介護と育児が同時期に起こる「ダブルケア」という言葉をご存知でしょうか?
内閣府男女共同参画局が行った調査によると、ダブルケア人口は2016年時点で推計約25万人で、今後も増加していくと予想されています。
背景にあるのは、晩婚化と出産年齢の高齢化、高齢者人口の増加などいわれています。
介護も育児も、お金がかかるもの。この二つの出費が同時に発生すると、単体で発生するよりもさらに支出は増えます。
介護と育児の同時発生「ダブルケア」には、お金だけでなく労力も拘束時間もかかります。
そのため国ではダブルケアによる離職を減らす目的も含め、2021年1月より「育児・介護休業法」を改定しました。
この改定では、これまで半日単位でしか取得できなかった休業申請が時間単位でできるようになり、対象者はこれまで1日4時間以上の就労者のみだったところ全ての労働者に拡大するなど、より多くの人が柔軟に介護や育児による休業を取得できるようになりました。
国も課題感を持っているダブルケア。ここでは、介護と育児の両立には月額いくらかかるのか、家庭内では主に誰が実務を行っているのか、ダブルケアが就労におよぼす影響をご紹介します。
- ※ダブルケアの対象となる子どもの年齢は未だ定義されていません。そのため本稿で使用する2つの調査における子どもの年齢は違い、それぞれ下記のようになっています。
- ・内閣府男女共同参画局「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」平成28年4月 :育児の対象となる子どもは未就学児
- ・ソニー生命保険「ダブルケアに関する調査2018」:大学生以下の子ども
介護と育児を同時に行うと、平均月額75,518円かかる
ダブルケアを行ったことがある人を対象にしたソニー生命保険「ダブルケアに関する調査2018」によると、介護と育児の両立にかかった費用の平均は、月額75,518円でした。
その内訳は下表の通りです(すべて平均額)。
親の医療・介護関連費用※1 | 子どもの保育・教育関連費用※2 | その他 | 合計 |
---|---|---|---|
23,073円 | 38,015円 | 14,430円 | 75,518円 |
- ソニー生命保険「ダブルケアに関する調査2018」をもとに作成
- ※1親は義理の親も含む。介護用品や移動費も含む
- ※2習い事や塾等も含む
介護と育児の両立が経済的に負担になっている人は約6割
前出のソニー生命保険の調査によると、介護と育児の両立に経済的な負担を感じている人は、全体の約6割。
特に多いのは30代で全体の66.2%、次に多い40代では59.5%で、いずれの年代でも半数以上の家庭でダブルケアが経済的に負担だと感じています。
毎月75,518円の支出が家計におよぼす影響は大きいですね。
出典:ソニー生命保険「ダブルケアに関する調査2018」
介護と育児を主に行っているのは40歳前後の女性
では、介護と育児の両立で、主に実務を担っているのは、誰なのでしょうか。
内閣府が行った調査※1によると、ダブルケアを行う人の平均年齢は、男女ともに40歳前後でした。
さらに、ダブルケアを「主に」行う人の割合は、女性が約半数、男性が約3割でした※2。
このことから、40歳前後の女性が主に介護と育児の両立を担っているといえるでしょう。
- ※1内閣府男女共同参画局「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」平成28年4月
- ※2残りの2割は介護のみ主に行う人と、子育て・介護ともに主体となって行っていない人
介護と育児の両立が仕事に与える影響
介護も育児も、突発的な対応が必要だったり、拘束時間が長いため、仕事への影響も出てくるでしょう。
実際にダブルケアを行った人は、仕事にどのような影響があったのでしょうか。
男性の約半数、女性の約7割が仕事への影響あり
内閣府の調査によると、介護と育児の両立に携わる男女のうち、仕事に影響がなかったと答えた人は男性で47.9%、女性で30.0%でした(下図)。
それ以外の男性52.1%、女性70.0%の人は、仕事に何らかの影響があったようです。
女性のほうが仕事への影響があった人が多いのは、先述のように、実際にダブルケアを行う人に女性が多いというのが要因の一つかもしれません。
影響があった人のうち「業務量や労働時間を減らした」人は男性で約2割、女性で約4割。
時間給で働いている場合、労働時間が減るとお給料も減ります。ただでさえ介護費用と教育費ダブルで出費がかさむうえに、お給料まで減るという大きな痛手を負うことになります。
出典:内閣府男女共同参画局「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」平成28年4月
業務量や労働時間を減らした理由
では、業務量や労働時間を「減らした」や「増やしたかったが変えられなかった」人の理由はどのようなものでしょうか。
その理由として最も多いのは、男性では「介護者を施設に入所させることができなかった」(31.4%)で、女性は「家族の支援が得られなかった」(27.9%)でした。
男女ともに、支援サービスや家族からのサポートが得られなかったことが理由となっています。
ダブルケアを行う無業女性の約6割が就業を希望している
先述のように、介護と育児の両方を主として行うのは女性が多くなっています。
先述の内閣府の調査では、ダブルケアを主として行い、仕事を持たない(無業者)女性のうち、63.3%が就業を希望していることが分かりました。
介護と育児の両方を行っている女性のうち、仕事に就きたいのに就けていない人は一定数いるようです。
あなたのご家庭は介護と育児に月7.5万円の支出ができますか?
他人事ではない介護と育児の同時発生「ダブルケア」。
先述のようにダブルケア経験者は、介護費用と教育費等の支出に月額75,518円(平均)かかっていました。
介護経験者に聞いた介護期間は平均4年7カ月※。ダブルケアを行う家庭の子どもが大学生の場合、4年間学費の支払いがあります。
介護期間と子どもの大学生期間が重なっていたとして、4年間毎月7万5,000円を支出すると、総額360万円になります。
これだけの支出を支払える余裕のあるご家庭は多くないのではないでしょうか。
国も経済的・就業面での影響を鑑み、介護休業給付金という制度を設けています。正社員だけでなくパート・アルバイトの方でも要件を満たせば利用できるこの制度の詳細は「介護休業・介護休暇とは?どうすれば給付金をもらえる?」をご覧ください。
上記給付制度を利用しても、介護と育児を両立させるダブルケアを行う人にとっては必要な費用に届きません。
介護は、突然発生する場合があります。
また、育児休業と介護休業は同時には取得ができません。
介護と育児が同時に起こって慌てる前に、家計や払いすぎているかもしれない保険料の見直しをして、毎月75,000円の支出に耐えられるようにしませんか?
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