自営業の夫が亡くなったら、寡婦年金と死亡一時金のどちらを受け取るべき?

                 

自営業者の夫が亡くなったとき、妻は国民年金から「寡婦年金」や「死亡一時金」といった給付が受けられることがあります。

寡婦年金と死亡一時金は、どちらか一方しか受け取ることができないのですが、どちらにするか迷ってしまう方も多いようです。

このページでは、寡婦年金と死亡一時金の考え方についてまとめています。

夫婦ともにご健在な方も、もしものことがあったときのために知っておきましょう。

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寡婦年金・死亡一時金が受け取れるのは自営業者のご遺族

寡婦年金・死亡一時金ともに、支給の対象となるのは国民年金の第1号被保険者のご遺族です。

国民年金の第1号被保険者とは、20歳以上60歳未満の自営業者や農業・漁業者、フリーター、学生など。

上記の条件にあてはまらない方でも、遺族年金を受け取れる場合があります。

ここからは寡婦年金・死亡一時金の詳細をそれぞれご説明します。

寡婦年金の支給要件と受給額

寡婦年金を受給できるのは、夫が亡くなっている60~64歳の女性のみです。そのため、夫の死後すぐに申請をしても対象年齢になるまで受け取れません

詳細な支給要件は以下のとおりです。

寡婦年金の支給要件

  • 妻が60歳以上65歳未満
  • 夫の死亡時に婚姻関係が10年以上継続していた (事実婚を含む)
  • 夫が国民年金の第1号被保険者として10年以上保険料を納めていた※
  • 夫が老齢基礎年金・障害基礎年金を受けていなかった
  • 妻が老齢基礎年金の繰り上げ支給を受けていない

※保険料の免除を受けた期間を含む

請求期限

寡婦年金の請求ができるのは死亡の翌日から5年以内です。
5年を過ぎると受給権はなくなるのでご注意ください(請求手続きは後述しています)。

寡婦年金はいくらもらえる?

寡婦年金の金額は、夫の老齢基礎年金の4分の3です(付加年金は含まれません)。

老齢基礎年金は満額で78万1,700円(年額)※なので、寡婦年金は年間58万6,275円となります。

老齢基礎年金の額は毎年改定されるので概算となりますが、最長期間の5年間受け取った場合、総額は約293万円となります。

実際の老齢基礎年金の金額は、夫のねんきん定期便で確認することができます。

※上記は令和3年度の金額です(保険料を40年間全額納付した場合)

再婚すると寡婦年金がもらえなくなる

寡婦年金を受け取っていた方が再婚(事実婚を含む)すると、受給権がなくなります。

この他に寡婦年金が受け取れなくなるのは以下のケースです。

  • 65歳になった
  • 亡くなった
  • 老齢基礎年金の繰り上げ請求をした
  • 直系血族・直系姻族以外の養子となった

65歳になるとどうなる?

妻が65歳になると、自身の老齢年金の受給資格を得ます。

寡婦年金を受け取っていた方の場合、寡婦年金が停止され、妻本人の老齢基礎年金が支給されます。

死亡一時金の支給要件と受給額

死亡一時金は、自営業者のご遺族が受け取れるお金です。寡婦年金と違い、妻以外でも受け取れます。受け取れる時期は、請求後1~2カ月が目安です。

詳細な支給要件は以下のとおりです。

死亡一時金の支給要件

  • 故人が国民年金の第1号被保険者として3年以上保険料を納めていた※
  • 故人が老齢基礎年金・障害基礎年金を受けていない
  • 故人と生計を同じくしていた遺族
  • 遺族が遺族基礎年金の対象外である

※4分の3納付月数は4分の3カ月、半額納付月数は2分の1カ月、4分の1納付月数は4分の1カ月として計算

ここでいう「遺族」とは、受け取れる優先順に配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹のうちの1人です(優先順は配偶者が最も高く、兄弟姉妹が最も低い)。

請求期限

死亡の翌日から2年以内

死亡一時金はいくらもらえる?

死亡一時金の金額は、国民年金の保険料を納付した期間(通算)によって以下のように変わります。

死亡一時金の額

保険料納付期間 受給額
3年以上15年未満 120,000円
15年以上20年未満 145,000円
20年以上25年未満 170,000円
30年以上35年未満 270,000円
35年以上 320,000円

付加保険料を3年以上納めた人は8,500円が加算されます。

納付期間は、亡くなった方のねんきん定期便で確認できます。

寡婦年金と死亡一時金のどちらが得か?

寡婦年金と死亡一時金の比較

寡婦年金と死亡一時金の違い

  寡婦年金 死亡一時金
必要な納付済期間 10年以上 3年以上
受給できる人 妻のみ 配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の中の1人
受給できる年齢 60歳以上65歳未満 年齢制限なし
受給額 夫の老齢基礎年金の4分の3 120,000~320,000円
支給方法 2カ月に1回ずつ 一括払い
繰上受給を受けている人 受け取れない 受け取れる
請求権の時効 5年 2年

では、寡婦年金と死亡一時金のどちらも受け取れる場合はどちらを選べばよいのでしょうか。

一般的なケースでは寡婦年金の方が有利なことが多い

個別のケースによって支給額が異なるので一概にはいえませんが、前述の試算をみると一般的なケースでは寡婦年金の方が受取総額が高くなることが多いといえます。

しかし、場合によっては死亡一時金を受け取った方がよいケースもあります。

死亡一時金の方がよいケースの例

  1. 夫が亡くなった後、すぐにお金が必要
  2. 老齢基礎年金の繰り上げ受給をしている/したい
  3. 寡婦年金を受給できる期間がない/短い
  4. 夫の老齢基礎年金額が少ない

3のケースにあたるのは、65歳を迎えた方・まもなく迎える方です。妻が夫より年上だった場合に起こりやすくなります。
4のケースは、夫の国民年金加入期間が短い・保険料の未納が多い場合に起こることがあります。

寡婦年金・死亡一時金の請求手続き

寡婦年金も死亡一時金も、手続きはほぼ同じです。

下記の必要書類をそろえ、亡くなった方の住所地の市区町村役場の窓口か近隣の年金事務所・年金相談センターに提出するだけです。

必要書類

  • 請求書
  • 亡くなった方の年金手帳
  • 戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票のコピー
  • 亡くなった方の住民票除票
  • 振込先の預金通帳・キャッシュカードのコピー
  • 請求者の所得証明書・課税証明書・源泉徴収票など※
  • 請求者の年金証書(公的年金を受けている方)※

※は寡婦年金を請求する場合のみ

請求書は日本年金機構のサイトからダウンロードするか、上記の提出先で入手できます。

自営業の方は保障の不足にご注意ください

ご家族が亡くなったとき、自営業者のご家庭はサラリーマンの家庭よりご家族が生活に困る可能性が高いといえます。

これは遺族年金制度が以下のように異なるためです。

自営業とサラリーマンの遺族年金の比較

ご遺族の生活費は数千万円にもなることがあるので、貯蓄で備えるのは非常に難しいでしょう。

公的保障で不足する保障を補うには、民間の生命保険で備えることが必要です。

自分の生命保険の保障が足りているかを確認する方法

あなたにもしもことがあったとき、加入中の生命保険でご家族は十分な保障は受けられるでしょうか。

保険の契約内容を確認するときは、お金のプロ・FP(ファイナンシャルプランナー)への保険相談をご利用ください。

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執筆者プロフィール

三嶋裕貴

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。出版社に勤務したのち、保険マンモス専属ライターとして入社。
お金の失敗を防ぐための保険選びや見直し方、資産運用などの記事を執筆。

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