老後資金を貯める方法としてiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)を検討される方が多いようです。
iDeCoとは、将来に受け取る年金をふやすことを目的として、自分でお金を積み立てて(拠出)、自分で運用していく制度。
運用がうまくいけば得をする可能性がある一方で、よく理解しないまま加入してしまうと、損をしたり家計が苦しくなったりすることもあります。
このページでは、iDeCoの基本知識やメリット・デメリット、加入する前に必ずチェックしておくべきポイントをご紹介しています。
iDeCoを検討中の方は、ぜひご覧ください。
iDeCoとは、自分の年金を自分で運用する制度
iDeCoとはこんな制度
- 投資信託などの金融商品を、毎月一定額積み立て購入する
- 60歳以降に一括または分割で受け取る
- 運用によって元本割れするリスクがある
- 1人1口座のみ開設可能
- 20歳以上65歳未満まで加入できる
上限額(後述)以内であれば、自分で積み立てる金額を決めることができます。積み立てられる最低金額は月5,000円です。
投資信託の種類により、リスク・リターンの大きさは異なります。
複数の投資信託を組み合わせて積み立て購入できるので、自分がとれるリスクに応じて運用法を決められます。
積み立てる金額や購入する金融商品を途中で変更することも可能です。
人によって掛金の上限額が違う
加入している国民年金の種類や勤務先の制度によって、毎月積み立てられる掛金の上限額(拠出限度額)が異なります。
画像出典:iDeCo公式サイト
「企業型DC」とは、会社が加入している確定拠出年金制度です。
「DB」とは、確定給付企業年金などを指します。
お勤め先の年金制度がわからない場合は、給与管理担当者にご確認ください。
iDeCoのメリット
iDeCoのメリット
- 運用しだいで高い収益を得られる可能性がある
- 3種類の税制優遇がある
- 運用コストが低い投資信託を選びやすい
運用しだいで高い収益を得られる可能性がある
近年は超低金利により、銀行などの預貯金ではごくわずかな利息しかつきません。
リスクをとって投資信託などで積み立てをして、運用がうまくいけば預貯金より高いリターンを得られることがあります。
3種類の税制優遇がある
iDeCoを利用すると、以下の3種類の税制上の優遇を受けることができます。
1.積み立てた掛金の全額が保険料控除の対象になる
iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象になります。所得控除を受けると、所得や掛金などに応じて、払い過ぎた税金が返ってきます(還付金)。
掛金の申告は、確定申告や年末調整の「保険料控除」で行います。
2.運用で得た利益が非課税になる
通常、投資信託や定期預金で得た利益には20.315%の税金がかかります。
しかしiDeCoで積み立てた場合、その金額から得た利益はすべて非課税になります。
3.お金を受け取るときにも所得控除がある
運用したお金を受け取るときにも所得控除を受けられます。
一時金としてまとめて受け取る場合は「退職所得控除」、年金として分割で受け取る場合は「公的年金等控除」という枠で控除が受けられます。
両方を組み合わせる「併給」という方法もあります。
一時金で受け取った場合の税金について
会社からの退職金と合算した額(源泉徴収前)が、下記の退職所得控除額を超えた場合、超えた分の半額に対して税金がかかります。
- 加入期間が20年以下の場合:退職所得控除額=40万円×勤続年数
※80万円に満たなければ80万円 - 加入期間が20年以上の場合:退職所得控除額=800万円+70万円×(勤続年数-20年)
年金として受け取った場合の税金について
65歳未満の場合は年額60万円を超えた分に、65歳以上の場合は年額110万円を超えた分に税金がかかります(他の公的年金等の収入との合算額)。
運用コストが低い投資信託を選びやすい
投資信託を購入して運用すると「信託報酬」という管理手数料がかかりますが、iDeCoで積み立てられる投資信託には、手数料が安いものが多くあります。
手数料や購入できる投資信託の商品ラインナップは金融機関によって異なります。加入する前に、手数料が高くないか、十分な種類の取扱商品があるかを確認しましょう。
iDeCoのデメリット
iDeCoのデメリット
- 投資信託には元本割れのリスクがある
- 60歳までお金を引き出せない
投資信託には元本割れのリスクがある
投資信託には元本保証はありません。運用がうまくいかなかった場合、掛金が減ってしまうこともあります。
金融機関によっては元本保証のある定期預金に積み立てることもできます。所得控除などのメリットはありますが、手数料以上の利息がつくことは考えにくいと言えます。
60歳までお金を引き出せない
iDeCoで積み立てたお金は、60歳まで引き出すことができません。そのため、教育費や住宅ローンの返済など、近い将来に使うお金の貯蓄には不向きです。
途中で掛金の拠出を止めることはできますが、その場合でも一定の手数料は発生します。
iDeCoに加入する前のチェックリスト
iDeCoは自分で運用方法を選ぶものなので、運用結果も自己責任です。後悔のないよう、必ず以下のポイントをチェックしましょう。
iDeCoに加入する前のチェックリスト
- 元本割れリスクについて十分理解しているか?
- 毎月の掛金で家計は苦しくならないか?
- 近い将来に使うお金は準備できているか?
- 検討中の金融機関の手数料は適切か?
- 検討中の金融機関の取扱商品数は他の金融機関に比べて少なくないか?
老後資金の準備法はプロに相談するのがおすすめ
安心して老後を迎えるためには、十分な額を無理なく貯める貯蓄計画を立てることが欠かせません。
「貯蓄計画の立て方がわからない」「iDeCo以外の貯蓄方法も検討したい」という方は、お金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に一度相談してみるとよいでしょう。
執筆者プロフィール
三嶋裕貴
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。出版社に勤務したのち、保険マンモス専属ライターとして入社。
お金の失敗を防ぐための保険選びや見直し方、資産運用などの記事を執筆。
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