任意整理のデメリットはやばい?意味ない、しなければよかったと後悔しずに済む方法

債務整理の一つである「任意整理」は、対象の借金を選んで減額できる、生活への影響が少ない、などのメリットがあり、債務整理の中では最も利用する人が多い方法です。

しかし、任意整理にも少なからずデメリットはあり、ブラックリストに載ることは基本的には回避できません。その後の生活にも影響するので、自分にとって適した方法なのかどうか、しっかりと見極める必要があります。

この記事では、任意整理したけど意味なかった、しなければよかった…とならないために、任意整理するとどうなるのかデメリットを中心にまとめました。

任意整理の特徴や利用できる条件、流れ、メリット・デメリット、よくある誤解などについても解説します。

誰にも言えず苦しんでいませんか?
借金が減るかも!?
減額診断
をスグ試してみる

任意整理とは?やばくないの?どんな人が利用するもの?

まず、任意整理はどのような特徴を持つ債務整理なのかを知っておきましょう。債権者とどのように交渉するのか、どんな人が利用すればよいのかなど、任意整理とは具体的にどのような手続きなのかをわかりやすく解説します。

任意整理とは、債権者と直接交渉することによって、利息や遅延損害金のカット、返済期間の猶予を認めてもらい和解する方法です。

裁判所を介さず弁護士や司法書士が代理となって債権者と交渉します。減額された借金を3~5年かけて毎月返済していきます。

他の債務整理のように強制的な法的手続きはなく、あくまで個人間の「任意」で解決するため任意整理と呼ばれます。

任意整理で債権者にお願いすること

債権者との交渉では具体的にどのようなことをお願いするのでしょうか。債権者に依頼するのは以下の5つです。

  • 毎月の返済額を軽減してほしい
  • 法外な利息を請求しないでほしい
  • 借金をゼロにしてほしい(過去に払った法外な利息で完済できている場合)
  • 過払い金を返還してほしい
  • 取り立てをストップしてほしい

借金問題を抱えている方の中には、法外な利息を請求されていることが原因で返済できなくなっている方もいます。

「銀行カードローン」や「消費者金融カードローン」なら、利息の上限は法律で決められた範囲内ですが、他の貸金業者から借りている場合、違法な利息を請求されていないか確認が必要です。

法律で定められている上限を超えた利息は、支払う必要はありません。任意整理の手続きをすることで法外な利息の請求をストップさせられます。

過去に払い過ぎた利息で借金を完済できているケースもあり、その場合は借金をゼロにできたり、過払い金を請求したりすることができます。

また、借金を滞納している場合、催促の電話や取り立てに精神的な苦痛を感じる方が多いですが、任意整理を弁護士や司法書士に依頼した時点で、債権者からの取り立てはストップするので安心してください。

\専門家に相談で安心!/
減額診断弁護士女性のオリジナルイラスト004

任意整理ができる条件

任意整理は誰でも利用できるわけではなく、利用するにはいくつか条件があります。次の3つは必須条件といえるべきポイントです。

  • 返済意思があるか
  • 安定した収入があるか
  • 3~5年で完済できるか

任意整理は債権者と和解したら終わりではなく、和解が成立してから減額された借金を計画的に返済していかなければなりません。

そのためには、返済意思や収入があることを証明する必要があり、3~5年で完済を目指せるかどうかが重要です。

安定した収入が得られなかったり完済の目途が立たなかったりする場合は、任意整理以外の他の債務整理手続きで解決せざるを得ないケースもあります。

他の債務整理と任意整理は、何が違う?

債務整理には、任意整理の他に次の3つの方法があります。

  • 個人再生:借金を5分の1~10分の1に減額できる
  • 自己破産:デメリットは多いが、借金を全額免除できる
  • 特定調停:任意整理と似ているが、差し押さえを阻止できる

任意整理以外の、これら3つの方法はすべて「裁判所が関与する」という大きな違いがあります。

他に、任意整理だけ異なるところは、

  • 対象の借金を選べる
  • 手続きが簡単
  • 費用が安い

という点です。

対象の借金を選べる
任意整理の大きな特徴は、債権者を選んで借金を整理できることです。整理したくない借金は任意整理の対象から外せば、残したい財産を残せます。保証人付きの借金は対象から外すことで、保証人に迷惑はかかりません。
手続きが簡単
裁判所を介す手続きでは書類の作成や収集に時間や労力がかかりますが、任意整理ではその必要はありません。弁護士や司法書士に依頼すれば手続きは簡単で、短期間で完了します。
費用が安い
裁判所に支払う費用は必要ないため、債務整理の中では最も費用が安いです。必要な費用は、債権者1社あたり3~5万円と弁護士や司法書士への減額報酬(10~20%)のみです。
個人再生や自己破産ではすべての借金が対象となるため、債権者を選ぶことはできません。しかし、任意整理なら住宅ローンや自動車ローンを返済中の場合でも、そのローンだけ除外して借金を整理することが可能です。

これらは任意整理だけにしかないメリットであり、他の債務整理に比べて利用者が多い理由でもあります。

債務整理と任意整理の違いを説明した画像

任意整理の流れ、するとどうなる?

任意整理はどのような流れで行うのか、流れを簡単に説明します。自分でも手続きはできますが複雑なので弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。

まずは、任意整理で借金が減額できるかどうかの目安を知るところから始めてみましょう。

無料の無料の借金減額シミュレーターを利用すれば、減らせる可能性やいくら減らせるかを確認できます!

そして、その結果をもとに法律事務所へ相談して進めていきます。

法律事務所では借金に関する相談を無料で行えるところが多いです。

相談をすると、任意整理は次のような流れで進みます。

  • 弁護士や司法書士と委任契約
  • 債権者へ受任通知の発送、取引履歴の開示請求
  • 上限金利に基づいて引き直し計算(過払い金があれば返還請求)
  • 債権者との交渉開始
  • 和解案を作成して債権者へ提示、和解交渉
  • 和解成立、返済開始

相談から和解成立までにかかる期間はだいたい3~6ヶ月です。

債権者との交渉が円滑に進まない場合は長引くこともあります。任意整理を依頼するときは、できるだけ経験豊富な弁護士や司法書士を選びましょう。

弁護士や司法書士がほとんどすべての作業を代理でやってくれるため、依頼者は法律事務所に1~2回足を運んで面談したり、指示された場合に書類を作成したりするだけです。

返済が開始したら確実に支払いできるよう準備しておきましょう。完済までの期間は原則3年~5年で、計画どおり返済できたら完了です。

任意整理の流れを説明した画像

任意整理で借金減額って実はやばくないの?デメリットは?

任意整理には多くのメリットがある一方で、次のようなデメリットがあります。

  • 大幅な減額は期待できない
  • 債権者が応じてくれないことがある
  • 差し押さえを阻止できない

そして、任意整理に限らず債務整理全般のデメリットといえるのが、「ブラックリストに載る」ことです。

その後の生活に支障をきたすため、「任意整理しなければよかった」とならないために、しっかりと内容をおさえておきましょう!

デメリット① 大幅な減額は期待できない

任意整理で減額されるのは、

  • 将来利息:完済までにかかる利息の総額
  • 遅延損害金:返済が遅れたことに対するペナルティ

の2つで、元金は減らせません。

任意整理では基本的に将来利息はカットできますが、遅延損害金の免除には応じてくれない債権者が多いのが現実です。

交渉次第でそれなりに減額されることもありますが、将来利息をすべてカットしてもらえない場合もあり、大幅な減額は難しいことがほとんどです。「任意整理したのに思っていたよりも減額できなかった」と感じる人がいるのも事実です。

借金が長期に渡り、過払い金が発生している場合などは大幅な減額が可能ですが、過払い金には時効があるため稀なケースといえます。

また、自己破産のように支払いが免除されることはなく、3~5年の期間で毎月決められた額を計画どおり返済していかなくてはいけません。

滞納すれば債権者からの印象は悪くなり、2ヶ月以上返済が滞ると一括請求される可能性もあります。本当に返済していけるのか、しっかりとシミュレーションしておく必要があるでしょう。

任意整理は元金を減額したり支払いを免除したりはできないので、借金を減額というよりは、月々の返済負担を軽くする手続きだと思っておいた方がよいでしょう。

デメリット② 債権者が応じてくれないことがある

いくら任意整理を希望しても債権者が応じてくれないと手続きを進めることはできず、任意整理は失敗となります。

裁判所を介す他の債務整理では債権者が拒否できる余地はないですが、任意整理の場合、応じるかどうかは債権者の自由です。

債権者が任意整理に応じてくれないケースとして、

  • 会社の方針で交渉に応じない
  • 借入してから一度も返済していない
  • 2回目の任意整理

などがあります。

テレビCMを放映しているような大手消費者金融は任意整理に応じてくれる傾向にありますが、小規模の業者は応じないか、応じてくれたとしても厳しい条件を出してくることが多いです。

借入してから一度も返済していない場合や、任意整理が2回目となる場合も応じてくれないでしょう。計画通り返済できなかったことで、債権者は債務者に対する信頼をなくしているからです。

任意整理を行えるかどうかは債権者次第です。応じてくれない場合は、個人再生や自己破産で解決を試みるか、応じてくれる債権者との交渉を優先するとよいでしょう。弁護士や司法書士といった交渉の得意な専門家の力を借りるのもおすすめです。
専門家に相談前に確認!
借金は減らせる?
減額診断
ですぐチェック!

デメリット③ 差し押さえを阻止できない

借金を滞納してしまった場合、債権者は最終手段として「強制執行による差し押さえ」を行うことがあります。

差し押さえでは、給与、預金口座、車、家、土地などさまざまな財産が対象となります。

借金を滞納したからといっていきなり差し押さえられるわけではなく、差し押さえに至るまでには、督促の電話やハガキが届く、返済を一括請求されるなどの段階があります。

自己破産や個人再生、特定調停では、裁判官が許可を出せば差し押さえを阻止できますが、任意整理は唯一差し押さえを阻止することができません。

差し押さえを回避したい場合は、任意整理以外の債務整理に切り替える必要があります。

デメリット④ 銀行系カードローンの場合、預金口座凍結の恐れあり!

あなたの借金は、預金銀行のカードローンではありませんか?もしそうである場合、任意整理をすると、預金講座を凍結される可能性があります。

預金を回収にあてるためです。解除まで2~3ヶ月くらいかかる可能性も。

  • 給与振込
  • 現金引き出し
  • 自動引き落とし(公共料金など)

これらができなくなると、生活にかなりの影響が出ます。

絶対に口座凍結されてしまう…という訳ではないですが、もし凍結されてしまうと大変です!

自分で手続きを進めている場合、過去の事例などが分からないため不安ですよね。

でも、任意整理の実績豊富な弁護士や司法書士に依頼すれば、口座凍結された事例をもとに任意整理の手続きを進めても良いか?の判断をしてもらえるので安心です!

もし可能性がある場合は、その銀行は外して他の借金を任意整理するなどの対応が必要になります。

続いて、5つ目のデメリットであるブラックリストへの掲載については、その後の生活にも大きく関わってくるため、詳しくみていきましょう。

デメリット⑤ ブラックリストに掲載…載るとどうなる?載らないケースはある?

任意整理に限らず、債務整理手続きをすると避けられないのは、「ブラックリストに載ること」です。

ブラックリストに載るとは、個人信用情報機関に債務整理をしたという事故情報が登録されることです。「ブラック状態になる」「ブラック入りする」などとも言われます。

個人信用情報機関とは?何年間登録される?

個人信用情報機関には次の3つがあり、借入先によって登録される機関が異なります。

  • CIC(株式会社シー・アイ・シー):クレジットカード会社が加盟している
  • JICC(株式会社日本信用情報機構):消費者金融が加盟している
  • KSC(全国銀行協会):銀行や信用金庫などが加盟している

任意整理の場合、ブラックの期間は「約5年間」。各種信用情報機関によって取扱いに違いはありますが、3つとも5年間は登録され続け、その間はブラック扱いです。新たな借入やローンを組むことはできません。

登録されるのは、弁護士や司法書士に任意整理を依頼し、債権者に受任通知が届いてからです。債権者は事務処理を行い、信用情報機関に登録します。

信用情報機関に登録されている間はクレジットカードやローンが利用できなくなるなどのデメリットが発生します。(他にもあるので後述します)

信用情報機関に登録された時点で、新たな借入やクレジットカードの審査が通らなくなるため、作成はできなくなるので注意しておきましょう。

任意整理から5年が過ぎると、情報は抹消されることになっていますが、それぞれの機関で、事故情報登録の起算日などの取扱いに差が生じることがあります。(クレジット会社、貸金業者、銀行など様々なため)

実際に抹消されたかどうかは各信用情報機関に「情報開示請求」をして確認した方が確実です。もし抹消される前にローンを組もうとすると、審査に通らないばかりか、「審査に通らなかった」という情報が載ってしまいます…。

「審査に落ちた」と登録されるわけではなく審査に通った時に出てくる「クレジット情報」が出ず、「申込情報」しか出てこないため、審査に落ちたと判断されてしまうといった感じです。

また、信用情報機関への登録が抹消されても、金融機関には事故情報が残り、「社内ブラック」となっている可能性が高いです。

社内ブラックの期間は金融機関によって異なり、永久的に事故情報が残っている可能性もあります。何年か経過していても任意整理した金融機関を再び利用するのはやめておいた方がよいでしょう。

ブラックリストに載ることで発生するデメリット

個人信用情報機関に登録されている間は、

  • クレジットカードが使えなくなる
  • ローンが組めなくなる
  • 分割払いができなくなる
  • 新たな借入ができなくなる
  • 保証人になれない
  • 賃貸の契約時に審査に通らない

といったデメリットが発生します。

クレジットカードが使えなくなる
現在持っているクレジットカードは強制解約となり、使えなくなります。新規作成も、審査に落ちてしまうためできなくなります。クレジット機能付きETCも使えなくなるので、日常的に高速道路を使う人は不都合が生じるでしょう。
ローンが組めなくなる
住宅ローンや自動車ローン、教育ローンなど、ローンもすべて組めなくなります。お金を借りるという点ではローンも借金の一種であり、返済能力があるかどうかが審査されるため、落ちてしまいます。
分割払いができなくなる
分割払いも利用できなくなるため、携帯電話やスマホの機種代なども一括で支払う必要があります。分割払いもローンのひとつなので、利用の際には個人信用情報機関を通じて審査が行われるからです。
新たな借入ができなくなる
消費者金融や銀行などから新たな借入もできなくなります。ブラックリストに載っていても借入できるところは、違法業者である「闇金」の可能性が高いので絶対に借りてはいけません。
連帯保証人や保証人になれない
家族や他人が借金をしても連帯保証人や保証人になれません。子どもの奨学金においてもなれないので、配偶者またはほかの親族に保証人になってもらうなどの対処が必要です。
賃貸の契約時に審査に通らない
賃貸の契約時には家賃を滞納するのではないかという理由から、審査に通りにくくなります。契約するならごく少数ですが保証会社を通さない物件を選びましょう。

特に、クレジットカードが使えないことに不便を感じる人は多いでしょう。

家族の名義で作る「家族カード」、使った瞬間に引き落とされる「デビットカード」、あらかじめチャージして使う「プリペイドカード」なら利用できるので代用しましょう。

ETCに関しては、事前にデポジット(保証金)を支払う必要はありますが、ETCパーソナルカードなら使えます。法人向けには、ETCコーポレートカードや法人ETCカードなどがあるので、ブラックの期間はこれらで代用することも可能性です。

どうしてもローンを組みたい場合は、配偶者あるいは成人した子供の名義で組むことになるでしょう。

家族にはどのような影響が出る?

任意整理は他の債務整理に比べて家族への影響が少ない方法ですが、ブラックリストに載ることによって、家族にも次のような影響は出ます。

  • 自分名義のクレジットカードで家族カードを作っている場合、そのカードも使えなくなる
  • 家族がクレジットカードを作るときに影響することがある
  • 子どもの教育ローンや奨学金の利用が難しくなる

家族カードは名義人の信用情報に影響されるため、本人のカードが使えなくなると家族カードも同様に使えなくなります。

ただし、家族の信用情報に影響はないので、家族が名義人となって新たにカードを作ることはできます。

しかし、家族なら誰でもカードが作れるわけではなく、専業主婦(主夫)の配偶者や未成年の子供(学生)などは、審査に落ちてしまいます。カードを作る本人に収入がない場合、配偶者や親の信用情報を確認されるからです。

また、奨学金を利用するなら信用情報に傷のない身内に保証人になってもらうなど、進学前の子どものいる家庭は、任意整理するにあたって慎重に検討する必要があるでしょう。

教育ローンを利用したくても審査に通らないため利用できません。家族にバレずに任意整理したいという方も多いですが、進学費用の工面に関しては、事前に家族と話し合っておきましょう。

ブラックリストに載っている間はいろいろと不便を強いられますが、解除後はこれらの制限はなくなります。

信用情報機関へまだ登録さているか解除されているかは開示請求を行って確認できます。任意整理後にクレジットカードやローンを利用する場合は、5~10年経過した頃に「解除されたこと」をしっかりと確認してからにしましょう。

ブラックに載らないケースは、過払い金請求で完済できた場合!

債務整理をするとブラックリストに載ると前述しましたが、過払い金請求に関しては載らないケースがあります。

任意整理と同時に過払い金請求をして、完済できた場合はブラック扱いされません。

以前は過払い金請求でブラックリストに載っていましたが、2010年に廃止されました。そのため、

  • 2010年より前に過払い金請求をした
  • 過払い金請求をしたけれど完済できず借金が残った

というケースではブラックリストに載りますが、現在では過払い金請求をして借金がなくなった場合には載ることはありません。

返済中の借金を過払い金で完済できた場合、またはすでに完済していた借金を過払い金請求した場合もブラックリストには載らないので、これらのケースならデメリットはないと言えるでしょう。

ちなみに、過払い金請求をしても借金が完済できず債務が残ったときは「任意整理」をしたこととなり、信用情報のデータ上に残ってしまうブラック状態となります。

ただし、任意整理をしたことになりブラック状態になっても、過払い金が発生していれば借金は減額でき、負担は確実に軽くなります。過払い金に心当たりのある人は、デメリットよりメリットに注目し、まずは診断を受けてみましょう。

過払い金については、借金減額診断で発生しているかの目安を知ることができます。

専門家運営の診断はコチラ
過払い金診断のオリジナルイラスト006

ブラックリストに載ると様々な影響は出ますが、苦しい状況の借金が残っている場合はブラックリストに載っても債務整理によって早期に解決することをおすすめします!

借金滞納が続いた場合もブラック入りしますし、借金を重ねて多重債務に陥ってしまった…となってしまう前に、手を打っておく方が賢明です。

任意整理すると住宅ローンにはどんな影響が出る?

既に住宅ローンを組んでいる場合、任意整理をしても対象から外せば住宅ローンは除外して借金を整理することができるので、影響が出ることはないです。

しかし、任意整理中に住宅ローンを組むことはできず、任意整理後も完済してから約5~10年はローンを組めません。

住宅ローンを組む際には必ず信用情報機関を利用した審査が行われるので、事故情報が登録されている間は住宅ローンを組むことができないのです。

これからマイホームを建てたりマンションを購入したり、住宅ローンを組む計画のある人は、先に住宅ローンを組んでから任意整理するのがよいでしょう。

任意整理したばかりだけれどすぐに住宅ローンを組みたいという場合は、本人の名義では組めませんが、家族の名義で組むことはできます。

また、任意整理をした業者の関連会社で住宅ローンを組むのは避けた方がよいです。例えば、アコムは三菱UFJ銀行の、プロミスと三井住友銀行の保証会社であり、関連会社です。

関連会社同士、社内で顧客データを共有している場合、「社内ブラック」となって審査に落ちてしまうからです。金融機関はたくさんあるので、任意整理した業者と関連のないところで組むようにしましょう。

任意整理のデメリットを説明した画像

任意整理に向いている人・向いていない人

任意整理のメリット・デメリットを紹介しましたが、中には任意整理しない方がいい人もいます。他の債務整理(個人再生や自己破産)の方が向いている人もいるのです。

任意整理をした方がいい人、悪い人を説明した画像

メリットよりデメリットが上回ってしまう場合、任意整理はおすすめできません。

任意整理をすると大半の場合、借金を減額して返済負担を軽くできますが、状況によっては任意整理をしても効果がないケースもあります。

任意整理の向き不向きをまとめました。

任意整理した方がよいケース

任意整理することによって効果が得られるのは次のようなケースです。

  • 多額の借金ではない場合
  • 手放したくない財産がある場合
多額の借金ではない場合
借金の総額が大きい場合、任意整理をしても返済できる程度にまで減らすのは難しいです。一般的に残元金が200万円程度までの方が任意整理に向いており、それ以上の方は個人再生や自己破産の方が向いている場合が多いです。
手放したくない財産がある場合
個人再生や自己破産では高価な財産を処分される可能性が高いですが、任意整理では処分の心配はありません。家や車はどうしても残したいという方にとって、債権者を選べる任意整理は有効でしょう。

手続きに時間や手間をかけたくない人、保証人に迷惑をかけたくない人などにも任意整理は向いています。

任意整理しない方がよいケース

一方、任意整理をしても効果が得られないのは次のようなケースです。

  • 借入額が少額の場合
  • 低金利の場合
  • 返済の目途が立たない場合
  • 任意整理に応じてくれない業者から借入している場合
借入額が少額の場合
借入額が多額の場合も任意整理には向いていませんが、少ない場合も不向きです。借入額が少ないと利息も少なく、弁護士や司法書士への依頼にかかる費用の方が上回ってしまうことがあり、任意整理する意味がなくなります。
低金利の場合
住宅ローンやカーローンなど、低金利のものも任意整理には不向きです。カードローンの金利はだいたい15%ほどですが、住宅ローンは0.5~1%、カーローンは2%ほどなので、任意整理をしても減額効果が低いです。
返済の目途が立たない場合
任意整理では決められた額を毎月返済していく必要があるため、それに応じた収入があることが条件となります。3~5年(毎月36~60回)に分割して返済できる程度の収入がなければ、任意整理をしても解決できないということです。
任意整理に応じてくれない業者から借入している場合
大抵の債権者は任意整理に応じてくれますが、中には非協力的な業者もいます。借入期間が短かったり、業績が悪かったりすると、応じてくれないことがあり、任意整理以外の方法で解決せざるを得ない場合があります。
これらのケースに当てはまる場合は、任意整理よりも、個人再生や自己破産を検討した方がメリットが得られる可能性が高いでしょう。

また、個人事業主で、事業資金を自分名義で借入している場合は、ブラックリストに載ることで今後の借入ができなくなります。事業を続けられなくなるリスクがあるので、債務整理は慎重に行う必要があります。

任意整理はしない方がいい?よくある誤解とは

債務整理に対してマイナスイメージを持つ方の中には、「任意整理をしたら周囲にバレる」「任意整理はヤバいからしない方がいいのでは?」などと思っている方が多いようですが、それは誤解です。

任意整理をしたらバレる?

任意整理をしても基本的に周囲にバレることはありません。

任意整理は債務整理の中で最もバレにくい方法として知られています。家族や会社の人に内緒で行うこともできるので安心してください。

自己破産や個人再生では「官報」という国が発行する機関紙に名前や住所が掲載されてしまいますが、任意整理では掲載されることはありません。

そもそも官報を見ている人は限られた人だけなので、たとえ自己破産や個人再生をしても官報をきっかけに誰かにバレるという可能性は極めて低いです。

裁判所に出頭したり、裁判所から書類が送られてきたりする心配もありません。

バレる可能性として考えられるのは以下のような場合です。

  • 弁護士や司法書士から連絡があった場合
  • 職場で書類の発行を依頼した場合
  • クレジットカードが利用できないことを怪しまれる

弁護士や司法書士はできるだけバレないよう配慮してくれますが、心配な場合は連絡は自分からすると伝えておくとよいでしょう。

任意整理の必要書類として、直近2~3ヶ月の給与明細や源泉徴収票の提出を求められることがありますが、捨ててしまって会社に再発行を依頼する場合は任意整理に必要だということは言わないでおきましょう。

クレジットカードが使えないことも怪しまれないよう気をつけましょう。

携帯電話やスマホが使えなくなる?

任意整理後に、携帯電話やスマホを使えなくなるのでは?と不安を感じるかもしれませんが、できなくなるのは本体を購入したときの「分割払い」と「クレジットカードを利用した支払い」です。

任意整理をしても、携帯電話やスマホは問題なく使えますし、機種変更や他社への乗り換えもできます。

毎月の料金をクレジットカードで支払っている方は、任意整理後はクレジットカードが使えなくなるので支払い方法を変更する必要があります。未納があると強制解約されて使えなくなる可能性があるので、忘れずに手続きしておきましょう。

保証人に絶対に迷惑がかかる?

保証人のついている借金を任意整理した場合、その保証人に請求がいくので迷惑がかかりますが、任意整理は手続きする債権者を選べます。

個人再生や自己破産では債権者を選ぶことはできませんが、任意整理では選べるというメリットがあります。

保証人あるいは連帯保証人のついている借金は対象から外して手続きすれば、迷惑をかけずに済みます。任意整理は保証人に迷惑をかけたくないという方にも向いている手続きです。

世間に広まっている任意整理への誤解

任意整理にまつわる誤解を解説している画像

他にも任意整理に対する誤解が世間には広まっています。

  • 家族もブラックリストに載る
  • 選挙権がなくなる
  • 年金がもらえなくなる
  • 保険に入れなくなる
  • 内定取り消し、採用が白紙になったり解雇されたりする
  • 車を没収される
  • 戸籍に記載される
  • 官報に掲載される

これらはすべて間違いです。

Yahoo!知恵袋には、任意整理のデメリットについての質問が多数見られます。実際に任意整理を体験した人の情報は参考になりますが、中には間違った情報も混ざっているので注意が必要です。

ブラックリストに載るのは任意整理した本人のみなので、家族の信用情報にまで傷がつくということはありません。

もしあなたが任意整理をしても、家族は引き続きクレジットカードを使えます。保証人になることはできませんが配偶者名義など家族の名義でならローンを組むこともできます。

ブラックリストに載ったら戸籍にも記載されるのではないかと心配する方もいますが、戸籍に載ることはありません。戸籍は結婚や出生など身分関係を載せるもので、事故情報を載せるところではないからです。

よって、選挙権や年金、保険、パスポートの取得などにも影響することはありません。

また、債務整理すると会社をクビになるのでは?と思っている人も少なくありません。任意整理を理由に解雇されるのは不当解雇として法律で禁じられています。もし解雇を迫られた場合は弁護士に相談しましょう。

任意整理をしても本人が言わない限り、会社に情報が伝わることはありません。万が一会社にバレたとしても会社をクビになることはなく、採用が決まっているのに取り消しになることもないので、心配は要らないでしょう。

車や住宅など、財産を没収される心配もありません。財産が没収されるのは自己破産のときです。ただし、自動車ローンを組んでいて返済中の場合は、任意整理の対象にしてしまうと没収される可能性はあります。

このような誤解をせず、任意整理や他の債務整理手続きについて正しく知っておきましょう。

任意整理後の生活での注意点

任意整理の手続きが終わり支払いが開始すると、毎月確実に返済していかないといけません。そのためには、家計をしっかりと把握し、やりくりしていくことが重要です。

無理なく返済できるよう、家計簿アプリなどを使って節約しながら生活することを心がけましょう。

注意すべき点は、新たな借入ができないからといって、闇金には絶対に手を出さないことです。

闇金は法外な金利で貸し付けてくるため、利用しても返済が苦しくなる一方です。

また、クレジットカードは使えないため現金で支払うことが多くなりますが、財布に多額の現金を入れると無駄遣いの原因になります。

1日に使えるお金の上限を決めるなどして、財布には最低限の現金を入れるようにしましょう。

どうしてもお金が足りない場合は、「緊急小口貸付制度」という公的制度を利用しましょう。市区町村の役所に申し込み、申請が通れば無利子で10万円まで借りられる制度です。

利用条件は都道府県によって異なるため必ず利用できるとは限りませんが、一種の方法として検討してください。

任意整理検討中の方は、まずは専門家に相談を!

任意整理は向いている人にとっては非常に有効で、借金をスムーズに解決し生活を立て直す手段となるでしょう。

「クレジットカードが使えないのは困る」「ローンを組みたいのに…」と任意整理に踏み切れない人もいるかと思いますが、信用情報に登録されて生活に影響が出るのは一時的なものです。

任意整理しても会社や周りの人にバレることもありません。むしろ、債務整理せずに借金問題を放置し続けた方がバレるリスクは高まります。

任意整理が向いていない人にとっては、「任意整理しない方がよかった」「任意整理したけど意味なかった」となってしまう可能性も。

任意整理をしても解決に至らず、再び個人再生や自己破産を検討しなくてはいけない状況に陥るかもしれません。

どの債務整理がベストかは人それぞれなので、任意整理をすることが自分の借金にとって最適な方法であるのか、など、弁護士や司法書士など専門家に相談し、判断を委ねましょう。

弁護士や司法書士はあなたの借金の状態や収入、資産などを踏まえて適切なアドバイスをくれるでしょう。
↓借金を減らす救済措置↓
借金が減る?
減額診断
ですぐチェック!
減額診断のオリジナルイラスト1
関連記事