
50代を迎え、健康診断の結果や老後の生活が気になり始めた方も多いのではないでしょうか。若い頃に加入した生命保険が、今の家計や将来のリスクに合っていないかもしれません。この記事では、50代の保険見直しで「損をしない」ための鉄則から、気になる毎月の平均保険料、そして本当に必要な保険の種類まで、わかりやすく解説します。
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50代こそ生命保険見直し「最後」のチャンスである3つの理由
50代は、多くの方にとって人生の大きな転換期です。これまでと同じ保険で大丈夫だろうかと、漠然とした不安を感じている方もいるかもしれません。なぜ今、保険の見直しが重要なのか。それには、この年代特有の3つの大きな変化が関係しています。
ライフステージが大きく変わるから
20代や30代で保険に加入したときと、50代の現在とでは、家族構成や守るべきものの大きさが変化していることが考えられます。
子供の独立で必要保障額が減少
お子様が独立し、教育費の大きな負担が終わると、万が一のことがあった際に遺すべきお金の額は、加入時よりも少なくなっている場合があります。かつては高額な死亡保障が必要だったかもしれませんが、今では過剰な備えになっている可能性も考慮に入れるとよいでしょう。
住宅ローンの残債も要チェック
住宅ローンを組む際に団体信用生命保険(団信)に加入している場合、万が一の際にはローンの残債が保険で支払われます。ローンの返済が進んでいる50代では、住居費として遺す必要のある金額も減っていることが考えられます。
健康リスクが急上昇する年代だから
50代は、心身ともに変化を感じやすい年代です。健康に関するリスクは、40代までとは大きく異なります。
40代の2倍以上?三大疾病の罹患率
がん(悪性新生物)、心疾患、脳血管疾患といった三大疾病のリスクは、年齢とともに高まる傾向にあります。特に50代になると、その罹患率は40代に比べて大きく上昇するというデータもあります。病気やケガによる入院や手術への備えの重要性が増す時期といえるでしょう。
親の介護で自分事になる介護リスク
ご自身の親の介護を経験し、将来自分たちが介護される立場になったときのことを考え始める方も多い年代です。公的な介護保険だけではカバーしきれない費用もあり、早めに自分自身の介護への備えを検討するきっかけになります。
働き方と収入が変わる転換期だから
定年退職が視野に入り、働き方や収入の先行きを具体的に考え始めるのも50代の特徴です。
- 役職定年や定年退職による収入減に備える
- 公的年金の受給額を把握しておく
- 退職金や貯蓄で老後の生活費がまかなえるか試算する
今後の収入が変化する可能性を考えると、現在の保険料を退職後も無理なく支払い続けられるか、という視点が非常に重要になります。
【鉄則】50代の保険見直しで絶対に外せない3つの着眼点
では、具体的にどのような点に注意して見直しを進めればよいのでしょうか。ここでは、50代の保険見直しで「損をしない」ために、特に重要な3つの鉄則をご紹介します。
死亡保障は「お葬式代+α」に減額
前述の通り、お子様の独立などによって、大きな死亡保障の必要性は薄れている場合があります。保障額を見直す際は、以下の点を考慮するとよいでしょう。
葬儀代など整理資金はいくら必要?
ご自身の葬儀費用やお墓の費用、身の回りの整理にかかる費用として、一般的に200〜300万円程度を備えておくと安心、と考える方が多いようです。
配偶者の生活費は遺族年金で足りる?
遺された配偶者の生活費については、公的な遺族年金でどの程度カバーできるかを確認し、不足する分を保険で備えるという考え方があります。
「生きるため」の医療・介護保障を手厚く
死亡保障を減額する一方で、ご自身が病気やケガ、介護状態になったときに備える「生存保障」の重要性は増していきます。
入院短期化には一時金タイプが有効
近年の医療では入院日数が短期化する傾向にあり、「入院1日あたり〇円」という保障だけでは、十分な給付金を受け取れないケースも考えられます。そのため、「入院したら一時金で〇万円」といった保障が役立つ場面もあります。
がん治療の多様化に備える保障とは
がんの治療法は、手術や入院だけでなく、通院での抗がん剤治療や放射線治療など多様化しています。通院治療を重点的に保障するタイプや、がんと診断された時点でまとまった一時金が受け取れるタイプなどが、治療の選択肢を広げる一助となるかもしれません。
公的介護保険でカバーできない費用
公的介護保険のサービスを利用しても、原則1割(所得に応じて2〜3割)の自己負担が発生します。また、公的保険の対象となる住宅改修や福祉用具の購入には支給限度額が設けられており、それを超えた分は全額自己負担となります。
具体的には、以下のような費用が自己負担となる可能性を考慮に入れておくと、より安心感が高まるでしょう。
- 住宅改修に関する費用: 廊下やトイレへの手すり設置、段差をなくすためのスロープ設置、滑りにくい床材への変更など(※支給限度額を超えた分や、制度対象外の改修費用)
- 介護用品(消耗品)の購入費: 日々必要となるおむつや尿とりパッド、防水シーツ、使い捨て手袋など
- 公的保険適用外のサービス利用料: 自治体や民間企業が提供する配食サービスや、見守りサービス、規定回数以上の訪問介護サービスなど
保険料の「払込期間」を必ず確認
保険料をいつまで支払うかという「払込期間」は、老後の家計を左右する重要なポイントです。
- 終身払い:保障が一生涯続くかわりに、保険料も一生涯支払うタイプ。月々の負担は抑えめですが、長生きすると総支払額が大きくなる可能性があります。
- 短期払い:60歳や65歳など、現役で収入があるうちに保険料の支払いを終えるタイプ。月々の負担は大きめですが、退職後は支払いがなくなり、家計管理がしやすくなります。
ご自身のライフプランに合わせて、どちらが合っているかを検討することが大切です。
50代の保険料、平均は月々いくら?払いすぎ?
自分以外の人が、保険にどのくらいお金をかけているのかは、気になるポイントです。ここでは、客観的なデータを基に、50代の保険事情を見ていきましょう。
男女別・年代別の平均保険料データ
生命保険文化センターの調査によると、50代の年間払込保険料の平均は以下のようになっています。
男性 | 女性 |
---|---|
25.5万円 | 19.0万円 |
(出典:公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」)
月額に換算すると、50代の男性は約2.1万円、女性は約1.6万円となります。もちろん、これはあくまで平均値であり、加入している保険の種類や保障内容、年収によって大きく異なります。ご自身の保険料と比較する際の一つの目安としてご活用ください。
生命保険の世帯加入率は約9割
生命保険文化センターの調査によると、生命保険の世帯加入率は89.8%にのぼります。特に50代では、多くの方が何らかの生命保険に加入していることがわかります。
保険料の適正額は手取り月収の5%
保険料の目安として、よく「手取り月収の5%以内」といった基準が語られることがあります。しかし、これはあくまで一般的な目安です。ご家庭の状況や価値観によって、適正な金額は異なります。平均値や目安は参考にしつつも、ご自身の家計が無理なく継続できる範囲で設定することが最も重要です。
50代で本当に検討すべき保険の種類と選び方
50代の保険見直しでは、保障内容の優先順位を考えることが大切です。ここでは、検討の対象となることが多い保険の種類と、その選び方のポイントを解説します。
【最優先】医療保険・がん保険
病気やケガによる入院・手術に備える保険です。特にがんへの備えを手厚くしたい場合は、がん保険を別途検討するのも一つの方法です。
持病があっても入りやすい引受基準緩和型
健康状態に不安がある方向けに、加入条件を緩やかにした「引受基準緩和型」や、告知項目がさらに少ない「無選択型」と呼ばれる医療保険もあります。ただし、一般的な保険に比べて保険料が割高になるなどの注意点もあります。
【働き世代の守り神】就業不能保険
病気やケガで長期間働けなくなったときの、収入減少をカバーするための保険です。毎月お給料のように給付金が受け取れるタイプが主流です。
特に自営業・フリーランスは検討の価値あり
会社員と異なり、傷病手当金などの公的保障が手薄な自営業やフリーランスの方にとっては、特に重要度の高い保険といえるかもしれません。
【老後の安心材料】介護保険
公的介護保険の要介護状態と認定されたときなどに、一時金や年金が受け取れる保険です。
一時金か年金か、受取方法を選ぶ
まとまった一時金で受け取るタイプは、住宅改修などに充てやすいという特徴があります。一方、年金で受け取るタイプは、毎月のサービス利用料など、継続的な支出に充てやすいでしょう。
【家族への配慮】終身保険(葬儀代用)
一生涯の死亡保障を確保できる保険です。50代からの見直しでは、高額な保障よりも、ご自身の葬儀費用など、遺された家族に経済的な負担をかけないための「整理資金」として活用する考え方があります。
高額は不要、200〜300万円が目安
目的を整理資金に絞ることで、保険料の負担を抑えながら必要な保障を確保しやすくなります。
【要注意】50代が注意したい保険の3つの特徴
保険を見直す際には、現在加入している保険が、将来的に不利益にならないかを確認することも大切です。ここでは、50代の方が特に注意したい保険の3つの特徴を挙げます。
60歳以降も更新が続く定期保険
10年や15年ごとに契約が更新されるタイプの定期保険は、更新時の年齢で保険料が再計算されるため、一般的に更新のたびに保険料が上がっていきます。60代、70代と更新を続けると、家計を圧迫するほどの負担になる可能性も考慮しておきましょう。
目的が曖昧な高額の貯蓄型保険
かつて予定利率が高かった時代に加入した貯蓄型の保険は、現在では貴重な存在かもしれません。しかし、保障と貯蓄のどちらを重視しているのか目的が曖昧なまま、高額な保険料を支払い続けている場合は、一度その目的を再確認してみる価値はあります。
保障内容が古い10年前の医療保険
10年以上前に加入した医療保険でも、現在の医療事情に合っていない可能性があります。なぜなら、この10年という期間でも医療技術や制度は大きく変化しており、当時の保険が想定していた入院・治療の形と、現在の実態との間にギャップが生まれていることがあるからです。
具体的には、以下のような点が挙げられます。
- 入院日数の短期化: 近年、医療技術の進歩などを背景に、病院での平均在院日数は短期化する傾向にあります。そのため、入院1日あたりで給付される古いタイプの保険では、短期入院の場合に十分な給付金を受け取れない可能性があります。
- 手術給付金の対象範囲: 10年ほど前の医療保険には、約款で定められた特定の手術(例:88種など)のみを保障対象とするタイプもまだ見られます。一方、現在の保険は公的医療保険制度に連動し、より広範囲な手術をカバーするものが主流となっています。
- 先進医療保障の有無: 全額自己負担となる先進医療は、技術の進歩に伴い、治療法も費用も変化します。10年前の契約では、そもそも先進医療特約を付加していなかったり、保障内容が現在の高額な治療に対応していなかったりする場合があります。
【Q&A】50代の生命保険、よくある3つの疑問
ここでは、50代の方からよく寄せられる保険に関する疑問にお答えします。
Q1. 持病や既往症があっても入れますか?
A1. 持病や既往症があると、加入できる保険が限られる場合があります。しかし、前述したように、健康に関する告知項目が少ない「引受基準緩和型医療保険」など、持病がある方向けの商品も存在します。ご自身の健康状態を正確に伝えた上で、加入できる保険があるか探してみるとよいでしょう。
Q2. 夫婦で一緒に見直す際のポイントは?
A2. ご夫婦で保険を見直す際は、まずはお互いの保障内容を確認し、保障が重複していないかをチェックすることが大切です。また、どちらか一方が扶養に入っている場合など、お互いの働き方や公的保障の違いを考慮して、それぞれに必要な保障を考えることがポイントです。
Q3. ネット保険と対面相談、どちらがいい?
A3. どちらにも利点があります。ネット保険は、ご自身で情報を集めて商品を比較検討できる方や、保険料を抑えたい方に向いている傾向があります。一方、対面相談は、専門家に相談しながらじっくり考えたい方や、複数の保険会社の商品を比較して提案を受けたい方に適しているといえるでしょう。ご自身の性格や状況に合わせて選ぶのが一番です。
今日からできる!保険証券1枚でわかる、見直しの簡単3ステップ
ここまで読んで、見直しの必要性を感じた方も多いかもしれません。しかし、何から手をつければいいのかわからない、という方もご安心ください。今日からすぐにできる、簡単な3つのステップをご紹介します。
ステップ1:保険証券をスマホで撮影する
まずは、現在加入している保険の「保険証券」や「ご契約内容のお知らせ」などをすべて集めましょう。どこにしまったか忘れてしまった場合は、保険会社に連絡すれば再発行が可能です。書類が見つかったら、内容がわかるようにスマートフォンで撮影しておくと、後で見返すのに便利です。
ステップ2:「保障内容」と「払込期間」を確認
保険証券で、最低限確認したいのがこの2つです。
- どんなときに、いくらお金が受け取れるのか(保障内容)
- いつまで保険料を支払う契約になっているのか(払込期間) この記事で解説した「3つの鉄則」を参考に、ご自身の保険が今の自分に合っているかを確認してみましょう。
ステップ3:少しでも不明なら専門家に相談
保険証券を見ても内容がよくわからない、自分に合っているか判断できない、という場合は、無理に一人で解決しようとせず、専門家に相談するのも有効な手段です。加入している保険会社のコールセンターや、複数の保険会社の商品を扱う保険代理店のファイナンシャル・プランナー(FP)などに相談してみましょう。
まとめ:50代の保険見直しは、未来の自分への最高の贈り物
50代の生命保険見直しは、単に保険料を節約するためだけのものではありません。これからの人生で本当に必要な保障は何かを見極め、変化するリスクに備えることで、より安心して人生の後半を迎えるための大切な準備です。
この記事をきっかけに、ご自身の保険に関心を持ち、保険証券を一度手に取ってみてください。それは、10年後、20年後のご自身とご家族への、最高の贈り物になるはずです。