
「少額しか投資にまわせない自分には、意味がないんじゃないか」そんなふうに感じたことはありませんか?
SNSやニュースでよく見る「成功者の投資話」は、何十万円、何百万円という、まとまったお金を動かしているものがほとんど。
そんな中、毎月1,000円や5,000円で投資を始めようとする自分に、自信を持てなくなることもあるかもしれません。
でも実際のところ、最近では100円から投資を始められる仕組みもあり、「少額だからこそ始めやすい」という見方も広がっています。
本記事では、「少額投資は意味ない」という疑問に対して、実情や制度、注意点などをわかりやすく整理してお伝えします。
「投資をしたいけど迷っている」
そんなあなたが、自分に合った備え方を見つけられるよう、丁寧に解説していきます。
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「少額投資は意味がない」は本当?誤解を解消する3つのポイント
「少額投資は意味がない」という考えの背景には、多くの方が抱えがちな、いくつかの具体的な誤解が関係しています。ここでは、その代表的な“3つの誤解”を解消するポイントを解説します。
誤解①:手数料で利益が消えてしまう(手数料負け)
「少額だと、得られる利益よりも手数料の方が高くついて、結局損をするのでは?」という不安は、非常によくある誤解です。
【押さえておきたいポイント】
結論から言うと、手数料の低い商品を選べば、手数料負けの心配はほとんどありません。 ひと昔前は投資信託の購入時に手数料がかかるのが一般的でしたが、現在ではネット証券を中心に、購入時手数料が無料(ノーロード)の商品が主流です。特に、新NISAのつみたて投資枠で選べる商品は、国が定めた低コストの基準をクリアしたものだけなので、初心者の方でも安心して始めることができます。
誤解②:物価の上昇に負けてしまう(インフレ負け)
「頑張って少しずつ増やしても、物価が上がるペースに負けてしまったら、実質的には損しているのでは?」という疑問も、もっともです。
【押さえておきたいポイント】
その通りです。そして、それこそが「何もしないで銀行に預けておくこと」の最大のリスクと言えます。 例えば、物価が年2%上昇すれば、金利がほぼ0%の銀行預金のお金の価値は、実質的に年2%ずつ減っていきます。一方で、世界経済の成長に連動するような投資信託などを活用することは、インフレからご自身の資産価値を守るための、現代における有効な手段なのです。
誤解③:リターンが小さすぎて実感がわかない
月々数千円や1万円の投資では、最初のうちは利益が出ても数十円〜数百円ということも珍しくありません。「これっぽっちじゃ、やる気が出ない…」と感じてしまうのは自然なことです。
【押さえておきたいポイント】
ここで重要になるのが、「複利」の力です。 複利とは、利益が元本に組み入れられ、その合計額に対してさらに利益がつく仕組みのこと。最初はリターンが小さく感じられても、5年、10年、20年と時間を味方につけることで、利益が新たな利益を生み、資産の増え方が大きくなっていく効果が期待できます。少額投資は短距離走ではなく、時間をかけてゴールを目指すマラソンのようなものなのです。
実際にやってみるとどうなる?少額投資のリアルな成果
少額投資でも成果が出るのか。
これは気になるポイントですよね。
100円・1000円からの積立でも資産形成は可能?
結論から言えば、答えは「Yes」です。
たとえば金融庁が公開している積立NISAの資料(※1)では、月1万円を年利5%で20年間積み立てた場合、元本240万円が約400万円に増えるという試算が紹介されています。
もちろん運用成績は上下しますが、ポイントは「少額でも「時間と複利」を味方につければ成果は出る」ということ。
10万円を投資した人の例に学ぶ
例えば、10万円をS&P500などのインデックスファンドに投資した場合、過去の平均リターン(年6〜7%)が続けば、20年後には約38万円程度になる可能性があります(※2:MacrotrendsよりS&P500の過去データに基づく)。
もちろん将来を保証するものではありませんが、「何もしない10万円」と「時間をかけて働かせた10万円」には、大きな違いが生まれることがわかります。
【モデルケース】月々1万円の積立投資を5年続けた結果は?
シミュレーションの数字だけでは、なかなか自分のこととしてイメージしにくいかもしれません。そこで、ごく一般的な会社員の方が少額投資を始めた、具体的なモデルケースを見ていきましょう。
登場人物:Aさん(30歳・会社員・手取り22万円)
将来のことを考えると漠然とした不安はあるものの、何から手をつければいいかわからずにいたAさん。まずは無理なく始められ、途中でやめても負担にならない金額として、月々1万円の積立投資をスタートすることにしました。
- 利用した制度: 新NISA(つみたて投資枠)
- 投資先: 全世界株式のインデックスファンド
- 積立額: 毎月1万円
5年後の結果は…
コツコツと積立を続けた結果、5年後には以下のようになりました。
- 投資元本: 1万円 × 12ヶ月 × 5年 = 60万円
- 5年後の評価額: 約75万円(※年率5%で複利運用できたと仮定した場合のシミュレーションです。実際の運用成果は市場の動向により変動します。)
Aさんの声からわかる、少額投資のリアル
「最初の1〜2年は、正直ほとんど増えている実感がありませんでした。でも、ある時ふとアプリで確認したら、いつの間にか旅行に行けるくらいのお金が増えていて、純粋に嬉しかったですね。
何より大きな変化は、お金との向き合い方が変わったことです。これを機に経済ニュースを少しチェックするようになりましたし、『お金に働いてもらう』という感覚がわかったことで、将来への不安が少し軽くなりました。今では自信がついて、積立額を月2万円に増やしています。」
Aさんのように、少額からでも一歩を踏み出すことで、資産はもちろん、お金に対する考え方にもポジティブな変化が生まれる可能性があるのです。
少額投資のメリットと注意点を整理してみよう
次に、少額投資を続けるうえでのメリットと注意点を整理しましょう。
メリット
- リスクが限定されている
少額なので損失が出ても生活に大きな影響を与えません。 - 習慣化しやすい
定期的に少しずつ投資することで、日々の家計管理の意識も高まります。 - 投資の経験が積める
株価の動きや経済ニュースに敏感になり、金融リテラシーが自然と育ちます。
デメリット(注意点)
- 成果が出るまで時間がかかる
短期間で大きなリターンを求めると、かえって失望しやすくなります。 - 手数料に注意が必要
少額投資の場合、運用益に対する手数料の割合が高くなってしまうことがあります。 - 目的が曖昧だと続かない
何のために投資するのかが明確でないと、途中でやめてしまうことも。
少額投資は「始めやすさ」が魅力ですが、過度な期待「なんとなく始める」ことには注意が必要です。
制度を味方に!少額でもできるNISA・iDeCoの活用
制度を上手に活用することで、少額投資の効果を高めることができます。
新NISAは「少額×長期」に相性が良い
2024年から始まった新NISA制度では、非課税保有限度額が大幅に拡充されました。
少額でも長期的に積み立てれば、運用益にかかる税金(通常20.315%)を丸ごとカットできるのが魅力です(※3)。
特に「つみたて投資枠」は、毎月1万円からでも活用できる設計になっており、初心者にとっては第一歩として最適です。
iDeCoの活用で節税にもつながる
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、将来の年金づくりと同時に、掛金が全額所得控除の対象になる点が特徴です。
たとえば、毎月1万円をiDeCoで積み立てている場合、年収500万円程度の会社員であれば年間約2万円の節税効果が見込めます(※4)。
長期的な資産形成+節税の両方を狙えるという点で、こちらも見逃せません。
NISA・iDeCo以外にも!もっと手軽に始める少額投資
新NISAやiDeCoは、税金の優遇が受けられる非常に強力な制度ですが、「もっと気軽に試してみたい」「現金を使うのはまだ少し怖い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、少額投資にはもっと手軽な入り口も用意されています。ここでは代表的な3つの方法をご紹介します。
1株から有名企業の株主になれる「ミニ株(単元未満株)」
通常、株式投資は100株単位での取引が基本ですが、証券会社によっては1株から購入できる「ミニ株(単元未満株)」というサービスがあります。数千円から数万円で、誰もが知る有名企業の株主になることが可能です。
【こんな方におすすめ】
- 応援したい特定の企業の株を買ってみたい方
- 配当金や株主優待に興味がある方
株数に応じて配当金も受け取れるため、「投資で利益を得る」という感覚を掴むのに最適です。
現金を使わずに始められる「ポイント投資」
楽天ポイントやTポイントなど、普段のお買い物で貯まったポイントを使って投資信託などを購入できるサービスです。「現金が減るかもしれない」という不安なく投資を始められるのが最大のメリットです。
【こんな方におすすめ】
- まずはお試しで投資を体験してみたい方
- 現金が減ることに抵抗がある方
ポイントが運用によって増えたり減ったりするのを体験することで、本格的な投資を始める前の練習になります。
AIにおまかせでOK「ロボアドバイザー」
いくつかの簡単な質問に答えるだけで、AIがあなたに最適な資産の組み合わせ(ポートフォリオ)を自動で提案し、運用まで行ってくれるサービスです。月々1万円程度から始められるものが多く、投資先の選定から購入、資産のバランス調整まで全てを自動化できます。
【こんな方におすすめ】
- 何に投資すればいいか全くわからない方
- 自分で商品を選んだり、管理したりするのが面倒な方
「忙しくて時間がないけれど、将来のためにお金の準備はしておきたい」という方にぴったりのサービスです。
「意味がない」と感じる前に
投資に限らず、将来に備える方法はひとつではありません。
大切なのは、あなた自身の家計やライフスタイルに合った方法を選ぶことです。
たとえば
- 現在の収入と支出のバランス
- 教育費や住宅ローンといった将来の支出
- 保険などの固定費の見直し
これらを総合的に見ながら、資産形成の方針を立てていくことで、少額投資も「意味のある選択肢」として活きてきます。
まとめ:少額投資は意味ない?本当に大切なのは「どう向き合うか」
少額投資は「意味があるか、ないか」で語られがちですが、実際には「どう付き合うか」によって意味が変わってくるものです。
無理のない範囲で投資を始めることで、経済に対する視野が広がり、自分の将来を考えるきっかけにもなります。
そして、もし迷ったら一度、家計全体を整理しながら、自分に合った備え方を考えてみるのもおすすめです。
よくある質問Q&A
少額投資は意味がないのでしょうか?
金額の大小よりも「継続」と「仕組み作り」がカギです。
100円や1,000円からでも、積立や制度を活用すれば、時間を味方につけて資産形成を進めることができます。
特に新NISAのような非課税制度との相性は抜群です。
少額投資のデメリットはありますか?
短期間で成果を求めすぎると、リターンの小ささにがっかりしてしまうことがあります。
また、手数料や投資先によってはコスト負担が相対的に大きくなる場合もあります。
長期的な視点を持ち、制度や商品を理解しておくことが大切です。
投資をしない方がいい人はどんな人ですか?
収支が常にギリギリで生活費が不足しがちな方や、借金の返済がある方は、まずは家計の安定を優先するのが基本です。
また「損をすること」に強いストレスを感じる方も、無理に始める必要はありません。自分の気質や状況に合った備え方が何より大事です。
NISAは少額でも意味がありますか?
あります。むしろNISAは「少額×長期」のために設計された制度です。
少しずつの積立でも、運用益が非課税になるため、複利の効果を活かすうえで非常に有利です。
「NISA貧乏」とはどういう意味ですか?
「節約してまでNISAに回しすぎて、日常生活が苦しくなる」といった自虐的なネット用語です。
本来は無理のない範囲で取り組むべきものであり、月々数千円〜1万円程度からでも十分に効果はあります。
NISAで1万円を20年後投資したらどれくらいになりますか?
あくまで参考ですが、年利5%で運用できた場合、約33万円ほどに増える可能性があります。
(元本:1万円×12ヶ月×20年=240万円 → 約330万円)
もちろん、運用成果や市況によって結果は異なるため、あくまでイメージとして捉えることが大切です。
iDeCoとNISA、どちらを選べばいいのでしょうか?
目的によって異なります。
iDeCoは老後資金をしっかり貯めたい人向けで、掛金が所得控除になるメリットがあります。
一方、NISAはより自由に使える資産形成向けです。
家計やライフプランに応じて使い分けましょう。
よくわからないまま投資を始めても大丈夫でしょうか?
まずは仕組みや目的を理解することから始めましょう。
また、投資だけに偏らず、家計全体のバランスを整えることが土台になります。
将来の備え方に迷ったときは、専門家と一緒に考えてみるのも良い方法です。
専門家と一緒に「自分に合った備え方」を見つけるには
少額投資に取り組むにあたって、「毎月いくらまでなら無理なく続けられるか」「そもそも投資より優先すべき支出や保障があるのではないか」など、家計全体のバランスを見ながら考えることが大切です。
投資商品そのものの選定ではなく、将来に向けて「何にどれくらい備えるべきか」を整理したいときは、ライフプランや保険を含めた専門家への相談が有効です。
保険マンモスでは、FP(ファイナンシャルプランナー)と無料で相談ができるサービスを提供しています。
強引な勧誘などは一切なく、あなたの話を丁寧に聞きながら、無理のない備え方を一緒に考えます。
よろしければ、ご活用ください。
参考・出典
- ※1.金融庁「つみたて投資による資産形成シミュレーション」
(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/) - ※2.米国S&P500の過去リターンに関する参考:マクロトレンド(Macrotrends)より過去年平均利回り(1957年以降、年率6.7〜7%程度)
(https://www.macrotrends.net/2324/sp-500-historical-chart-data) - ※3.金融庁「NISA特設ページ|新しいNISAのポイント」
(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html) - ※4.国税庁「令和6年分 所得税の税率」
(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm) - 参考:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和5年度)」(PDF)
(https://www.mhlw.go.jp/content/001359541.pdf)