
社会人になった時、勧められるままに医療保険へ加入したものの、内容をよく把握しないまま年月が経っていませんか。医療の形やライフスタイルは変化します。この記事では、ご自身の状況に合った保険かを確認するための、見直しの手順とポイントをわかりやすく解説します。まずは基本的な知識を得て、ご自身の状況を整理するきっかけとしてご活用ください。将来の安心のため、第一歩を踏み出しましょう。
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その医療保険、本当に今のあなたに合ってる?見直しの必要性とは
「ずっと同じ保険料を払っているし、今のままでいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、加入した時と今とでは、あなたを取り巻く環境や医療の状況が大きく変わっている可能性があります。まずは、なぜ見直しが必要と考えられるのか、その理由を見ていきましょう。
昔入った保険のままでは損するかも
ひと口に「損」と言っても、それは単に保険料が高いという意味だけではありません。例えば、今のあなたにとって優先度の低い保障に多くの保険料を払っていたり、逆に、必要な保障が不足していたりするケースも考えられます。今の自分に合わない保険を続けていることが、結果的に「損」につながる可能性があるのです。
医療は日々進歩!入院の短期化
医療技術の進歩は目覚ましく、入院日数は長期的に短期化する傾向にあります。厚生労働省の調査では、病院での平均在院日数は1990年(平成2年)の44.9日から、2020年(令和2年)には33.3日へと短縮されました。 このような変化により、かつて主流だった「入院5日目から給付」といったタイプの保険では、給付金を受け取れない可能性も出てきています。また、日帰り手術や内視鏡手術など、新しい治療法に対応しているかも確認したいポイントです。
この記事を読めばわかること
この記事では、医療保険の見直しを考え始めた方が、スムーズに行動に移せるように、以下の点を順序立てて解説していきます。
- 見直しを考えるべきタイミング
- 具体的な見直しの手順(ステップ)
- 確認すべきチェックポイント
- 知っておきたい注意点
医療保険の見直しはいつ?検討すべき5つの最適なタイミング
医療保険の見直しに「この日までに」という明確な期限はありません。しかし、ご自身の状況が変化した時が、保障内容を見直す良い機会といえます。ここでは、見直しを検討したい5つの代表的なタイミングをご紹介します。
①ライフステージが変わった時
家族が増えると、万一の際の医療費の支払いや収入の減少が、家計全体に与える影響も大きくなります。そのため、自分一人のためだった医療保険を、“家族の家計を守る”という視点で見直すことが大切になります。
例えば、入院給付金の日額は、差額ベッド代や家族のお見舞いの交通費などを考慮しても十分な金額か、手術給付金は日帰り手術などにも対応しているか、といった点を改めて確認してみましょう。独身時代は不要と考えていた三大疾病などの特約も、家計への影響を考えると必要性が増しているかもしれません。
ライフイベント | 見直しのポイント |
---|---|
結婚・離婚した時 | 独身時代と同じ保障で良いか、パートナーとのバランスはどうかを確認。世帯としての保障を考える機会です。 |
子どもが生まれた時 | ご自身に万一のことがあった場合、家族の生活費や子どもの教育費は大丈夫か、という視点も必要になります。 |
子どもが独立した時 | 子育て期間が終われば、大きな保障は不要になることも。ご自身の老後に向けた保障へとシフトを検討する時期です。 |
②働き方や収入が変わった時
転職や独立、退職など、働き方が変わると収入や会社の福利厚生も変化します。それに伴い、保険も見直しが必要になることがあります。
働き方の変化 | 見直しのポイント |
---|---|
転職・独立した時 | 会社の健康保険組合の制度(付加給付など)が変わるため、公的保障でカバーされる範囲を確認し、民間の保険で備えるべき部分を再検討します。 |
退職した時 | 収入が年金中心になるため、現役時代と同じ保険料では負担が大きくなる可能性があります。保障内容と保険料のバランスを見直しましょう。 |
③年齢の節目を迎えた時
年齢を重ねると、健康上のリスクも変化します。年代ごとに、見直しのポイントも変わってきます。
30代:ライフプランに合わせて
30代は結婚や出産、住宅購入など、人生における大きな支出や、将来に向けた長期的な計画が本格化する大切な時期です。この時期に高額な医療費が発生すると、その後のライフプランに大きな影響を与えかねません。未来の資産を守るという視点で、保障内容を確認しましょう。
具体的には、急な入院や手術で貯蓄や投資に手をつける必要がないよう、十分な入院・手術保障があるかを確認します。また、治療が長期化する可能性のある病気に備え、収入減少をカバーできる一時金タイプの特約などを検討することも、将来の資産計画を守る上で有効です。
40代:生活習慣病リスクに備える
健康診断などで、少しずつ体の変化が気になる年代です。がん・心疾患・脳血管疾患の三大疾病をはじめとする生活習慣病への備えが十分か、特約の内容などを確認しておくと安心です。
50代:老後の医療費を考える
子どもが独立し、定年退職も見えてくる時期。公的医療保険の自己負担割合なども考慮しつつ、老後の医療費に備えるための保障内容になっているかを見直しましょう。
④保険の更新案内が届いた時
定期型の医療保険に加入している場合、一定期間ごとに更新の案内が届きます。多くの場合、更新すると年齢が上がっているため保険料も上がります。保障内容が今の自分に合っているか、同じ保障内容で保険料を抑えられる他の保険はないか、比較検討する良い機会です。
⑤家計の固定費を削減したい時
住宅ローンの開始や教育費の増加などで家計を見直す際、保険料は見直しの対象になりやすい項目です。ただし、保険料を抑えることだけを考えると、必要な保障まで削ってしまうことになりかねません。保障内容とのバランスを考えながら、慎重に検討することが大切です。 ご家庭ごとの最適なタイミングは、今後のライフプランによっても異なります。専門家と一緒に人生設計を整理する中で、より明確になることもあります。
失敗しない!医療保険見直しの具体的な4ステップ
「見直しの必要性はわかったけれど、何から手をつければ…」という方のために、具体的な手順を4つのステップで解説します。
Step1:今の保険内容を確認する
まずは、現在加入している保険の内容を正確に把握することから始めます。
まずは保険証券を用意しよう
保険証券やご契約のしおりなど、契約内容がわかる書類を手元に用意します。もし見当たらない場合は、契約している保険会社に連絡して再発行を依頼しましょう。
保障内容と保険料を書き出す
保険証券を見ながら、以下の項目を紙や表計算ソフトに書き出してみましょう。
- 保険の種類(終身医療保険、定期医療保険など)
- 入院給付金の日額
- 手術給付金の金額と条件
- 先進医療など、特約の有無と内容
- 保険期間(いつまで保障されるか)
- 保険料払込期間(いつまで支払うか)
- 毎月の保険料
Step2:必要な保障を整理する
次に、Step1で把握した現状を踏まえ、自分や家族にとって本当に必要な保障は何かを考えます。
今の保険への不満点を洗い出す
「入院給付金が少ない気がする」「日帰り手術が保障対象外だ」など、今の保険に対して感じている不満や不安な点を書き出してみましょう。
将来の希望や必要額を考える
これからどんなリスクに備えたいか、万一の時にどれくらいの保障があれば安心できるかを考えます。例えば、「差額ベッド代もカバーできるくらいの入院給付金がほしい」「がんの治療に手厚く備えたい」など、希望を具体的にしていきます。
Step3:新しい保険を探して比較する
自分の希望がある程度固まったら、その条件に合う保険商品を探します。
ネットで複数の商品を比較検討
現在は、インターネット上で複数の保険会社の商品を比較できるサイトが多数あります。年齢や性別、希望する保障内容を入力することで、いくつかの候補を簡単に見つけることができます。
資料請求で詳細を確認する
気になる商品が見つかったら、パンフレットや契約のしおりなどの資料を請求しましょう。ウェブサイトだけではわからない、細かい保障内容や注意点などをしっかりと確認することが重要です。
Step4:専門家に相談して決める
保険相談窓口やFPを活用する
保険ショップなどが特定の商品情報に詳しい一方、FPは家計全体の収支や将来の資産形成といった、より広い視点から、あなたに合った保険の考え方をアドバイスしてくれる専門家です。
相談前に質問をまとめておく
相談に行く際は、Step2で考えた希望や不満点、Step3で疑問に思ったことなどを事前にまとめておきましょう。最終的に決めるのはご自身ですが、その判断材料を揃えるために、一度専門家の意見を聞いてみるのも有効な手段です。
ここだけは押さえて!見直しの6つのチェックポイント
保険を比較検討する際、どこに注目すれば良いのでしょうか。ここでは、保障内容と保険料・期間の2つの側面から、6つのチェックポイントを解説します。
【保障内容編】4つのポイント
チェック項目 | 確認したいこと |
---|---|
①入院給付金の日額は十分か | 入院した場合の自己負担額は、治療費以外にも食事代や差額ベッド代などがあります。公的保障でカバーされない部分を考慮し、日額が十分か確認しましょう。 |
②手術給付金の対象範囲は広いか | 入院を伴わない日帰り手術や、放射線治療などが保障の対象になっているか確認します。対象となる手術の種類が多い方が、より安心感は高まります。 |
③先進医療特約は最新の内容か | 先進医療は厚生労働大臣によって定められ、その内容は随時見直されます。ご自身の特約が現在の技術に対応しているか、給付金の限度額は十分かを確認しましょう。 |
④三大疾病などへの備えは万全か | がん・心疾患・脳血管疾患は、治療が長期化し費用も高額になる傾向があります。これらの疾病と診断された際に一時金が受け取れる特約など、備えが十分か検討します。 |
【保険料・期間編】2つのポイント
チェック項目 | 確認したいこと |
---|---|
⑤保険料は家計に見合っているか | 保障を手厚くすれば、その分保険料は高くなります。将来にわたって無理なく支払いを続けられるか、家計とのバランスを考えることが大切です。 |
⑥保障はいつまで?保険期間は? | 保障が一定期間で終了する「定期型」か、一生涯続く「終身型」かを確認します。また、保険料の支払いがいつまで続くのか(払込期間)も重要なポイントです。 どの保障を優先し、保険料とどうバランスを取るかは一番悩む点かもしれません。客観的な視点を持つ専門家と話すことで、考えがまとまりやすくなるでしょう。 |
知らないと後悔する!見直しの3つの注意点とデメリット
見直しにはメリットだけでなく、注意すべき点もあります。後悔しないために、以下の3つのポイントを必ず覚えておきましょう。
注意点1:安易に解約しない
健康状態によっては再加入不可も
保険を見直す際、現在の健康状態が重要になります。もし、以前の保険に加入した時よりも健康状態が悪化している場合、新しい保険に加入できなかったり、条件が付いたりすることがあります。
保障がない「空白期間」に注意
新しい保険に加入する前に現在の保険を解約してしまうと、病気やケガをしても何も保障されない「空白期間」が生まれてしまいます。この期間をなくすためにも、契約のタイミングは非常に重要です。
注意点2:新旧契約のタイミング
新しい保険の成立後に解約する
見直しの鉄則は「新しい保険の契約が成立し、保障が開始されたことを確認してから、古い保険を解約する」ことです。これにより、保障の空白期間が生まれるのを防ぐことができます。
注意点3:保険料と保障開始日の確認
見直しによって新しい保険に切り替える際は、保障内容だけでなく、保険料の仕組みや保障が始まるタイミングにも注意が必要です。
年齢が上がると保険料も変わる
医療保険の保険料は、加入時の年齢におけるリスクに基づいて計算されます。そのため、同じような保障内容であっても、現在の年齢で新たに見直して加入する保険とでは、後者の方が保険料が高くなるのが一般的です。保障内容の充実度と、家計への負担のバランスを改めて考える必要があります。
新しい保険には待機期間があるかも
保険商品、特にがん保険などでは、契約が成立してから保障が開始されるまでに、90日間などの**「待機期間(免責期間)」が設けられていることがあります。切り替えの際は、新しい保険の保障がいつから有効になるのかを必ず確認し、保障されない期間が生まれないように注意しましょう。
医療保険の見直しでよくある質問(Q&A)
ここでは、医療保険の見直しに関してよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 見直しは何年ごとに行うべき?
A1. 「〇年ごと」という決まりはありません。しかし、保険商品や医療制度は変化していくため、何もなくても3~5年に一度、あるいは本記事で紹介したようなライフイベントのタイミングで、保障内容を確認する習慣をつけておくと良いでしょう。
Q2. 40代の医療保険の平均保険料はいくら?
A2. 医療保険“単体”の正確な平均保険料という公的な統計を見つけるのは非常に難しいのが現状です。 一般的に、40代の方が加入する掛け捨て型の医療保険では、保障内容にもよりますが月々2,000円~5,000円程度がひとつの目安になります。平均額を気にするよりも、ご自身の家計にとって無理のない金額か、保障内容に納得できるかで判断することが大切です。
Q3. 最低限入っておくべき保障は?
A3. どのような保障を「最低限」と考えるかは、その方の価値観や経済状況によって異なります。一般的には、「入院給付金」と「手術給付金」が医療保険の基本保障とされています。その上で、ご自身が特に不安に感じるリスクに対して、特約で備えを厚くしていく、という考え方が一つの方法です。
まとめ:納得の医療保険見直しで、将来の安心を手に入れよう
医療保険の見直しは、将来の漠然とした不安を、具体的な安心に変えるための大切な作業です。
この記事で解説した手順とポイントを参考に、まずはご自身の保険証券を手に取って、現在の保障内容を確認することから始めてみてください。その上で、もし少しでも迷う点があれば、一人で抱え込まずに専門家に相談することも、将来の安心を手に入れるための賢明な選択です。
自分と家族の今、そして未来に合った保険を選ぶことは、より豊かな人生を送るための土台となります。この記事が、その第一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。