厚生労働省※によると今後、認知症の有病者数は増え続け、2025年には675万人にまで到達すると推計されています。
実に65歳以上の方の約2割(19.0%)、約5人に1人が認知症になると予測されているのです。他人事ではないですよね。
ご自身やご家族が認知症になった場合、どんなことが起こり、どれくらいお金がかかるのでしょうか。そのお金を準備するために認知症保険には入ったほうがよいのか、解説します。
認知症の保障を備えた民間の「介護保険」もありますが、認知症保険は民間の介護保険のなかでも認知症に特化した保険のため、ここでは認知症保険に絞った内容でお伝えします。
※「認知症施策の総合的な推進について」厚生労働省老健局(令和元年)
認知症になるとどんなことが起こる?どれくらいお金がかかる?
認知症は症状を表す総称で、病名ではありません。
認知症の症状は個人差が大きいものの、下記のような症状が現れる可能性があります。
認知症の方の生活拠点
認知症は今の医学では完全に治すことはできないと言われています。
そのため治療は、薬物療法やリハビリテーションなどで、進行を遅らせたり症状を緩和させたりする治療を行うのが主流のようです。
では、認知症の方は自宅や施設など、どこで生活しているのでしょうか。
下表は認知症高齢者の「日常生活自立度」Ⅱ以上の方の居場所とその人数です。
認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱとは、「日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意すれば自立できる状態※」を指します。
※出典・引用「当面の認知症施策の取り組みについて-「認知症施策推進5か年計画」(オレンジプラン)の着実な実施について-」(厚生労働省 老健局高齢者支援課 認知症・虐待防止対策推進室)より引用
最も多いのが居宅で生活をしている方で半数を占め、次いで介護老人福祉施設、医療機関、介護老人保健施設等と続きます。
家族や介護サービスのサポートを受けて、自宅で生活をしている人が多いようですね。
認知症の介護と治療にかかるお金
慶應義塾大学医学部・厚生労働科学研究の共同研究※によると、認知症の治療には下記のような費用がかかります。
介護サービス利用者1人あたりの費用
- 在宅介護費:18万2,500円/月(219万円/年)
- 施設介護費:29万4,200円/月(353万円/年)
- 外来医療費:3万9,600円/月
- 入院医療費:34万4,300円/月
仮に介護サービスを利用しながら在宅介護をし、病院の外来に受診して治療をした場合、月額22万2,100円(182,500円+39,600円)になります。
毎月このような大金を全額負担しなくてはいけないのでしょうか。
結論から言いますと、認知症の介護と治療にかかるお金を全てご自身で賄う必要はありません。
その方法を次の章で解説します。
認知症保険は必要!?「認知症保険」と「公的介護保険」の併用で自己負担軽減
先述のような認知症の介護と治療にかかる費用は、民間保険の「認知症保険」と公的保障の「介護保険」を利用することで、自己負担額を軽くすることができます。
例えば、認知症保険と公的介護保険との併用で、先述の在宅介護+介護サービス+外来治療の自己負担額月額22万2,100円を一定期間、無料にできる可能性があります。
どのようにすれば自己負担額を無料にできるのか、説明していきます。
まず、認知症と診断された場合、公的介護保険では要介護1になり、介護サービスを利用した場合、下表のような支給限度額に応じて1~3割の自己負担となります。
要介護度ごとの支給限度額(月額)
要介護度 | 支給限度額 |
---|---|
要支援1 | 50,320円 |
要支援2 | 105,310円 |
要介護1 | 167,650円 |
要介護2 | 197,050円 |
要介護3 | 270,480円 |
要介護4 | 309,380円 |
要介護5 | 362,170円 |
※2021年3月現在の金額です
公的介護保険の給付限度額について詳細は「公的介護保険の介護給付・予防給付とは?」をご参照ください
先述の月額22万2,100円に公的介護保険を利用すると、要介護3の場合支給限度額内で賄えるため、自己負担額1割で月額2万2,210円が自己負担となります。
このように公的介護保険は自己負担額を「軽減」はしますが、「無料」になるわけではありません。自己負担額が発生します。
そこで役立つのが、民間の認知症保険。
例えば認知症と医師から診断された場合に100万円の一時金が出る認知症保険に加入した場合、この100万円で先述の自己負担額2万2,210円を賄った場合、45ヶ月分の自己負担額を保険金利用で無料にすることができます。
ただし、保険会社の定める保険料払い込み免除の条件に当てはまらない場合は毎月の保険料が発生しますのでご注意ください。
このように、民間の認知症保険と公的介護保険の併用で、自己負担額を大きく軽減することができるでしょう。
また、民間の認知症保険には、治療や介護サービスの利用費だけでなく、他の人に迷惑をかけた時などに補償される賠償保険もあります。これについては後述します。
認知症保険とはどんな保険?
認知症保険は下記2つのタイプがあります。
- 治療の保障
- 損害補償
治療の保障は、認知症と診断された場合に一時金や保険金が受け取れるもので、生命保険会社が販売しています。
損害補償とは、認知症と診断された人が他者に損害を与えたり、自身がケガをしたりした場合に補償されるもので、損害保険会社が販売しています。
特筆すべきは、損害補償です。
認知症患者は先述のような症状から、例えば下記のように他者に迷惑をかけてしまう場合もあります。
- 水道を出しっぱなしにして階下を水浸しにしてしまった
- 介護施設で暴れ、施設の備品を壊したりスタッフや他の利用者にケガを負わせた
- 火の不始末で火事を起こした
このような場合、認知症を患う方が「責任無能力者」と認定されて賠償責任を負わなくて済むことがありますが、法的監督義務者(介護者)が責任を負う場合があります。
治療に関する保障を公的介護保険のみで賄うことにした場合でも、損害補償は加入したほうが安心かもしれませんね。
認知症保険の加入可能年齢
認知症保険の加入可能年齢は保険会社によって違いますが、20歳以上で加入できる商品もあります。
一般的に保険は、加入年齢が若ければ保険料が安く済みます。認知症保険も若いうちに入ったほうが保険料は安く済むでしょう。
注意すべきは、不担保期間があること。保険商品によっても違いますが、不担保期間に認知症と診断されても保障対象外になります。
認知症保険の加入方法
認知症保険は単独商品と、生命保険の特約として加入する場合があります。
それぞれに、保障期間が決まっている定期タイプと、一生涯保障される終身タイプがあります。
特約で加入した場合は、もとの保険を解約したり保障期間が終了したら特約で加入した認知症保険の保障もなくなります。加入しているものと期待していたら保障対象外となっている場合がありますので、ご注意ください。
認知症保険の理想的な検討方法
先述のように、認知症保険には治療保障タイプと損害補償タイプがあり、扱う保険会社は生命保険会社と損害保険会社とで違いがあります。
どの保障・補償を重視するかは、ご自身やご家族の考え方だけでなく、支払う保険料や保険商品によって変わってくるでしょう。
単独商品だけでなく特約も含めると、保険商品は多岐にわたり、ご自身で比較するのは骨が折れます。
専門知識も必要で大変な作業ですし、すでに加入している保険と保障・補償の重複等があると保険料を無駄に高く支払う可能性もあります。
そこで、保障・補償の重複を避け、保険料の払い過ぎを防ぎ、最適な認知症保険に加入するには、生命保険と損害保険を両方取扱い、しかも複数の保険会社の商品を扱える専門家に相談することが理想です。
保険マンモスにはこの条件を満たす保険の専門家「FP(ファイナンシャルプランナー)」をご紹介するサービスがあり、保険やお金全般の知識、相談実績が豊富で優秀なFPをご紹介します。
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