
- ふるさと納税をして、「ワンストップ特例制度」を利用しなかった
- 災害や盗難に遭った
- 家や不動産を売った
- 副業などの収入が20万円を超える
- 年収が2,000万円を超える
確定申告は、毎年2月15日から3月15日まで(年によって前後します)。
確定申告で控除を申告しないと、払い過ぎた税金が戻ってこず、損をしてしまう可能性があります。
確定申告であなたが申告する項目はこれ!
サラリーマンの方が確定申告をする必要があるのは、以下にあてはまる方がほとんどでしょう。
ケース別に、申告するべき項目をご紹介します。
- 年間10万円を超す医療費を支払った(家族全員分の合計)
→医療費控除 - 年末調整の後に結婚をした
→配偶者控除または配偶者特別控除 - 年末調整の後に扶養親族が増えた
→扶養控除 - 年末調整の後にシングルマザー/ファザーになった
→寡婦(寡夫)控除またはひとり親控除 - 民間保険やiDeCoの手続きが年末調整に間に合わなかった
→保険料控除・小規模企業共済等掛金控除 - 住宅ローンの返済1年目
→住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除) - ふるさと納税をして、「ワンストップ特例制度」を利用しなかった
→寄附金控除 - 災害や盗難に遭った
→雑損控除 - 副業で20万円を超える収入があった
→雑所得の申告 - 家や不動産を売った(特に損をした人)
→譲渡所得(損益通算)の申告 - 110万円を超える贈与を受けた
→贈与所得の申告 - 保険金を受け取った
→一時所得の申告 - 年収が2,000万円を超える
→すべての所得と控除
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おまけ:仕事に関係する高額な出費があるとき
スーツ代、資格取得費、交通費、交際費など、仕事に関係する経費がかさんだ場合、「特定支出控除」を申告できる場合があります。
しかし、これは実際には申告するハードルがかなり高いといえます。控除される金額は、「給与所得控除額の半額を超える」分なので、年収300万円の人なら、98万円を「超えた」分しか控除されません。
これだけの大金をまず自費で購入したうえに、領収書はもちろん、会社に必要経費であると認めてもらう証明書や、本人が交通機関を使ったことを証明する書類などが必要となり、手続きが非常に大変です。
そのため、特定支出控除を申告する方はあまり多くないようです。
確定申告の方法
確定申告の手続きは、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から行います。
申告のやり方は、オンラインで申告書を送信する方法(e-Tax)と、紙の申告書を印刷して郵送する方法の、2種類があります。
どちらの方法でも、申告書の作成は国税庁の公式サイトで行えます。
オンライン申告(e-Tax)の方法
オンライン申告には、「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」があります。この二つは申告書の作り方は基本的に同じで、本人確認の方法が違うだけです。
マイナンバーカード方式は、マイナンバーカードを持っている方のみ可能な方法です(通知カードではできません)。専用アプリでスマホにカードをタッチさせて本人確認をします。非常に手軽に行えるので、早ければ30分ほどで申告は終わります。
ID・パスワード方式は、税務署に直接行って本人確認を受ける方法です。税務署からID・パスワードが発行されるので、スマホやPCでログインし、申告手続きをします。
ID・パスワード方式はマイナンバーカードが普及するまでの暫定的なものなので、今後も確定申告をする予定がある方は、カードを作っておくとよいかもしれません。
※マイナンバーカードの発行には申請から受け取りまでに数カ月かかることがあります
紙の申告書を郵送する方法
紙の申告書で申告する場合は、スマホやPCで申告内容を入力した後、紙に出力して郵送します。家にプリンターがない方は、コンビニなどで印刷できます。
マイナンバーカードを持っていない場合は、税務署に行かずに済むぶん、紙の申告書を作る方が手軽でしょう。
申告書の作成をする際は、国税庁「確定申告書等作成コーナー」から作成開始し、「印刷して提出」を選びます。
ガイドに従って入力を進めていき、完成すれば印刷→郵送となります。
申告書の作成方法
申告書の作成は、難しくありません。はじめに申告する内容や年末調整をしているかなどを聞かれ、上述の申告方法のなかから、自分が使うものを選びます。
どの方法でも、ガイドに従って入力項目を入れていくだけなので、迷うことはないでしょう。難しい言葉には「?」マークがついているので、そこを押せば説明が読めます。
スマホでの作成画面
PCでの作成画面
要注意!中断するときは必ず保存データのダウンロードを!
申告書を入力する途中で分からないことがでてきたり、疲れてしまったりして、中断が必要なことがあるでしょう。
そんなときは、「データを保存して中断」または「入力データの一時保存」というボタンから、入力した内容を保存しておき、あとで続きから入力していくことができます。
このときに大事なことは、中断前にデータをダウンロードすることを忘れないことです。これをしておかないと、途中から作成することができず、一から入力しなおすことになります。
そもそも、なぜ確定申告が必要なのか?
なぜ確定申告をしないと損なのかを理解するために、「控除」という言葉の意味から確認していきます。
控除とは、収入にかかる税金を減らすためのもの
「控除」とは、あなたの収入から、税金がかかる分を差し引くことです。
控除された分だけ課税の対象となるお金が減るので、控除額が多いほど節税メリットが大きくなります。
年末調整で申告できなかった控除は、確定申告でしか申告できない
サラリーマンの場合、あらかじめ税金が給料から天引きされています。
年末調整で配偶者がいることや保険料の支払いなどを申告することで、天引きされた税金が戻ってきます。
しかし、年末調整では申告できない控除もあります。また、年末調整で申告した内容に変更や間違いがあった場合も、確定申告で申告内容修正が必要です。
控除で損をしないためのコツ
控除申告の大前提
- 年末調整や確定申告で申告しないと控除は受けられない
- 税務署は得する申告方法を教えてくれない
つまり、自分から控除の申告をしないかぎり税金は戻ってこないうえに、お役所はアドバイスをしてくれないということ。しかも確定申告の受付期間は1カ月間です。
まさに「知らなきゃ損、言わなきゃ損」なのが、税金の世界なのです。
確定申告でいくら税金が戻ってくるか?
控除申告額の5~10%が一般的
一般的な年収の場合、確定申告で戻ってくる所得税は、申告した控除額の5~10%。住民税の場合、収入に関係なく10%です。
くわしい計算方法を知りたい方は、下の計算法の章をご覧ください。
戻ってくる所得税の上限は源泉徴収税額
サラリーマンならば、年末調整後に会社から「源泉徴収票」をもらいます。
上の画像の赤枠部分に書いてある「源泉徴収税額」が、その年に天引きされた所得税の額です。
この金額には、年末調整で控除を申告した分がすでに反映されています。
年末調整で控除申告した分に加えて、確定申告で控除申告をすれば、納める所得税を少なくできる(場合によってはゼロになる)ことがあります。
源泉徴収税額がすでにゼロになっている場合は、これ以上戻ってくる余地はありません。
確定申告で戻ってくる所得税の計算法
確定申告で戻ってくる金額を詳しく知りたい方は、以下の方法で計算してください。
必要なものは、会社からもらう源泉徴収票と、スマホの計算機だけです。
- 源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」(上の緑枠部分)から、「所得控除の額の合計額」(上の青枠部分)を引く。
- 「1」の金額から、年末調整で控除申告する金額を引く
(ここで0以下になったら、源泉徴収税額分すべてが戻ってくるので、以降の計算は必要なし) - 下の表を見ながら、「2」で出た金額(=課税される所得金額)に対応する所得税率をかけ、控除額を引く
- 「3」で出た金額に「1.021」をかける(100円未満は切り捨てる)
- 源泉徴収税額から、「4」で出た金額を引く
「5」で出た金額が、確定申告によって戻ってくる所得税の額です。
所得税の速算表
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円~194万9,000円 | 5% | 0円 |
195万円~329万9,000円 | 10% | 9万7,500円 |
330万円~694万9,000円 | 20% | 42万7,500円 |
695万円~899万9,000円 | 23% | 63万6,000円 |
900万円~1,799万9,000円 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円~3,999万9,000円 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円~ | 45% | 479万6,000円 |
- ※所得金額の1,000円未満は切り捨て
- 出典:国税庁サイト
例)
給与所得控除後の金額:276万円
所得控除の額の合計額:90万円
源泉徴収税額:9万4,900円
年末調整で申告する控除額:30万円 の場合
- 課税される所得金額=276万円-90万円-30万円=156万円
- 所得税額=156万円×5%×1.021=7万9,600円
- 確定申告で戻る所得税=1万5,300円
(9万4,900円-7万9,600円)
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執筆者プロフィール
三嶋裕貴
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。出版社に勤務したのち、保険マンモス専属ライターとして入社。
お金の失敗を防ぐための保険選びや見直し方、資産運用などの記事を執筆。
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