近年、変額保険に加入する方が増えています*。
契約件数が増えているのは、近年の低金利が影響しているものと推測されます。
しかし、変額保険は仕組みがやや難しく、運用リスクもある商品です。
このページでは、変額保険の基本から選び方までをしっかりと解説しています。
検討中の方は、必ずしっかり理解してから加入するようにしてください。
*一般社団法人生命保険協会「生命保険の動向(2021年版)」より
変額保険とは
変額保険とは、生命保険のうち、死亡時の保険金や解約時の返戻金など、受け取るお金の額が運用によって変動するタイプのものをいいます。
また変額保険は、加入者から預かった保険料を保険会社が資産運用をしている、貯蓄型保険(積み立て型保険)の一種です。
そのため、掛け捨て型の変額保険はありません。
掛け捨て型・貯蓄型保険の違いの解説はこちら
変額保険の仕組み
保険会社は、加入者から受け取った保険料で株式や債券などを売り買いして運用しています。
通常の生命保険では、契約時にあらかじめ保険金額や解約金の返戻率が決められています(定額保険)。
しかし、変額保険では下図のように、運用成績の良し悪しに連動して保険金や解約返戻金が増減します。
一部の保険金には最低保証がある
上の図で、「基本保険金」だけは金額が変動していません。
これは、変額保険の死亡保険金には、運用成績と関係なく最低限保証される保険金の額が設定されていることが多いためです。
この最低限の保険金額を「基本保険金額」といいます。
保険金の最低保証が適用されるケース・されないケース
変額保険の最低保証が適用されるのは、亡くなったタイミングの変動保険金額が基本保険金額より低かったときです。
わかりやすいよう、下の図を使ってケース別に支払われる保険金額を説明しましょう。
- ①のタイミングで亡くなった場合→基本保険金額が支払われる
- ②のタイミングで亡くなった場合→変動保険金額が支払われる
簡単にまとめると、
「運用がうまくいっていないときでも、少なすぎる死亡保険金にはならない」
ということです。
なお、変額保険で最低保証があるのは死亡保険金のみで、満期保険金や解約返戻金には最低保証がないことが多いようです。
変額保険の種類
変額保険は、保険期間や給付の形によって大きく次の3タイプに分けられます。
変額保険の3タイプ
- 無期型(終身タイプ)
- 有期型(養老タイプ)
- 年金型
無期型(終身タイプ)
無期型はその名のとおり、保険期間が一生涯続くタイプ。
貯蓄を兼ねた保険として選ばれることが多いです。
有期型(養老タイプ)
有期型は、保険期間が「65歳まで」「35年間」などと決まっているタイプ。
保険期間は商品ごとに異なります。
被保険者が無事に満期を迎えると、「満期保険金」が支払われます。
前述のとおり、変額保険の満期保険金には最低保証はないことが一般的です。
そのため、運用成績が悪かった場合、支払った保険料の総額より満期保険金が少なくなる可能性があります(元本割れリスク)。
もちろん、保険期間中に亡くなった場合は前述のルールで死亡保険金が支払われます。
年金型
年金型は、「個人年金保険」というジャンルの一つです。
個人年金保険とは、死亡時に保険金を受け取るのでなく、受給開始年齢を迎えると給付金を年金形式で受け続ける保険です。
変額の個人保険年金では、運用成績によって給付される年金の額が変動します。
詳しい解説はこちら
円建て・外貨建ての違い
変額保険は、運用するときの通貨でも分類されます。
受け取った保険料を日本円のまま運用するものは「円建て保険」といいます。
反対に、保険料を外国の通貨に両替して運用するものは「外貨建て保険」と呼ばれます。
外貨建て保険には、円建てより運用成績が高くなる可能性がある一方、為替リスクなどもあるので、必ずメリット・デメリットを把握してから契約しましょう。
外貨建て保険の解説はこちら
変額保険のメリット・デメリット
変額保険が適しているかどうかは、それぞれのご家庭の状況や価値観しだい。
メリット・デメリットをしっかりと理解した上で、納得して決めることが最も大事です。
メリット
- 運用成績が良いと満期保険金や解約返戻金が多くなる
- 死亡や高度障害に対する最低保証がある
- 生命保険料控除による節税効果がある
- 定額の貯蓄型保険より保険料が安いことが多い
- 定額保険に比べてインフレリスクに強い
変額保険の保険料について
同じ保障の定額保険(貯蓄型)と比べた場合、月々に支払う保険料は変額保険のほうが安くなることが一般的です。
そのため、何かと出費の多い子育て世代では、
「保険は絶対に必要。でも安くしたい」
「終身保障で同じ保険金額なら、保険料の安いほうがよさそう」
という理由で変額の終身保険を選ぶことも多いようです。
インフレリスクとは
多くの物やサービスが値上がりすることを「インフレーション(インフレ)」といいます。
たとえば物価が10%上がった場合、今まで100万円だったものを買うために110万円必要になります。
つまり、同じ金額のお金でも、インフレした分だけ価値が下がってしまうということです。
一般に、インフレが起こると変額保険の運用成績は良くなりやすい傾向にあります。
そのため、将来受け取れる金額が決まっている定額保険よりも「インフレに強い」といえます。
デメリット
- 運用成績が悪いと満期保険金や解約返戻金が少なくなる
- 解約時や満期時に元本割れするリスクがある
- 株式などの純粋な投資商品よりもコストが高いことが多い
- 定額の保険より理解しておくべきことが多い
変額保険に向いている人・向かない人
変額保険に向いている人の特徴
- 保険を活用して貯蓄・資産運用をしたい
- 自分で運用していく自信がない
変額保険に向かない人の特徴
- 保険金・返戻金が変動するのが不安
- 自分で資産運用をしていける自信がある
変額保険の選び方
これまで説明してきたとおり、変額保険は資産運用の要素も持っているので、しっかりと理解したうえで、自分で納得して加入することが重要です。
変額保険を選ぶポイント
- 無期/有期/年金のどのタイプがよいか
- 外貨建てと円建てのどちらにすべきか
- 保険金の最低保証金額はいくらにするか
- 運用方針が自分の価値観と合っているか
- 運用している投資商品のリスクは適切か
金融の知識がないと、自力で最適な保険商品を選ぶのは非常に難しいといってよいでしょう。
さらに、あなたの状況に合った資産運用のプランを立てることも必要になります。
保険選び・資産運用のアドバイスはプロに無料で聞ける
「さまざまな保険の仕組みの分かりやすい説明」
「各社の変額保険の比較とおすすめの提案」
「お客様それぞれの状況に合ったお金のプランニング」
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執筆者プロフィール
三嶋裕貴
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。出版社に勤務したのち、保険マンモス専属ライターとして入社。
お金の失敗を防ぐための保険選びや見直し方、資産運用などの記事を執筆。
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