
「老後の生活には2,000万円が必要らしい」
テレビやネットで一度は耳にしたことがあるこの言葉。ですが、「本当にそんなに必要なの?」「自分にはいくらあれば安心なの?」と、具体的な金額や根拠がわからず、漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
特に、仕事や子育てに忙しい30代・40代の方や、定年が視野に入り始めた50代の方にとって、老後資金は他人事ではありません。
この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、以下の3つのポイントを、公的なデータを基に分かりやすく解説していきます。
- 老後に必要な生活費のリアルな金額
- あなたの年代の平均貯蓄額と目指すべき目標
- 今から始められる具体的な資産の準備方法
この記事を読めば、あなたに必要な老後資金額の目安がわかり、今日から何をすべきか、その第一歩が明確になります。一緒に将来のお金の不安を解消していきましょう。
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まずは知っておきたい「老後の生活費」2つの目安
老後資金を考える上で、最初のステップは「老後の生活で毎月いくらかかるのか?」を知ることです。この点について、生命保険文化センターが実施した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」では、「最低限の生活」と「ゆとりある生活」という2つの目安が示されています。
【最低限の生活】夫婦で月々約23万円が目安
まず、経済的に大きな贅沢はしないまでも、健康で文化的な生活を送るために最低限必要とされる生活費は、夫婦2人で月額23.2万円という結果でした。
内訳としては、食費や住居費、水道光熱費、日用品費、医療費などが中心となります。この金額が、老後の生活設計を立てる上での基本的なベースラインと考えるとよいでしょう。
【ゆとりある生活】趣味や旅行を楽しむなら月々約38万円
一方で、年に数回は旅行に行ったり、趣味や友人との付き合いを存分に楽しんだりする「ゆとりある老後」を送りたい場合、必要な生活費は夫婦2人で月額37.9万円まで上がります。
最低限の生活費との差額である約15万円が、「ゆとり」のための費用です。具体的には、以下のようなことにお金を使いたいと考える人が多いようです。
- 旅行やレジャー
- 趣味や教養
- 身内や友人との付き合い
- 住まいのリフォーム
あなたがどのような老後を送りたいかによって、目標とすべき金額は大きく変わります。まずはこの2つの数字を参考に、「自分たちの場合はいくらくらい必要か」をイメージしてみましょう。
公的年金だけでは毎月いくら不足するのか?
老後の収入の柱となるのが「公的年金」です。では、年金だけで先ほどの生活費をまかなうことはできるのでしょうか。
あなたはいくらもらえる?公的年金の平均受給額
厚生労働省が公表した令和5年度のモデルケースによると、会社員だった夫と専業主婦の妻という世帯の場合、受け取れる年金額(老齢基礎年金+老齢厚生年金)の平均的な受給額は月額224,482円(約22.4万円)です。
これはあくまで平均的なモデルケースであり、現役時代の収入や働き方(自営業か会社員か)、加入期間によって受給額は大きく異なります。正確な見込額は、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」や、日本年金機構の「ねんきんネット」で必ずご自身で確認することが重要です。
【計算してみよう】年金だけでは毎月数万円が不足する現実
ここで、先ほどの生活費と年金受給額を比べてみましょう。
最低限の生活(月23.2万円)の場合:
23.2万円 – 22.4万円 = 0.8万円の不足
ゆとりある生活(月37.9万円)の場合:
37.9万円 – 22.4万円 = 15.5万円の不足
データ上、年金収入だけでは最低限の生活費ですら少し足りず、ゆとりある生活を送るには毎月15万円以上の赤字が出てしまう計算になります。この「毎月の不足額」を、自分たちで準備した貯蓄などから補っていく必要があるのです。
「老後2,000万円問題」の正体とは?不足額から考える総必要額
では、なぜ「2,000万円」という数字が話題になったのでしょうか。これは、金融庁が2019年に公表した報告書がきっかけです。その報告書では、高齢夫婦無職世帯の平均的な収支が毎月約5.5万円の赤字になると試算されていました。
この毎月の不足額が、老後の30年間(65歳〜95歳)続くと仮定すると、
5.5万円 × 12ヶ月 × 30年 = 1,980万円
となり、ここから「老後資金として約2,000万円が必要」という話が広まりました。
もちろん、これはあくまで平均データに基づく一つの試算です。しかし、公的年金だけでは生活費が不足する可能性が高く、その不足分を補うためにまとまった資金を準備しておく必要がある、という本質は変わりません。
みんなはいくら貯めてる?年代・世帯別の平均貯蓄額
自分に必要な金額がイメージできてくると、次に気になるのは「同世代の他の人たちは、一体いくらくらい貯めているんだろう?」ということではないでしょうか。
ここでは、金融広報中央委員会(事務局:日本銀行)が毎年実施している「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」の最新データから、年代・世帯別の平均貯蓄額を見ていきましょう。注意点として、一部の高額貯蓄者が平均値を引き上げる傾向があるため、より実態に近いとされる「中央値」(データを順番に並べたときに真ん中に来る値)も併せて確認することが大切です。
【年代・世帯別】金融資産保有額(2023年)
年代 | 【二人以上世帯】 平均値 |
【二人以上世帯】 中央値 |
【単身世帯】 平均値 |
【単身世帯】 中央値 |
---|---|---|---|---|
30代 | 526万円 | 200万円 | 392万円 | 70万円 |
40代 | 825万円 | 250万円 | 659万円 | 50万円 |
50代 | 1,253万円 | 350万円 | 1,048万円 | 53万円 |
60代 | 1,819万円 | 700万円 | 1,388万円 | 300万円 |
(出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」)
この表を見て、どう感じましたか?「平均より少ない…」と焦った方も、「意外とみんな貯めていないんだな」と安心した方もいるかもしれません。大切なのは、他人と比較して一喜一憂することではなく、ご自身の現状を客観的に把握し、未来に向けた計画を立てることです。
今すぐ始めたい!老後資金作りのための具体的な3つの方法
「目標額はわかったけれど、どうやって準備すればいいの?」という疑問にお答えします。低金利時代の今、銀行預金だけでまとまったお金を準備するのは簡単ではありません。そこで活用したいのが、国が用意している税制優遇制度や、計画的に貯蓄できる保険商品です。
方法1:【税金の優遇が魅力】iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoは、自分で掛金を出して運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取る私的年金制度です。最大のメリットは、掛金が全額所得控除の対象になること。これにより、毎年の所得税や住民税を軽減しながら、将来のための資産を作ることができます。ただし、原則60歳まで引き出せない点には注意が必要です。
方法2:【手軽に始められる】つみたてNISA(2024年からは新NISA)
つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です(2024年からは新NISAとして制度が拡充)。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座内での運用益は非課税になります。iDeCoと違っていつでも引き出しが可能なので、流動性を確保したい方にも向いています。
方法3:【着実に準備する】個人年金保険や貯蓄型の保険
個人年金保険は、保険料を払い込むことで、契約時に定めた年齢から年金形式でお金を受け取れる保険商品です。毎月決まった額が引き落とされるため、貯金が苦手な方でも計画的に準備しやすいのが特徴です。また、生命保険料控除の対象になるため、税負担を軽くする効果も期待できます。他にも、一生涯の保障を準備しながら資産形成もできる低解約返戻金型終身保険などを活用する方法もあります。
早く始めるほど有利!年代別の積立シミュレーション
老後資金の準備において、最大の味方となるのが「時間」です。同じ金額を準備するにも、早く始めれば始めるほど、毎月の負担は軽くなります。これは、運用で得た利益がさらに利益を生む「複利の効果」が働くためです。
例えば、65歳までに2,000万円を準備することを目標に、年利3%で運用できた場合のシミュレーションを見てみましょう。
開始年齢 | 毎月の積立額 |
---|---|
30歳 | 約31,000円 |
40歳 | 約49,000円 |
50歳 | 約90,000円 |
※上記は簡易的なシミュレーションであり、税金や手数料は考慮していません。
この表からわかるように、スタートが10年遅れるだけで、毎月の負担額は1.5倍以上に増えてしまいます。
「まだ先のことだから」と思わずに、少額からでも「今すぐ始める」ことが、将来の自分を助ける最も賢い選択なのです。
老後資金に関するよくあるご質問(Q&A)
最後に、老後資金に関して多くの方が抱く疑問に、Q&A形式でお答えします。
Q. 貯金2,000万円で何年暮らせますか?
A. 年金の不足額をいくら補うかによります。例えば、公的年金に加えて毎月5万円ずつ貯蓄を取り崩す場合、2,000万円 ÷ 5万円/月 = 400ヶ月(約33年)暮らせる計算になります。ご自身の生活費プランに合わせて計算してみましょう。
Q. 60歳で3,000万円以上の貯金がある人の割合は?
A. 金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、60代の二人以上世帯のうち、金融資産保有額が3,000万円以上と回答した世帯は21.7%です。約5世帯に1世帯が達成している計算になります。
Q. 結局、65歳時点でいくらあれば安心ですか?
A. 多くの金融機関や専門家は、公的年金以外の準備資金として2,000万円〜3,000万円を一つの目安としています。しかし、最も大切なのは、ご自身の希望するライフプラン(どこに住み、何をして過ごしたいか)から逆算した「あなただけの目標額」を設定することです。
Q. 公的年金だけで生活するのは難しいのでしょうか?
A. 収入が年金のみの場合、支出を年金受給額の範囲内に収めることで生活は可能です。実際にそのように暮らしている方も多くいます。ただし、その場合、旅行や趣味、突然の大きな出費(医療・介護、住宅リフォームなど)に対応する「ゆとり」を持つことは難しくなるのが実情です。
まとめ:不安を安心へ。老後資金の準備は今日から始める一歩が大切です
今回は、老後資金について、必要な金額の目安から具体的な準備方法までを解説しました。
- 老後の生活費は「最低限で月23万円」「ゆとりを持つなら月38万円」が目安。
- 公的年金だけでは毎月数万円が不足する可能性が高く、自助努力が必要。
- 準備総額の目安は2,000万円〜3,000万円だが、まずは自分の目標額を設定することが重要。
- iDeCoやNISA、個人年金保険などを活用し、「早く」「少額から」でも始めることが何より大切。
老後のお金の不安は、正しく知り、計画を立て、行動することで、着実に解消していくことができます。もし、ご自身の状況に合わせたプランを具体的に考えたい、何から手をつければいいか迷ってしまうという場合は、お金の専門家であるファイナンシャル・プランナー(FP)に相談するのも有効な選択肢です。
まだ試したことがない人はぜひ一度、お金の専門家に気軽に相談してみてください。
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