生命保険に加入する際は多くの場合、主として契約する保険(主契約)に「特約」といわれる保障を付けることができます。
この「特約」とは一体、どのようなものなのでしょうか。
特約をつけると保障や保険料はどうなるのか、あなたに合ったオススメの特約、特約をつける際の注意点、特約をあとから外したり追加することはできるのかなど、生命保険の特約についてまとめました。
生命保険の特約ってどういうもの?
生命保険の特約は、生命保険の主契約に付加して保障を充実させるものです。
付加した特約の保険料が、主契約の保険料に上乗せされます。
また、保険の入り過ぎを防ぎ、保険料を節約できる場合もあります。例えば生命保険に医療保障の特約を付けることで、生命保険と医療保険の両方に入る必要がなくなるなどです(次の章で後述します)。
ただし、全ての生命保険の主契約にどの特約も付加できるというわけではありません。
特約の種類によっては付加できない場合があったり、付加できたとしても保険金額に制限がある場合があります。
その条件は、保険会社や保険商品によって違います。
あなたに合ったオススメの特約はどれ?特約の種類
生命保険に付ける特約には多くの種類があります。
主契約に加えることで保障を手厚くする特約。主契約の内容や契約者の希望によって、オススメの特約は変わります。
そこで、手厚くしたい保障に対応した特約の種類をまとめました(下表)。
手厚くしたい保障 | 特約の種類 |
①死亡時の保障 | 定期保険特約 |
収入保障特約 | |
②病気やケガの保障 | 入院特約 |
通院特約 | |
先進医療特約 | |
③特定の疾病への保障 | 生活習慣病特約 |
特定疾病特約 | |
女性疾病特約 | |
ガン保障特約 | |
④事故への保障 | 災害割増特約 |
傷害特約 | |
⑤介護・認知症・就労不能時の保障 | 介護特約 |
認知症特約 | |
就労不能保障特約 | |
リビングニーズ特約 | |
⑥保険料の支払いに関する保障 | 保険料払込免除特約 |
※保険会社や保険商品によって特約の内容や名称は異なります。
それぞれについて、順にみていきましょう。
①死亡時の保障
特約をつけることで、死亡時の保険金を増やすことができます。
定期保険特約は、保険期間(保障期間)に期限のある特約です。
例えばお子さまの教育費がかかる期間だけこの特約を付けて、保護者の万一の時にお子さまの養育資金に不足が生じないようにすることができます。
収入保障特約は、被保険者が死亡時に受け取る保険金を、一括支払いではなく年金形式で受け取れるものです。
一括で保険金を受け取ると管理が難しいと感じる方は少なくないでしょう。年金形式だとお給料のように毎月受け取ることができるので、管理もしやすくなりますね。
②病気やケガの保障
病気やケガの保障を手厚くしたい場合には、医療保険と同じように、入院や通院、先進医療を受けた際に給付金が受け取れる特約があります。
別途医療保険に加入している場合は、保障の重複があるとそのぶん保険料は多く支払うことになるのでご注意ください。
また、生命保険の特約での保障と、医療保険単体での保障では異なる部分があるため、保障内容を比較して、特約か医療保険単体か、適切な選択をしましょう。
例えば、医療保険単体で加入する場合、特約に比べて見直しがしやすいというメリットがあります。
③特定の疾病への保障
特定の疾病への保障を手厚くしたい場合の保障は、下記のような疾病や保障項目に特化したものがあります。
不安に感じている疾病への保障を、手厚くすることができます。
- 生活習慣病
- がん、脳卒中、心臓病、高血圧、糖尿病など
- 特定疾病
- 3大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)
- 7大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中、糖尿病(重度)、 高血圧性疾患(重度)、慢性腎不全、肝硬変)など
- 女性疾病
- 女性特有のがん(乳がん、子宮がん、卵巣がん)、乳腺症、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣機能障害、卵巣のう腫、関節リウマチ、妊娠・出産関連(妊娠・分娩および産褥(さんじょく)の合併症)など
- がん保障
- がんに罹患した場合、診断・入院・通院・手術・先進医療などに給付金が支給されます
④事故への保障
災害割増特約、傷害特約ともに、不慮の事故や自然災害、特定の感染症での死亡や身体障害となった場合に給付金が支払われます。
災害割増特約と傷害特約の違いは保障範囲で、傷害特約の方が災害割増特約よりも保障範囲が広くなっています。
新型コロナウイルス感染症による死亡も保障される商品が多くあります。
災害割増特約、傷害特約について詳細は「新型コロナも支払対象!生命保険の災害割増特約とは?」をご参照ください。
⑤介護・認知症・就労不能時の保障
介護や認知症、何らかの事由で就労ができなくなった場合の特約です。
介護特約は、被保険者が所定の要介護状態になった場合に一時金や年金形式で給付金が受け取れます。公的介護保険の認定基準をもとに給付基準を設けている商品が多くあります。
認知症特約は保険会社によって保障内容がさまざまですが、例えば認知症と初めて診断された場合に保険金が支払われる等の保障があります。
就労不能保障特約、リビングニーズ特約は、所定の事由で被保険者が働けなくなった場合、収入代わりに保険金を受け取れる特約です。
なかでもリビングニーズ特約は、「余命6カ月以内」と診断された場合、存命中に死亡保険金の一部や全額を受け取ることができるもので、保険料は無料です。詳細は「生命保険のリビングニーズ特約とは?特徴と注意点を解説」をご参照ください。
⑥保険料の支払いに関する保障
保険は保険料を支払わないとその効力を発揮できません。しかし、保険料を払い続けられるか不安に思う方もいらっしゃることでしょう。そのような場合の特約もあります。
例えば、特定の条件下で保険料の支払いが免除になる「保険料払込免除特約」などです。
条件としては、「所定の就労不能」や「所定の要介護状態」、「所定の生活習慣病による所定の状態に該当したとき」など、さまざまです。
生命保険の特約を付加する際の3つの注意点
生命保険の特約を付ける際、特に注意したいのが下記3点です。
- 保障過多で保険料を払い過ぎる場合がある
- 特約の保険期間と払込期間が主契約と異なる場合がある
- 主契約を解約すると特約も解約になる
順にみていきましょう。
注意点1.保障過多で保険料を払い過ぎる場合がある
先述のように、特約は保険の入り過ぎや保険料の払い過ぎを防ぐ場合もあります。
しかし逆に、保障をつけ過ぎて保険料を多く支払ってしまう危険性もあります。
例えば生命保険に医療保障の特約をつけているのに、別途、同じ保障の医療保険に加入している場合などです。
加入する全ての保険の保障を確認することで、このような保障の重複を防ぐことができます。ご自身で確認するのは骨の折れる作業のため、保険のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に確認してもらうという方法が手っ取り早いでしょう。
保険マンモスでは無料で保険や保障の確認や見直しができますので、ぜひご利用ください。
注意点2.特約の保険期間と払込期間が主契約と異なる場合がある
特約は、保険期間(その特約の保障が適用される期間)が主契約と異なる場合があるので注意が必要です。
例えば、主契約の保険期間が「終身」で、特約の保険期間が「定期」の場合です。
特約の保険期間が満了になると、更新の際には更新時の年齢での保険料が適用されるため、同じ保障内容にもかかわらず保険料だけが上がる可能性が高いです。
そのため、主契約の保険料が変わらなくても、特約の保険料が上がれば、保険料の合計金額は上がります。
注意点3.主契約を解約すると特約も解約になる
特約は、あくまでも主契約に付加する保障です。
主契約を解約したり、契約満了となったり、契約者が死亡して保険金を受け取り主契約が消滅した場合などは、特約は自動的に解約となります。
特約をあとから「外す」「追加する」ことはできるの?
主契約や特約の契約をし、時間が経過してから特約を外したり追加したりしたい場合があります。
契約後の特約解除や追加は保険会社や保険商品によって可否が変わりますが、可能な場合もあります。
可能だった場合のメリットとデメリット、注意点をお伝えします。
あとから特約を外す場合
主契約はそのままで、あとから特約だけを外す場合のメリットとデメリットは下記の通りです。
メリット
保険料が下がる可能性が高い
デメリット
- 保障が少なくなる
- 解約返戻金が少なくなる
- 解除する特約以外にも特約を付けている場合、ほかの特約も一緒に解約しなくてはならない可能性がある
あとから特約を追加する場合
主契約はそのままで、あとから特約を追加する場合、特約の追加時に改めて健康告知が必要になる可能性が高いです。
さらに、特約を追加する際の年齢での保険料が適用されるため、保険料が上がる可能性もあります。
メリットとデメリットは下記の通りです。
メリット
保障が充実する
デメリット
- 保険料が上がる可能性が高い
- 他の保険や特約の保障との重複が発生する場合がある
特約は、主契約ありきの保障です。主契約と特約をセットにした場合の保障と保険料のバランス、すでに加入している保険との重複がないか等、加入している保険やこれから加入する保険を総合して確認することで、保障の過不足と保険料の払い過ぎを防ぐことができます。
ご自身で確認・検討するのは知識と手間がかかるため、ぜひ一度、保険の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)にご相談ください。
保険マンモスは無料で優秀なFPをご紹介しますので、ぜひ一度ご検討ください。
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