お子さまが生まれたあと、教育費の準備について悩まれる方が多いようです。
かつては「教育費の備えといえば学資保険」という状況だったのですが、近ごろは学資保険の代わりに終身型の生命保険(終身保険)で貯めていく方もいらっしゃいます。
学資保険と終身保険のどちらがいいのか?迷ってしまった方のために、それぞれの特徴と選び方のポイントをご説明します。
なぜ教育費の準備に終身保険なのか?
冒頭に書いたとおり、お子さまが生まれた方のほとんどが学資保険を選ぶという時代がありましたが、近年では代わりに終身保険を検討する方も多いようです。
その理由は、近年の低金利政策によって学資保険の返戻率※がだいぶ下がったためです。
学資保険と終身保険は、貯蓄性があり、死亡時の保障があるという点で共通しています。
終身保険が代わりの選択肢になるのは「将来お金が戻ってくるのは同じなのだから、必要なタイミングで解約して、返戻(へんれい)金を教育費にあてればいい」という考え方があるためです。
※返戻率とは
支払った保険料がどれだけふえて戻ってくるかをはかる指標。高いほど収益性が高い。
「受け取る保険金額÷支払う保険料総額」で計算する。
返戻率が100%を超えていれば、支払った額より増えていることになる。
学資保険と終身保険の違い
学資保険と終身保険を比較するために、それぞれの違いを表にまとめてみました。
学資保険と終身保険の比較
学資保険 | 終身保険 | |
---|---|---|
加入目的 | 教育資金の準備 | 被保険者の死亡への備え |
保険期間 | 子どもが18~22歳になるまで | 一生涯 |
保険金 受取条件 |
子どもが満期年齢になった時 | 契約者の死亡時 |
契約者の 死亡時 |
保険料の支払いが免除される。 満期保険金は満額受け取れる |
死亡保険金が支払われる |
解約 返戻金※ |
元本割れすることが多い | タイミングによって変動 |
加入年齢 制限 |
契約者:50~60歳代まで 子:6歳まで |
契約者が80歳になるまで |
※保険会社や個別の加入条件により異なる場合があります
※解約返戻金とは
保険を解約した際に受け取れるお金。
支払った保険料より解約返戻金が低くなってしまうことを「元本割れ」という。
終身保険の解約返戻金について
一般に、終身保険の解約返戻金は、加入期間が長いほど多くなります。
保険料払込終了後に返戻率が大きく上がるタイプの商品(低解約返戻金型)があり、学資保険の代わりに検討されることが多いのがこのタイプです。
短期間で解約すれば元本割れしてしまうのは、学資保険・終身保険のどちらも同じです。
学資保険の保険料支払い免除について
契約者が死亡したときなどに、それ以降の保険料支払いが必要なくなる「保険料払込免除特約」という契約があります。
学資保険では、はじめから保険料払込免除特約がついていることが一般的です(保険会社によっては外すことも可能)。
終身保険では、つけるかどうかを選べます(被保険者ががん・急性心筋梗塞・脳卒中となったときなど)。
保険料払込免除特約をつけるかどうか、その他の免除条件を加えるかどうかで、返戻率や保険料が変わってきます。
他の保険と保障が重複すると無駄な保険料を払うことになるので、加入する際は、すでに入っている保険の内容を確認しておきましょう。
学資保険と終身保険、どっちを選ぶべき?
学資保険に入るか終身保険に入るかは、それぞれのメリット・デメリットを知ったうえで決めるとよいでしょう。
学資保険と終身保険それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
学資保険のメリット・デメリット
メリット
- 約束された金額が満期時にほぼ確実に受け取れる
- 契約者の死亡時に保険料支払いが免除される
- 教育資金とその他の資金を分けて準備できる
デメリット
- 契約者の死亡後すぐに保険金が受け取れない
(受け取れるのは子どもが満期年齢になるとき) - 満期が来たら必ず契約が終了する
「満期が来たら契約が終了する」ということは、満期以降その保険での貯蓄が続けられなくなるということです。
終身保険の場合、一般的に長く加入しているほど返戻率は上がるのですが、学資保険では必ず18年や22年で契約が終わることになります。
終身保険のメリット・デメリット
メリット
- 契約者の死亡後、すぐに保険金を受け取れる
- 子どもの大学進学以降も貯蓄が続けられる
- 解約時に受け取る返戻金の額を自由に決められる
子どもの大学進学以降も貯蓄ができるので、留学費用や大学院の学費、老後資金などにも備えられます。
「返戻金の額を自由に決める」というのは、解約返戻金を一部だけ受け取る「部分解約」という仕組みを利用したものです。
デメリット
- 学費が必要な時期に返戻率が高いとは限らない
- (低解約返戻金型の場合)保険料払込完了前に解約すると返戻率が大きく下がる
「学費が必要な時期に返戻率が高いとは限らない」というのは、加入期間が短い方が大学進学のタイミングで解約すると損をしてしまう場合があるということです。
子どもが大きくなってから終身保険に加入したようなケースで起こりやすくなります。
メリット・デメリットを見ても決められないときは、一度保険のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。
両方を組み合わせるという方法も
余裕があれば検討しておきたいのが、両方を組み合わせるという入り方です。
なぜ2つも入るのかというと、学資保険では死亡保険金が受け取れないためです。
学資保険は教育費を確保するためのものなので、契約者の死亡による経済リスクのすべてに備えることはできません。
また、契約者が死亡した場合であっても学資保険の保険金を受け取るのは満期時のままで変わりがないので、死亡後の出費や収入減にすぐに対応できません。
そのため、手堅く教育費を貯めつつ死亡保障も確保するならば、終身保険と学資保険の両方を組み合わせると万全です。
保険料の「払いすぎ」に注意!
ただし、上にも書いたように、保障が重複して高すぎる保険料を払うことがないよう、加入中・検討中の保険すべての内容をしっかり把握することが重要です。
とはいえ、商品資料や保険証券から保障内容を読み解き、無駄を探していくのはとても難しいことです。
そんなときには、FPに無料相談をすれば、適切なアドバイスを得られます。
まとめ
近年の低金利で、教育費の貯蓄法として学資保険の代わりに、終身保険の解約返戻金を教育費にあてるという選択肢が生まれました。
どちらの保険を選ぶかは、保険期間や保険金受取時期など、それぞれの特徴を理解し、自分の考え方に合わせて決めることが重要です。
万全を期すならば、両方を組み合わせることを検討してもよいでしょう。
どのタイプの保険に入るかを決め、他の保険と重複する保障はないかをチェックすることは専門的な知識がなければ難しいので、FPに相談するのがおすすめです。
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執筆者プロフィール
三嶋裕貴
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。出版社に勤務したのち、保険マンモス専属ライターとして入社。
お金の失敗を防ぐための保険選びや見直し方、資産運用などの記事を執筆。
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