離婚をする際は、手続きがたくさんあります。
そのため、公的な手続きを優先して行い、結婚していた時に加入した生命保険等、民間の保険の手続きは後回しにされがち。
手続きをしようと思った場合でも、それまで加入した保険をどうするのか、保障内容を見直すのが面倒で、解約をしてしまう人が多いのではないでしょうか。
離婚する時の保険の見直しにはポイントがあり、そのポイントを抑えておけばハードルは低くなります。
ここでは、離婚の際にすべき保険の対応について、見直しをしないとどうなるのか、見直す場合はどのようなポイントがあるのか、まとめました。
離婚前の方はこれからすべきことの参考として、離婚後の方は手続きに漏れがないかの確認用としてぜひお読みください。
離婚の際、保険の見直しをしないとどうなるの?
離婚の際に保険の見直しをせず、そのまま放置したり、解約をしてしまった場合、どうなるのでしょうか。下記2つのことが考えられます。
1.放置すると新しい家庭を持った時、トラブルの元に
離婚後、新しい家庭を持つ方もいらっしゃるでしょう。
離婚前に加入していた保険で、下記のように名義を設定していた場合、保険をそのままにしていると、ご自身が死亡した際、保険金は離婚前の配偶者に支払われます。
契約者 | 自分 |
---|---|
被保険者 | 自分 |
保険金受取人 | 離婚前の配偶者 |
再婚相手とトラブルになりかねませんね。
2.解約して新たに保険に加入すると保険料が高くなる場合も
一般的に保険は、加入者の年齢が上がるほど保険料が高くなります。
保険の加入から離婚までに年数があるとき、離婚の際に解約をしてしまうと、新たに加入する保険は、保障が同程度でも保険料が高くなる場合があります。
離婚の際は、面倒でも必ず保険を見直しましょう。
離婚する時の保険の見直し手順
それではいよいよ保険の見直しです。
お手元に加入している保険を全て用意し、下記を順に行いましょう。
- 保障内容の確認
- 継続するか解約するかの選択
- 継続する場合の名義変更
- 継続する場合の住所、姓、支払い方法等の変更
- 解約する保険の手続き
生命保険と医療保険は、離婚後の子どもの有無によって保険の見直しポイントが大きく変わります。
損害保険に関しては、子どもの有無は特に影響しません。
下記では、上記1~3について解説します。
4については、「離婚する時にすべき保険の手続き」をご参照ください。
離婚後に子どもがいる場合
離婚後に子どもを引き取る場合、まず、これからの生活に必要な保障額を算出しましょう。
必要保障額の計算方法は下記です。
「今後の支出」-「今後の収入・資産」=「必要保障額」
必要保障額についてもっと知りたい方は「ナットクの保険金・設定方法」をご参照ください。
生命保険の見直し
必要保障額が算出できたら、加入している保険の保障内容を確認し、必要保障額を満たす生命保険は継続となります。
継続をする場合、名義の変更が必要か確認しましょう。
例えば、下記のような場合は名義の変更をします。
変更が必要な例 その1
契約者 | 自分 | 変更なし |
---|---|---|
被保険者 | 自分 | 変更なし |
保険金受取人 | 離婚前の配偶者 | 両親や子どもに変更 |
変更が必要な例 その2
契約者 | 離婚前の配偶者 | 自分に変更 |
---|---|---|
被保険者 | 自分 | 変更なし |
保険金受取人 | 離婚前の配偶者 | 両親や子どもに変更 |
医療保険の見直し
医療保険は、夫婦で別々に加入している場合と、どちらかの医療保険の特約で配偶者の保障をつけている場合があります。
・夫婦で別々に加入している場合
保険をそのまま継続して良い場合が多いですが、先述のように後々のトラブルを防ぐためにも、名義(契約者、被保険者、保険金受取人)に関しては確認しましょう。
・どちらかの医療保険の特約で配偶者の保障をつけている場合
主契約者は、配偶者の特約を外しましょう。特約で加入している方は、特約から外れ、新たにご自身が主契約の医療保険に加入しましょう。
離婚後に子どもがいない場合
子どもがいない、又は離婚後に子どもを引き取らずに独身になる場合は、独身者と同じ保障で良いでしょう。
具体的には、医療保険と老後資金、生命保険では死亡時のお葬式代の確保です。
「シングルライフの場合の保険の見直し・保険の選び方とは」を参考にしてください。
子どもを配偶者が引き取った場合は、もしもの時に子どもを受取人とした保険に加入しておくのも良いでしょう。
損害保険は対象物の持ち主が誰かで対応が決まる
自動車保険、火災・地震保険等の損害保険についても、離婚の際に見直す必要があります。
損害保険の場合、住居や車等の対象物ありきのため、継続と解約の選択は、対象物が離婚後に誰の持ち物になるかによって決まります。
自動車保険の見直し
車の持ち主が変わる場合、契約者の変更が必要です。
注意点は、特約の部分です。もし夫婦限定の特約等をつけている場合は、外す必要があります。
火災保険・地震保険の見直し
離婚の際は、財産分与が発生する場合もあります。
財産分与で住宅等の持ち主が変わる場合は、自動車保険と同様に、名義(契約者、被保険者)変更が必要となります。
離婚するときの保険の見直しの注意点
指定代理請求人の確認
指定代理請求人とは、被保険者が存命中に保険金の請求をする必要が発生した時、保険金の請求ができない場合に、被保険者に代わって保険金を請求できる人です。
例えば被保険者が昏睡状態になってしまった時、保険金の請求を指定代理請求人が代理で行うことができます。
結婚しているときに加入した保険は、指定代理請求人が配偶者になっていることが多いので、両親等への変更をしておきましょう。
解約返戻金は夫婦で折半になる
結婚時に貯蓄型の保険に加入していた場合、その保険を解約すると解約返戻金が発生することがあります。
解約返戻金は夫婦共有での資産になることが多く、その場合は夫婦で折半になります。
よく話し合い、双方の合意を得ましょう
離婚の際は、配偶者と話し合いの場を持つのが難しいことが多いかもしれません。
しかし、のちのちのトラブルを防ぎ最適な保障を得るためにも、配偶者とよく話し合い、お互いにとって最善な保険の見直しをしましょう。
離婚する時の保険の見直しはFPにおまかせ!
とはいえ、話し合いが難しかったり、見直しが面倒だと感じる方は多くいらっしゃるでしょう。
そんなときに、強い味方がいます。それは保険・お金の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)。
加入中の保険の保障内容の確認、継続と解約の選択、その後の名義の変更等、面倒だと感じることを、一緒に考えながら解決してくれます。
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