自己破産すると車や家は残せる?その後どうなる?仕事など生活への影響12つと注意点

自己破産をしようかどうしようかと検討している方にとっては、「実際に自己破産をするとどうなるのか?」が気になるところです。

借金がゼロになる代わりに、財産もゼロになってしまうのか?

自己破産の詳細やその後を知って、冷静な判断を心掛けましょう。

この記事では、自己破産に関する基礎知識と共に、その後の生活への影響や変化についてわかりやすく解説しています。自己破産を決める前に、ぜひ参考にしてみてください。

誰にも言えず苦しんでいませんか?

自己破産は借金の支払い義務を免れるための手続き

自己破産とは、借金を整理するための債務整理の手続きの一つです。任意整理や個人再生とは違い、支払い義務がなくなります。つまり、借金をゼロにできるのです。

非常に魅力的な制度ですが、もちろんデメリットもあります。「自分にとっては、メリットとデメリットのどちらが大きいのか?」を検討し、判断しましょう。

「自己破産=大変なこと」というイメージも先行する中、「自己破産するとどうなるかがわからず、決断できていない」という方が多いのも事実です。

自己破産は、借金を返済できなくなった方が、生活を再建できるよう、手助けするための制度です。自己破産したからといって、人生が終わるわけではありません。

処分対象となるのは【破産申立者本人名義】の資産のみ

自己破産は今ある借金がゼロになるだけ、というイメージがあるかもしれませんが、実際はまったく返済しなくて良いわけではありません。

破産手続きでは、債務者(破産申立者)が所有している一定以上の価値がある資産を換価処分して、それを債権者に公平に分配することで出来る限りの返済を行います。

ですから、自己破産をすると住宅や車など、高額な資産は没収されてしまうのです。

しかし、処分対象となるのは【破産申立者本人名義】の資産のみ!なので、自己破産をしても、普段から乗っている自動車が第三者名義のものであれば、処分対象とはなりません。

自己破産は、あくまでも申し立てをした本人のみに対する手続きです。ですから、家族名義の資産が差し押さえられることはないので安心してください。

注意!自己破産前に車の名義変更をするのは危険
自分名義の自動車でなければ処分される心配はない、とお伝えしましたが、自己破産前に家族などの第三者に名義を変更することは、財産隠しだと判断されるために絶対に行ってはいけません。

財産隠しと判断されれば、免責不許可事由に該当することになります。

自己破産をすれば、必ず借金がゼロになるわけではありません。免責許可が下りて初めて借金返済が免除されるわけですが、免責が下りなければ自己破産をしても借金がゼロにならず、返済し続けることになります。

悪質だと判断されれば、詐欺罪に該当するケースもあります。

車を例に挙げましたが、自己破産するとどうなるのか、生活・仕事・収入のそれぞれへの影響をさらに詳しく見ていきましょう。

自己破産するとどうなる?【生活への影響】

自己破産を検討する場合に、もっとも気になるのがその後の生活についてです。自分や家族の生活には、いったいどのような影響が出るのでしょうか。

頭に入れておきたい7つのポイントを紹介します。

一定額以上の財産を没収される

自己破産をする際のデメリットとして、注目されやすいのが「財産の没収」です。借金がチャラになっても、全てを失ってしまえば意味がない…と思ってしまいがちです。

とはいえ実際には、自己破産をしても全ての財産を処分されるわけではありません。手元に残せる財産の条件は、以下のとおりです。

  • 99万円以下の現金
  • 1点あたりの評価額が20万円以下の財産(※裁判所によって基準が異なる)

自己破産をしたからといって、預金の全てを失うわけではありませんし、家財道具一式を取られるわけでもありません。

ただ、残念ながら土地やマイホームを守るのは難しいでしょう。もしどうしても持ち家を守りたいのであれば、任意整理や個人再生といった別の債務整理を検討する必要があります。

車が没収されるかどうかを決めるポイント2つ

自己破産をすれば、必ず自動車が処分されるわけではありません。手元に車を残し今まで通り使用することが出来る可能性があります。

自分名義の車だけが対象となるため、自己破産前に名義変更したり、自動車売却をすることは、は財産隠しが疑われ免責が認められない恐れがあるのでしない方が良いでしょう。

自動車を手元に残して自己破産をしたい場合は、まず弁護士に相談して対応を検討するようにしましょう。

残せる可能があるかどうかはを決めるポイントは主に2つです。

1.ローンが残っているかどうか
所有している車のローン返済が残っていれば、車の所有権はローン会社にあるために自己破産後は債権者によって引き上げられます。

ただし、自己破産前に慌てて車のローンだけを完済するのもNGです。次で紹介しますが、ローンを完済すれば自動車の価値次第で手元に残すことは可能です。

自己破産は債権者平等の原則があるため、自動車ローンだけを完済すると偏波弁済(へんぱべんさい)と判断され、自己破産自体が認められない恐れがあることに注意しましょう。

2.価値が20万円以上あるかどうか
車のローンを完済している場合は、その車の価値によって処分対象かどうかが決まります。

車に20万円以上の価値があれば、没収され換価対象となります。しかし、先に挙げたとおり、車の評価額が20万円に満たなければ(※基準は裁判所によって異なる)処分の必要はなく、今まで通り使うことができるのです。
車の価値については、経過年数と市場価格の2つの考え方があります。

【自家用車の法定耐用年数】
自家用車にも法定耐用年数が定められています。この期間を経過した後の車は、たとえまだまだ使えても、法的には「価値がない」とみなされるもの。よって、「原則として処分不要」と判断する裁判所も少なくありません。

※ただし、輸入車や人気車は一定期間が経過していても査定が必要となります。

自家用車の法定耐用年数は、以下のとおりです。

普通自動車 初年度登録から6年
軽自動車 初年度登録から4年

初年度登録から何年経過しているか、ぜひ確認してみてください。

市場価格による考え方とは?
市場価格は、買い取り業者の査定を行い20万円を超えるかどうかをチェックします。査定結果が20万円以上になれば処分対象です。

他にも、親の介護などで車を持たなければ日常生活に支障が出るケースでは、車の所有が認められるケースがあります。ただ、通勤で必要などのケースは認められないことが多いです…。

また、自動車に20万円以上の価値があったとしても、自動車含めて財産が99万円以下であれば裁判所の判断で手元に残せる可能性があります。

ただし、原則としては【20万円以上の価値がある車は処分するものである】、ということは忘れてはいけません。

まずは弁護士に相談することをオススメします!

自己破産をすると、信用情報に事故情報が登録されるため、一定期間はローン審査に通ることが出来ません。

しかし、自己破産をしても手元には99万円以下の現金は残されます。つまり、この金額の範囲内であれば自動車を現金で購入することもできるのです。

自動車を購入する際には、その後の生活資金がきちんと確保できるかなどを考えた上で検討しましょう。

自己破産前に車を売る際にも注意が必要

自己破産は、手続きをするうえで一定の費用がかかります。自己破産後の生活を考え、先に車の売却を検討する方もいるかもしれません。

しかし、自動車は裁判所によって換価されて債権者の返済に充てられるものですから、自己破産前に自動車を売却すると問題視される場合があるのです。
自動車ローンが残っている場合
ローンの残った車は、ローン会社が所有権を有しています。それを無断で売却する、売却代金をローン返済に充てないということになれば、自己破産をしても異議を出される可能性があります。
自動車ローンを完済している場合

市場価値よりも安く売却すると、財産隠しと判断される恐れがあります。

自己破産前に車の売却を検討する際には、後々問題にならないためにも事前に弁護士に相談するようにしましょう。

クレジットカードを使えなくなる

自己破産すると、その情報が個人信用情報に登録されます。いわゆるブラックリストに登録されるため、クレジットカードが使えなくなります。

今まで使っていたクレジットカードは止められてしまいますし、会社を変えて別のカードを作ることも不可能です。主に現金で支払いをすることになります。

ただし、ブラックリストに事故情報が登録される期間にもルールがあり、自己破産の場合は「10年」です。情報が削除されれば、新たなカードを作り、使用できます。

カードを使用できなくなる期間は、あくまで一定期間のみです。10年という期間は長いですが、「生活立て直しのための期間」と割り切るのがおすすめです。

ローンを組めなくなる

ブラックリストに登録されることで、ローンを組むことも難しくなります。日常生活の中で影響を受けやすい場面は、以下のとおりです。

  • 住宅ローンを組む
  • カーローンを組む
  • スマートフォンを分割で支払う

金額の大きな買い物をする際には、ローンを組む方も多いでしょう。しかし自己破産をした場合、ブラックリストに登録されている10年間は、新たなローンを組むことが難しくなります。

大きな買い物も現金一括で支払う必要があり、非常に厳しい状態だと言えるでしょう。

ただし、ローン審査のポイントは、各社によって異なるもの。「絶対にローンが組めない」というわけではなく、「会社によってはローンを組める可能性もあるが、極めて難しい」と考えてください。

生命保険は一部解約される可能性がある

生命保険の中には、解約することで一部お金が戻ってくるものがあります。この解約返戻金が20万円を超える場合、解約して債権者への支払いに充てる必要があります。

一方で、以下のような保険を解約する必要はありません。

  • 解約返戻金がないタイプの生命保険(掛け捨て型)
  • 解約返戻金があっても、ごくわずかな生命保険

全てが解約されるわけではありませんので、まずは自身の契約状況を見直してみましょう。また具体的な判断は、裁判所が行います。

保険会社によっては、解約返戻金を担保にお金を貸してもらえる、契約者貸付制度を用意しているところもあります。お金を借り、解約返戻金を20万円以下にできれば、保険契約を守れる可能性も。詳細は専門家に相談の上で検討しましょう。

引っ越しはできる

破産法により、破産手続き中に居住地を離れる場合、裁判所の許可を得る必要があります。

これにより、「もう引っ越しできないのでは…」と不安に思う方もいるかもしれませんが、事前に裁判所の許可さえもらえば、引っ越しは可能。国内であれば、まず心配ありません。

海外の場合は判断が難しく、許可が出ない可能性も。この場合、自己破産手続きの完了を待って引っ越しましょう。

引っ越しに許可が必要なのは、手続き中のみで、手続きさえ終われば、不自由な思いをすることもありません。

引っ越しで賃貸住宅を新たに契約する場合、保証会社の利用にだけは注意しましょう。ブラックリストの影響で、審査が通らない可能性が高いです。保証会社なしで契約できる物件を選ぶようにしましょう。

「破産手続き中に居住地を離れる場合」には、旅行や出張も含まれます。

これらの場合も、破産手続き中は許可を取る必要があるものの、手続きが完了すれば制限はゼロに。「裁判所の許可が出ない」というケースもごく稀なので、心配し過ぎる必要はありません。

周囲の人に自己破産を知られる可能性がある

自己破産をした情報は、官報に記載されます。タイミングは、以下の2回です。

  • 破産手続き開始決定がされたとき
  • 免責許可決定がされたとき

掲載される情報は、以下のとおりです。

  • 自己破産した人の氏名
  • 住所
  • 手続の決定年月日
  • 手続を行った裁判所名

官報を見れば、自己破産した事実はすぐに知られてしまいますが、実際には、官報をチェックする一般の人はごく稀です。官報から周囲に知られるリスクは低いでしょう。

とはいえ、周囲に知られるリスクは相応にあります。以下のような状況で、周囲にバレてしまうケースが多いようです。

  • 財産の処分(家や車、保険など)
  • 連帯保証人に対する督促
  • 申し立て時に必要な書類の取得(給与明細や源泉徴収票、退職金計算書など)
  • 会社への通知(会社からもお金を借りていた倍)
  • 職業制限
  • 弁護士とのやり取りや裁判所からの通知
  • ローンやクレジットカードの審査落ち

特に一緒に暮らしている家族に対して、自己破産の事実を隠し通すのは難しいでしょう。

「周囲に知られたくない」と思う気持ちもわかりますが、そのためにできることには限りがあります。弁護士との打ち合わせを事前にしっかりと行い、慎重に行動しましょう。運が良ければ、周囲に知られずに自己破産できるかもしれません。

携帯電話やスマートフォンは問題なく使える

自己破産したからといって、携帯電話やスマートフォンの利用を制限されることはありません。仮に契約が解除された場合でも、新たに契約可能です。

ただし、先ほどもお伝えしたとおり、本体の分割購入は難しいでしょう。本体は一括で購入し、利用料金のみを支払うプランで契約してください。

自己破産するとどうなる?【仕事への影響】

さて次は、仕事への影響についてです。基本的には、自己破産によって、仕事に影響を受けることはありませんので、安心してください。

2つのポイントについて、さらに詳しく解説します。

多くの仕事はそのまま続けられる

自己破産を理由に従業員を解雇するのは、不当解雇です。仮に会社側に自己破産の事実を知られ、退職を迫られたとしても応じる必要はありません。

万が一、自己破産を理由に会社側とトラブルになってしまったときは、然るべき場所で相談しましょう。労務問題に強い弁護士に相談するのもおすすめです。

ただし、ごく一部、自己破産によって制限を受ける仕事もあります。この場合は、「業務につけないこと」を理由に、解雇される可能性もあるでしょう。

制限を受ける職業の例は、以下のとおりです。

  • 士業(弁護士や司法書士、税理士や会計士など)
  • 保険外交員
  • 警備員
  • 質屋・古物商
  • 建設業   など

ただし、これらの職業で制限を受けるのも、自己破産手続き中のみ。免責許可が下り、手続きが完了すれば制限も解除されます。仕事もスタートできるので、安心してください。

退職金の一部を請求される可能性がある

勤め先企業に退職金に関する規定があり、現時点で受け取れる金額の8分の1が20万円を超える場合、超えた分を支払う必要があります。

これは、退職金も自身の財産と認められるため。退職金についても、160万円を超えそうかどうか、事前に確認しておくと安心です。

退職金の一部を請求される可能性があるのは、このタイミングのみ。自己破産を終え、将来、実際に退職金を手にしたタイミングで取り上げられるようなことはありません。

自己破産するとどうなる?【収入への影響】

自己破産後の生活を成り立たせるために、重要なのが収入についてです。収入面には、いったいどのような影響があるのでしょうか。3つのポイントを解説します。

給料はそのまま受け取れる

自己破産後に受け取った給料は、ほとんどの場合で全額が自分のものとなります。使い道を制限されることもありません。

「借金返済がなければ、毎月の給料があれば十分に生活していける」という場合、自己破産したからといって、すぐに生活に困ることはないでしょう。

年金の受取額に影響はない

自己破産をしたからといって、年金を差し押さえられるようなこともありません。年金を受け取る権利は、差押えの禁止対象の一つだからです。

加入しているのが、国民年金でも厚生年金でも、今までどおりに受給できます。またもちろん、将来の受給ができなくなったり、減額されたりするようなこともありません。

生活保護の受給も可能

自己破産によって、生活保護の受給に影響が出ることもありません。生活保護を受給している期間の、自己破産も可能です。

自己破産後に生活が厳しくなってしまった場合も、生活保護を受けることができます。自身の状況から、適切に制度を活用しましょう。

忘れてはいけない自己破産の注意点4つ

ここまでの情報をもとに、「自己破産後にどうなるのかが不安だったが、思ったよりも影響は少なそう!」と感じた方も多いのではないでしょうか。

「自己破産=自由を奪われる」というイメージは行き過ぎですが、実際には、注意するべきポイントもあります。4つを紹介するので、参考にしてみてください。

保証人や連帯保証人に迷惑がかかる

自己破産をすれば、自身の借金は全て免責されます。債務者本人に請求できなくなった債権者は、保証人や連帯保証人に対する手続きをスタートするでしょう。

自己破産をしても、その効果が、保証人や連帯保証人にまで及ぶわけではありません。

たとえば、返済できなくなった借金の中に「奨学金」があれば、親や親せきを連帯保証人にしているケースが一般的です。そちらに迷惑をかけてしまいます。

保証人や連帯保証人も返済が難しい場合、同時に債務整理を検討する必要があるでしょう。

誰でも自己破産できるわけではない

自己破産できるのは、以下の条件を満たしている方のみです。

  • 借金を返済できない
  • 免責不許可事由に該当しない

「借金を返済する能力はあるが、したくない」という場合に、自己破産はできません。また、借金の理由によっても、自己破産できるかどうかが違ってきます。

ギャンブルや浪費でできた借金は、面積不許可自由に該当するので注意しましょう。自分が条件に当てはまるかどうかは、専門家に相談して検討するのがおすすめです。

手続き後7年間は自己破産できない

いったん自己破産の手続きを取ると、その後7年間は、自己破産できなくなります。

法律上は、7年以上経過していれば2度目の自己破産が可能となりますが、実際には、そう簡単ではありません。裁判所の判断も厳しくなりますから、何度も繰り返すことがないよう、生活をしっかりと立て直しましょう。

税金や罰金は免責対象ではない

自己破産で返済義務がなくなるのは、「借金」のみです。以下のような支払いについては、支払い義務がそのまま残るので注意してください。

  • 税金
  • 罰金
  • 社会保険料
  • 損害賠償
  • 養育費

税金や社会保険料を滞納している場合、まとまった金額になっていることも。自己破産をしたからといって、チャラになるわけではありません。

自己破産を検討するのであれば、手元のお金で「借金を返済する」よりも「滞納した税金を支払う」方が、その後の生活も立て直しやすくなるでしょう。

ちなみに、奨学金は借金の一種です。自己破産の免責対象であり、支払い義務はなくなります。

自己破産を検討するなら専門家に相談してみよう

借金問題の相談先といえば、司法書士や弁護士が一般的です。

債務整理の中でも、自己破産に的を絞って相談するなら、弁護士を選ぶのがおすすめ。代理人として、手続きの全てをサポートしてもらえます。

弁護士に相談してみれば、「自分自身が自己破産した場合に、どのような影響が出るのか?」について、より詳しくアドバイスしてもらえます。

  • そもそも自己破産できるのか
  • 自己破産以外に、より良い方法はないか
  • 自己破産を進める上での注意点

これらの点を明らかにして、安心して手続きを進めていきましょう。

自己破産は、今目の前の借金を同仕様もできず困っている人を助けるための制度です。

自己破産をしてもなお、借金で苦しんでいたときのような辛い生活が待っていたり、お金が無くて生活できなくなるようなことはありません。まずは落ち着いて、自身の状況を見つめ直してみてください。

「自己破産したらどうなるのか」をしっかりと知ることで、不安は軽減されると思います。ご自身にとってより良い解決策を探っていきましょう。

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