
「ようやく貯まった100万円。銀行に預けておくだけでは増えないし、将来のために投資を始めたい。でも、もし元本割れして大切な資産が減ってしまったら…」
「ほったらかし投資」という手軽な言葉に魅力を感じつつも、心のどこかでそんな不安を抱えていませんか?
その不安、非常によくわかります。投資において「元本保証」はなく、価格が変動する以上、元本割れのリスクは誰にでもあります。
しかし、そのリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることで、元本割れする可能性を大きく引き下げ、長期的に資産を増やしていくことは十分に可能です。
この記事では、金融のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)が、あなたのそんな不安に真正面から向き合います。なぜ元本割れが起こるのか、その具体的なリスクから、失敗を避けるための鉄則、そして初心者でも安心して始められる具体的な方法まで、専門用語を極力使わずに徹底解説します。
この記事を読み終える頃には、「元本割れ」への漠然とした恐怖は、「自分でコントロールできるリスク」へと変わり、あなたは自信を持って資産形成の第一歩を踏み出せるようになっているはずです。
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【結論】100万円の「ほったらかし投資」、本当に元本割れするの?
結論から申し上げます。100万円を投資した場合、短期的に見れば元本割れする可能性は十分にあります。しかし、10年、15年という長期的な視点で見れば、元本割れのリスクは統計的に大きく低下し、むしろ資産が増えている可能性のほうが高いと言えます。
なぜそう言えるのか、具体的なデータとシミュレーションで見ていきましょう。
歴史が証明する「長期投資」の有効性
これは、過去のデータに基づいた有名な分析です。金融庁の資料によると、国内外の株式や債券に積立・分散投資を行った場合、保有期間が長くなるにつれて年率リターンのブレ幅が小さくなり、元本割れする確率が下がっていくことが示されています。
特に、保有期間が20年になると、過去のデータ上では元本割れしたケースはありませんでした。
もちろん「過去の実績が未来を保証するものではない」という大前提はありますが、これは「長期・積立・分散」を組み合わせた投資が、元本割れリスクを抑制する上で非常に有効であることを示す強力な証拠です。
シミュレーション:もし100万円を「ほったらかし」たらどうなる?
では、仮に100万円を一括投資し、ほったらかした場合、将来いくらになっている可能性があるのでしょうか。期待できるリターン(年利)を3つのパターンに分けてシミュレーションしてみましょう。
運用期間 | 年利3%(控えめ) | 年利5%(現実的) | 年利7%(やや強気) |
---|---|---|---|
5年後 | 約116万円 | 約128万円 | 約140万円 |
10年後 | 約134万円 | 約163万円 | 約197万円 |
20年後 | 約181万円 | 約265万円 | 約387万円 |
30年後 | 約243万円 | 約432万円 | 約761万円 |
※税金や手数料は考慮しない複利計算
年利5%〜7%は、全世界の株式や米国の株式に広く分散投資した場合に期待される現実的なリターンです。見ての通り、時間が経つほどに「複利」の効果が働き、雪だるま式に資産が増えていくのがわかります。短期的な元本割れのリスクを乗り越えれば、このような未来が待っている可能性があるのです。
なぜ元本割れが起こる?知っておくべき3つの根本リスク
長期的に見れば安心材料があるとはいえ、なぜ短期的には元本割れが起こるのでしょうか。その原因となる、避けては通れない3つの根本リスクを理解しておきましょう。
- 市場リスク(価格変動リスク)
企業の業績、国内外の景気、金利の動向、政治情勢など、さまざまな要因によって株価や債券価格は日々変動します。例えば、世界的な不況(リーマンショックやコロナショックなど)が起これば、市場全体が大きく下落し、あなたの資産価値も一時的に目減りします。これが元本割れの最も直接的な原因です。 - 為替リスク
日本の投資家が米国の株式など海外の資産に投資する場合、必ずこのリスクが伴います。例えば、1ドル100円の時に100万円で1万ドル分の米国株を買ったとします。株価が変わらなくても、その後円高が進み1ドル90円になると、あなたの資産は日本円に換算すると90万円の価値に目減りしてしまいます。逆に円安になれば資産は増えますが、この為替の変動も元本割れの一因です。 - 信用リスク
これは、投資した企業の経営が破綻したり、国が財政破綻したりするリスクです。個別企業の株に集中投資している場合、その会社が倒産すれば株の価値はほぼゼロになります。国債でも、可能性は低いですが発行体の国がデフォルト(債務不履行)に陥れば元本が返ってこない可能性があります。「ほったらかし投資」で広く分散された投資信託を選ぶことは、この信用リスクを低減させる上でも非常に重要です。
元本割れを避ける!失敗しないための5つの鉄則
リスクを理解した上で、次はいよいよ具体的な対策です。以下の5つの鉄則を守ることで、あなたは元本割れのリスクを効果的にコントロールし、賢く資産を育てていくことができます。
鉄則1:「長期」の視点を絶対に忘れない
先ほどのデータでも示した通り、時間はリスクを低減させる最大の味方です。最低でも10年、できれば15年以上は使う予定のないお金で投資を始めましょう。市場が暴落して資産が一時的に半分になったとしても、「どうせ使うのは20年後だから」とドッシリ構えていられる精神的な余裕が、パニック売りという最悪の行動を防ぎます。
鉄則2:「分散」を徹底する
「卵は一つのカゴに盛るな」という投資格言の通りです。100万円を一つの会社の株だけに投じるのは非常に危険です。
- 資産の分散: 株式だけでなく、債券など異なる値動きをする資産を組み合わせる。
- 地域の分散: 日本だけでなく、米国、欧州、新興国など、世界中の国に投資する。
- 時間の分散: 100万円を一度に投じる「一括投資」だけでなく、毎月3万円ずつ、などと時期を分けて投資する「積立投資」を検討する。これにより、価格が高い時には少なく、安い時には多く買うことができ、平均購入単価を抑える効果(ドルコスト平均法)が期待できます。
鉄則3:手数料の安い「インデックスファンド」を選ぶ
投資の神様ウォーレン・バフェットも推奨する「インデックスファンド」は、日経平均株価やS&P500といった市場全体の動きに連動することを目指す投資信託です。特定の銘柄を選ぶプロ(ファンドマネージャー)が運用する「アクティブファンド」に比べ、運用にかかるコスト(信託報酬)が圧倒的に安いのが特徴です。
このコストは、あなたが支払い続ける隠れたリターンの足かせです。信託報酬は年率0.2%以下のものを目安に選びましょう。近年は競争が激化し、人気のファンドでは年率0.1%を大きく下回る驚異的な低コストを実現しているものも少なくありません。たった1%の差でも、30年後には数百万円の差になることもあります。
鉄則4:必ず「余裕資金」で行う
投資に回す100万円は、あなたの生活を脅かさない「余裕資金」でなければなりません。まずは、日々の生活費の3ヶ月〜1年分程度の「生活防衛資金」を必ず確保してください。その上で、当面使う予定のないお金を投資に回しましょう。生活防衛資金があれば、急な出費があっても投資資産を取り崩す必要がなく、暴落時にも冷静でいられます。
鉄則5:暴落時に「何もしない」勇気を持つ
投資を始めると、必ず一度は暴落を経験します。資産が日に日に減っていくのを見るのは辛いものですが、ここで最もやってはいけないのが「狼狽売り(ろうばいうり)」です。恐怖にかられて底値で売ってしまっては、その後の市場の回復を取り逃し、損失を確定させてしまいます。歴史的に見て、市場は暴落を乗り越えて必ず成長してきました。暴落時は「優良資産のバーゲンセール」と捉え、何もしない、あるいは余力があれば買い増すくらいの強い心構えを持ちましょう。
【新NISA活用】100万円で始める!投資先の考え方と代表的な選択肢
これらの鉄則を踏まえた上で、初心者の方が100万円でほったらかし投資を始める際の、投資先の考え方と代表的な選択肢を3つご紹介します。もちろん、2024年から始まった新NISA(新しいNISA)を最大限に活用するのがおすすめです。
なぜ新NISAが必須なのか?
通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかります。しかし、NISA口座内での利益はすべて非課税になります。100万円が200万円に増えた場合、通常なら利益100万円のうち約20.3万円が税金として引かれますが、NISAなら100万円がまるまる手元に残ります。これは、元本割れリスクに対する非常に強力なセーフティーネットと言えるでしょう。
選択肢の例 | 特徴 | こういった考え方の人に向いている |
---|---|---|
① 全世界株式インデックスファンド | この一本で世界中の株式(約50カ国、数千社)に分散投資できる。世界経済の成長を丸ごと享受することを目指す。 | ・何を選んだらいいか全くわからない・徹底的に分散してリスクを抑えたい |
② 米国株式(S&P500)インデックスファンド | 米国の主要企業500社にまとめて投資。世界経済の中心であり、過去の実績も非常に高い。GAFAMなど有名企業が多く含まれる。 | ・今後のアメリカの成長に期待したい・より高いリターンを狙いたい |
③ バランスファンド | 株式や債券、不動産(REIT)など複数の資産を、あらかじめ決められた比率でパッケージにした商品。自分で資産配分を考える必要がない。 | ・値動きのブレをできるだけ小さくしたい・株式100%は少し怖いと感じる |
【重要】
ここで紹介した投資先の種類は、あくまで一般的な考え方の例であり、特定の商品を推奨するものではありません。投資先の最終的な決定は、ご自身の判断と責任で行う必要があります。
【完全ガイド】もう迷わない!100万円ほったらかし投資の4ステップ
さあ、いよいよ実践です。以下の4ステップで、誰でも簡単にほったらかし投資を始めることができます。
ステップ1:証券会社の口座を開設する
まずは投資の拠点となる証券口座が必要です。初心者の方は、手数料が安く、取扱商品も豊富なネット証券が有力な選択肢になります。特に「SBI証券」や「楽天証券」などは、NISA口座の開設先として利用者も多く、どちらかを選んでおけばいいでしょう。スマホと本人確認書類(マイナンバーカードなど)があれば、10分程度で申し込みは完了します。
ステップ2:NISA口座を開設し、100万円を入金する
証券口座の開設申し込みと同時に、NISA口座の開設も申し込みましょう。審査が完了し、口座が開設されたら、投資資金となる100万円を銀行口座から証券口座へ入金します。
ステップ3:投資する商品(ファンド)を選ぶ
先ほど紹介した「全世界株式」や「S&P500」といった種類のインデックスファンドから、自分が納得できるものを一つ選びます。例えば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などは、信託報酬が低く設定されていることから人気を集めている代表的なファンドです。
必ずご自身で運用会社のウェブサイトや、投資信託説明書(目論見書)で最新の信託報酬、投資方針、リスクなどの詳細情報を確認してください。
ステップ4:買付設定を行う
選んだ商品を、いくら、どのタイミングで買うかを設定します。100万円を一度に買う「一括投資」か、毎月コツコツ買う「積立投資」かを選び、金額を入力して注文すれば完了です。あとは、日々の値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で見守りましょう。年に一度、資産状況を確認する程度で十分です。
【Q&A】元本割れの不安、FPが最後の疑問に答えます
- Q. 暴落が怖いです。どう心構えすればいいですか?
A. まず、「暴落は必ず来るもの」と覚悟しておくことが大切です。そして、暴落しても生活に困らないよう「生活防衛資金」をしっかり確保しておきましょう。歴史を見れば、市場は必ず回復してきました。その事実を信じ、「何もしない」ことが最善の策だと心に刻んでおいてください。 - Q. 100万円は「一括投資」と「積立投資」、どちらがいいですか?
A. 理論上は、長期的に右肩上がりの市場では、最初に全額を投じる「一括投資」の方がリターンは高くなりやすいとされています。しかし、精神的な負担が大きいのも事実です。高値掴みを避けたい、値動きに慣れたいという初心者の方には、精神的にも楽な「積立投資」から始めることをお勧めします。 - Q. 年に1回のチェックでは、具体的に何を見ればいいですか?
A. 資産全体の評価額を確認するだけで十分です。もし、ご自身のリスク許容度(例えば、株式と債券の比率を7:3にしたい、など)から資産配分が大きくズレていたら、元の比率に戻す「リバランス」を検討するのも良いでしょう。しかし、インデックスファンド1本であれば、基本的には放置で問題ありません。 - Q. ほったらかし投資で「月10万円」稼ぐのは可能ですか?
A. 100万円の元手で月10万円(年間120万円)のリターンを得るのは、年利120%となり、ほったらかし投資では非現実的です。それはハイリスクな短期売買の世界です。ほったらかし投資は、年利5%〜7%程度のリターンを、時間をかけて複利で増やしていく堅実な手法です。過度な期待はせず、現実的なリターンを目指しましょう。
まとめ:元本割れを恐れず、賢い一歩を踏み出そう
今回は、100万円のほったらかし投資における「元本割れ」の不安について、その原因から対策、具体的な始め方までを解説しました。
最後に、最も重要なことをもう一度お伝えします。
- 元本割れのリスクは確かにあるが、「長期・分散・低コスト」の鉄則を守ることでコントロールできる。
- 市場が暴落しても、慌てて売らずに「何もしない」ことが成功への鍵。
- 新NISAという最強の非課税制度を使わない手はない。
100万円という大切なお金。それをただ眠らせておくのか、それとも未来のために働いてもらうのか。その選択はあなた次第です。リスクを正しく理解し、賢く付き合えば、ほったらかし投資はあなたの将来を支える、何よりも頼もしい味方になってくれるはずです。
本記事ではほったらかし投資の考え方や一般的な方法について解説しましたが、すべての投資には元本割れのリスクが伴い、将来の収益が保証されているわけではありません。最終的な投資判断は、ご自身のライフプランやリスク許容度を十分に考慮した上で、自己の責任において行ってください。
もし、この記事を読んでもまだ不安が残る、自分一人で判断するのは心細いと感じるなら、専門家であるFPに相談し、客観的な意見を聞くことも有効な選択肢の一つです。あなたの状況に合わせた、より具体的なアドバイスで、その第一歩を後押しできるはずです。
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