2013年4月、生命保険料が上がる?

                 

執筆:保険マンモス編集部/更新:2013年02月01日

標準利率とは

今年の4月から「生命保険の保険料が上がるらしい」という話を聞いたことはありませんか?

このような情報は、昨年から新聞などで、何度か取り上げられてきましたが、果たしてどういうことなのでしょうか?

生命保険会社は、将来の保険金の支払いに備えて責任準備金を積み立てています。この責任準備金は、不足すると保険金の支払いに影響してしまうので、金融庁が一定の基準を設けて監督しています(標準責任準備金制度)。

そして、その監督上の標準責任準備金の計算に用いられる数値の一つに標準利率というものがあります。
この標準利率は、責任準備金を運用する利率のようなものだと思ってください。

つまり、この利率が高いと将来の運用益を多く見込めるので、その分、少なめの積立額でよいということになります。

しかしこの利率が低いと、あまり運用益が見込めないので、将来の保険金支払い額を確保するためには、その分多くの積み立てが必要ということになります。

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今回の保険料値上げの理由

それでは、ここから今回の保険料値上げにについての話です。

この標準利率は、10年国債の応募者利回りを基準に決められるのですが、ここ数年その国債の応募者利回りが下がってきていることから、金融庁は標準利率をこれまでの1.5%から2013年4月に1.0%にすることを決めました。

実情の利回りより高い標準利率にしておくと、将来、生命保険会社の保険金の支払い額が足りなくなってしまい、財務状態が悪化する恐れがあるからです。

そして今回のように標準利率が下がると、前章に書いたとおり、生命保険会社は責任準備金を多く積み立てなければなりませんし、その責任準備金の元となる保険料を上げなければならないということにつながってくるのです。

責任準備金を積み増して、保険料はそのままにしてもよいのですが、そうすると生命保険会社の財務状態が悪くなる方向に進んでしまいます。

つまり、昨年来の報道は、金融庁が標準利率を引き下げることを決定したので、必然的に生命保険会社が保険料を値上げすることになるだろうという予測に基づいたものなのです。

生命保険会社が保険料を値上げする場合は、理論上、養老保険や終身保険など貯蓄性の高い保険ほど値上げ幅が大きく、短期間の定期保険など貯蓄性の低い保険は値上げ幅が小さいということになります。

また、値上げといっても保険料改定後の契約についての話で、これまでに契約した保険の保険料が上がるということではありません。

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実際はどうなる?

それでは、実際には、4月から保険料はどのようになるのでしょうか?

既に保険料の改定について発表した日本生命を見てみると、長期定期保険と一時払終身保険の保険料は値上げしますが、その他の主力商品は改定しないそうです。

また、アフラックでは、死亡保険、個人年金保険、学資保険、介護保険で保険料を上げることを発表しています(がん保険、医療保険は値上げしない)。

アフラックの終身保険では、年齢にもよりますが保険料が10~20%程度上がるようです。

現在(2013年1月31日時点)のところ、各生命保険会社の保険料改定の発表はまだ出そろってはいませんので、最終的にどうなるかはわかりません。財務的に体力のある生命保険会社は、戦略的に主力商品を中心にの保険料を据え置くかもしれません。しかし、先の2社の例をみても、少なくとも貯蓄性の高い商品は、保険料が上がってくる可能性が高いと言えるでしょう。

保険の必要性を感じていて、新規加入を検討していたり、現状の保険の見直し、を予定されている人は、同じ商品を買う前提であれば、保険料改定の前に契約をした方が、有利であると言えます。

ただし、タイミングを優先し過ぎて、保険内容の検討自体が不十分なものとなるのは、本末転倒な話なので、まずは、「自分にとって本当に必要な保険が何か」、ということを十分納得して選ぶことを、最優先した上でのことと考えて頂ければと思います。

料率の差より、保険設計が合っているか否か、の方が重要であるということです。
編集部一同、皆さまが保険選びで失敗されないことを心から願っています。

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