自己破産すると車や家はどうなる?自己破産後の生活や仕事への影響は何年くらい?・生活保護はなどを確認!
借金が辛いと思っている方にとって、「借金がなくなる」「借金チャラ」「借金がゼロに!」という内容はとても気になると思います。今悩んでいる借金がなくなるなんてメリットしかない!人生やり直せる!と思いますよね。
借金がなくなる手続きとして、「破産」「自己破産」というキーワードを頭に思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
法的に借金減額に向けて手続きする「債務整理」の一つである自己破産は、確かに、借金を全てなくせる可能性があります。しかし、自己破産をしたいと思っても誰でもできるものではないですし、それなりの影響が何年間の間は出てしまうというデメリットがあります。
「自己破産したら人生もう終わり…」と感じる人もいるかもしれませんね。しかし借金が返せそうにないなら、「借金がゼロになる」可能性もあるので、この記事でデメリットやリスクをチェックし利用を検討することをおすすめします。
それはなぜか?その理由の一つには、信用情報機関に、金融事故の情報として登録されてしまう、いわゆるブラック状態になるということが挙げられます。
家や車、家族や仕事にもその影響は及ぶため、「実際に自己破産をするとどうなるのか?」について知っておかないと、借金はなくなったけれど後悔をしてしまう可能性があるのです。
- 借金がゼロになる代わりに、財産もゼロになってしまうのか?
- 戸籍に自己破産をしたという事実が記載されてしまうのか?
- 莫大な費用がかかってしまわないか?
- 何年くらい制限を受けた生活を送らないと行けないのか?
間違った認識を持ったままではなく、自己破産をするとその後どうなるのか?についてを確認してから、納得の上で自己破産の手続きに踏み出しましょう。
また、あなたの借金はもしかすると、自己破産ではなく他の方法の方が向いている可能性があります。専門家に相談して、適切なアドバイスを貰って冷静な判断を心掛けましょう。
この記事では、その後の生活への影響や変化についてわかりやすく解説していきます。「自己破産しなければよかった」とならないためにも、手続き前にぜひ参考にしてみてください。
まずは、自己破産の手続きに踏み出す前に、自分の借金が借金減額ができるか?減額できる目安額は?どういった方法が最適な減額方法なのか?についてを確認してみてください。
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自己破産とは?借金の支払い義務を免れるための手続きで、借金をゼロにできる可能性がある
自己破産とは、借金を整理するための債務整理の手続きの一つです。借金救済制度ともいわれています。
借金救済制度については詳しい記事があるので、コチラも参考にしてみてくださいね。
借金をゼロにできる自己破産は、借金地獄などの借金問題を解決する効果が非常に高い債務整理の方法と言えるでしょう。
非常に魅力的な制度ですが、自己破産をすると様々な影響があるのも事実です。「自分にとっては、自己破産のメリットと自己破産のデメリットのどちらが大きいのか?」を検討し、判断しましょう。
「自己破産=大変なこと」というイメージも先行する中、「自己破産するとどうなるかがわからず、決断できていない」という方が多いのも事実です。
しかし、自己破産が認められるためには、一定の条件をクリアする必要があります。またメリットが大きい分自己破産後の影響も大変気になるところです。自己破産はデメリットも大きくなります。
自己破産できる人の条件は主に3つ!
まずは「自己破産できる人」の条件について見ていきましょう。自己破産して借金をチャラにするためには、主に以下の3つの条件をクリアする必要があります。
- 支払不能と認められること(収入がない、借金が多すぎるなど)
- 過去7年以内に、自己破産で免責を受けていないこと
- 免責不許可事由に当てはまらないこと
実は自己破産は、破産手続きと免責手続きの2つで構成されています。
破産とは、債務者が有している財産をお金に変えて、それを各債権者に弁済すること。破産だけでは、当然債務を返済しきれないケースも多いでしょう。
そこで必要になるのが、もう一つの免責手続です。免責が認められて、初めて残りの借金の返済義務から解放されます。
そこで注目したいのが、免責不許可事由についてです。以下のケースに当てはまる場合、借金をゼロにできる可能性は低くなってしまいます。
- 債権者の財産を不当に少なくする
- 闇金からお金を借りたり、クレジットカード枠の現金化を行う
- 特定の債権者だけに有利になるよう返済する
- 借金の原因が浪費やギャンブルである
- 破産することがわかっていながら、お金を借りる
- 財産の処分を避けるため、財産隠しや帳簿隠しを行う
- 嘘の書類を提出したり、嘘の証言をしたりする
- 破産手続きを妨害する
ただし、免責不許可事由に当てはまる場合でも、裁判官の判断により裁量免責が認められる可能性もあり、必ずしも自己破産できないわけではありません。
自己破産のデメリットとは?
条件さえクリアできていれば、非常に魅力的な自己破産。しかし、実際には自己破産のデメリットは多く大きいため、慎重に判断してください。
自己破産の主なデメリットは、以下のとおりです。
- 信用情報機関に事故情報が登録される(ブラックリスト)
- 生活必需品等を除いて、すべての財産が処分される
- 官報で自己破産の事実が公告される
- 破産手続き中に職業制限を受ける可能性がある(弁護士や税理士等)
- 破産手続き中の転居が自由にできなくなる
- 破産手続き中の郵便物が、破産管財人にチェックされる
中でも影響が大きいのは、ブラックリストと財産の処分でしょう。ブラックリストに登録されると、その後数年間、新たなローンを組んだり、クレジットカードの使用・発行ができなくなります。
また、手元に残せる財産は、生活必需品や99万円以下の現金のみ。ただし、裁判所の判断によっては、処分見込み価格が20万円以下の自動車等も残せる可能性があります。
財産の処分対象となるのは【破産申立者本人名義】の資産のみ
自己破産は今ある借金がゼロになるだけ、というイメージがあるかもしれませんが、実際はまったく借金返済しなくて良いわけではありません。
破産手続きでは、債務者(破産申立者)が所有している一定以上の価値がある資産を換価処分して、それを債権者に公平に分配することで出来る限りの返済を行います。
しかし、処分対象となるのは【破産申立者本人名義】の資産のみ!なので、自己破産をしても、普段から乗っている自動車が第三者名義のものであれば、処分対象とはなりません。
自己破産は、あくまでも申し立てをした本人のみに対する手続きです。ですから、家族名義の資産が差し押さえられることはないので安心してください。
- 注意!自己破産前に名義変更をするのは危険!自己破産ができなくなってしまうリスクがある
-
自分名義の自動車でなければ処分される心配はない、とお伝えしましたが、自己破産前に家族などの第三者に名義を変更することは、財産隠しだと判断されるために絶対に行ってはいけません。
財産隠しと判断されれば、免責不許可事由に該当することになります。
自己破産をすれば、必ず借金がゼロになるわけではありません。免責許可が下りて初めて借金返済が免除されるわけですが、免責が下りなければ自己破産をしても借金がゼロにならず、返済し続けることになります。
悪質だと判断されれば、詐欺罪に該当するケースもあります。
車を例に挙げましたが、自己破産するとどうなるのか、車や家といった財産・生活・仕事・収入のそれぞれへの影響をさらに詳しく見ていきましょう。
自己破産するとどうなる?【生活への影響】
自己破産を検討する場合に、もっとも気になるのがその後の生活についてです。自分や家族の生活には、いったいどのような影響が出るのでしょうか。
頭に入れておきたい7つのポイントを紹介します。
一定額以上の財産を没収される
自己破産をする際のデメリットとして、注目されやすいのが「財産の没収」です。借金がチャラになっても、全てを失ってしまえば意味がない…と思ってしまいがちです。
とはいえ実際には、自己破産をしても全ての財産を処分されるわけではありません。手元に残せる財産の条件は、以下のとおりです。
- 99万円以下の現金
- 1点あたりの評価額が20万円以下の財産(※裁判所によって基準が異なる)
自己破産をしたからといって、預金の全てを失うわけではありませんし、家財道具一式を取られるわけでもありません。
ただ、残念ながら土地やマイホームを守るのは難しいでしょう。もしどうしても持ち家を守りたいのであれば、任意整理や個人再生といった別の債務整理を検討する必要があります。
車が没収されるかどうかを決めるポイント2つ
自己破産をすれば、必ず自動車が処分されるわけではありません。手元に車を残し今まで通り使用することが出来る可能性があります。
自分名義の車だけが対象となるため、自己破産前に名義変更したり、自動車売却をすることは、は財産隠しが疑われ免責が認められない恐れがあるのでしない方が良いでしょう。
残せる可能があるかどうかはを決めるポイントは主に2つです。
- 1.ローンが残っているかどうか
-
所有している車のローン返済が残っていれば、車の所有権はローン会社にあるために自己破産後は債権者によって引き上げられます。
ただし、自己破産前に慌てて車のローンだけを完済するのもNGです。次で紹介しますが、ローンを完済すれば自動車の価値次第で手元に残すことは可能です。
自己破産は債権者平等の原則があるため、自動車ローンだけを完済すると偏波弁済(へんぱべんさい)と判断され、自己破産自体が認められない恐れがあることに注意しましょう。
- 2.価値が20万円以上あるかどうか
-
車のローンを完済している場合は、その車の価値によって処分対象かどうかが決まります。
車に20万円以上の価値があれば、没収され換価対象となります。しかし、先に挙げたとおり、車の評価額が20万円に満たなければ(※基準は裁判所によって異なる)処分の必要はなく、今まで通り使うことができるのです。
車の価値については、経過年数と市場価格の2つの考え方があります。
【自家用車の法定耐用年数】
自家用車にも法定耐用年数が定められています。この期間を経過した後の車は、たとえまだまだ使えても、法的には「価値がない」とみなされるもの。よって、「原則として処分不要」と判断する裁判所も少なくありません。
※ただし、輸入車や人気車は一定期間が経過していても査定が必要となります。
自家用車の法定耐用年数は、以下のとおりです。
普通自動車 | 初年度登録から6年 |
---|---|
軽自動車 | 初年度登録から4年 |
初年度登録から何年経過しているか、ぜひ確認してみてください。
市場価格による考え方とは?
市場価格は、買い取り業者の査定を行い20万円を超えるかどうかをチェックします。査定結果が20万円以上になれば処分対象です。
他にも、親の介護などで車を持たなければ日常生活に支障が出るケースでは、車の所有が認められるケースがあります。ただ、通勤で必要などのケースは認められないことが多いです…。
また、自動車に20万円以上の価値があったとしても、自動車含めて財産が99万円以下であれば裁判所の判断で手元に残せる可能性があります。
ただし、原則としては【20万円以上の価値がある車は処分するものである】、ということは忘れてはいけません。
まずは弁護士に相談することをオススメします!
自己破産をすると、信用情報に事故情報が登録されるため、一定期間はローン審査に通ることが出来ません。
しかし、自己破産をしても手元には99万円以下の現金は残されます。つまり、この金額の範囲内であれば自動車を現金で購入することもできるのです。
自己破産前に車を売る際にも注意が必要
自己破産は、手続きをするうえで一定の費用がかかります。自己破産後の生活を考え、先に車を売ってしまおうと思う方もいるかもしれません。
- 自動車ローンが残っている場合
- ローンの残った車は、ローン会社が所有権を有しています。それを無断で売却する、売却代金をローン返済に充てないということになれば、自己破産をしても異議を出される可能性があります。
- 自動車ローンを完済している場合
- ローンを完済してる車は、売却が可能ですが、市場価値よりも安く売却することは禁じられています。安く売ると財産隠しと判断され免責不許可になる恐れがあるので、必ず時価がそれ以上の価格で売却する必要があります。
クレジットカードが使えなくなる
自己破産すると、その情報が個人信用情報に登録されます。いわゆるブラックリストに登録されるため、クレジットカードが使えなくなります。
主に現金で支払いをすることになり、自分の収入の範囲内で節約しながら生活していくことになるでしょう。カードにおいては、クレジット機能のないデビットカードやプリペイドカードなら使えますし、家族名義のカードも使うことはできます。
特に、プリペイドカードは前払い形式なので、ポイント還元率高いクレジットカードのように使いすぎるリスクが減り、計画的に使えるでしょう。
ブラックリストに事故情報が登録される期間にもルールがあり、自己破産の場合は「10年」です。情報が削除されれば、新たなカードを作り、使用できます。
10年後にクレジットカードを作成する場合は、信用情報機関に開示請求して、情報が削除されているか確認してからにしましょう。
ローンを組めなくなる
ブラックリストに登録されることで、ローンを組むことも難しくなります。日常生活の中で影響を受けやすい場面は、以下のとおりです。
- 住宅ローンを組む
- カーローンを組む
- スマートフォンを分割で支払う
金額の大きな買い物をする際には、ローンを組む方も多いでしょう。しかし自己破産をした場合、ブラックリストに登録されている10年間は、新たなローンを組むことが難しくなります。
大きな買い物も現金一括で支払う必要があり、非常に厳しい状態だと言えるでしょう。
携帯電話やスマートフォンの機種代の分割払いもローンの一種なので、審査に落とされてしまいます。携帯やスマホの契約ができなくなるわけではなく、分割払いができなくなるだけです。
これまでに料金を滞納したことがある場合は携帯ブラックになっていて審査に通りにくい場合もありますが、未払いがない場合は、ブラックリストに登録されていても一括払いなら機種を問題なく購入できます。
生命保険は一部解約される可能性がある
生命保険の中には、解約することで一部お金が戻ってくるものがあります。この解約返戻金が20万円を超える場合、解約して債権者への支払いに充てる必要があります。
一方で、以下のような保険を解約する必要はありません。
- 解約返戻金がないタイプの生命保険(掛け捨て型)
- 解約返戻金があっても、ごくわずかな生命保険
全てが解約されるわけではありませんので、まずは自身の契約状況を見直してみましょう。また具体的な判断は、裁判所が行います。
引っ越しはできる
破産法により、破産手続き中に居住地を離れる場合、裁判所の許可を得る必要があります。
これにより、「もう引っ越しできないのでは…」と不安に思う方もいるかもしれませんが、事前に裁判所の許可さえもらえば、引っ越しは可能。国内であれば、まず心配ありません。
海外の場合は判断が難しく、許可が出ない可能性も。この場合、自己破産手続きの完了を待って引っ越しましょう。
引っ越しに許可が必要なのは、手続き中のみで、手続きさえ終われば、不自由な思いをすることもありません。
引っ越しで賃貸住宅を新たに契約する場合、保証会社の利用にだけは注意しましょう。ブラックリストの影響で、審査が通らない可能性が高いです。保証会社なしで契約できる物件を選ぶようにしましょう。
これらの場合も、破産手続き中は許可を取る必要があるものの、手続きが完了すれば制限はゼロに。「裁判所の許可が出ない」というケースもごく稀なので、心配し過ぎる必要はありません。
周囲の人に自己破産を知られる可能性がある
自己破産をした情報は、官報に記載されます。タイミングは、以下の2回です。
- 破産手続き開始決定がされたとき
- 免責許可決定がされたとき
掲載される情報は、以下のとおりです。
- 自己破産した人の氏名
- 住所
- 手続の決定年月日
- 手続を行った裁判所名
官報は国が発行している機関紙ですが、一般の人で官報をチェックする人はごく稀です。
とはいえ、周囲に知られるリスクは相応にあります。以下のような状況で、周囲にバレてしまうケースが多いようです。
- 財産の処分(家や車、保険など)
- 連帯保証人に対する督促
- 申し立て時に必要な書類の取得(給与明細や源泉徴収票、退職金計算書など)
- 会社への通知(会社からもお金を借りていた場合)
- 職業制限
- 弁護士とのやり取りや裁判所からの通知
- ローンやクレジットカードの審査落ち
特に一緒に暮らしている家族に対して、自己破産の事実を隠し通すのは難しいでしょう。
また、以前は自己破産した人の名前や住所が地図上でわかる「破産者マップ」というものが存在していましたが、現在では廃止されています。類似サイトも出現したことがありますが、今ではすべてなくなっているので、安心してください。
携帯電話やスマートフォンは問題なく使える
自己破産したからといって、携帯電話やスマートフォンの利用を制限されることはありません。仮に契約が解除された場合でも、新たに契約可能です。
ただし、先ほどもお伝えしたとおり、本体の分割購入は難しいでしょう。本体は一括で購入し、利用料金のみを支払うプランで契約してください。
自己破産するとどうなる?【仕事への影響】
さて次は、仕事への影響についてです。基本的には、自己破産によって、仕事に影響を受けることはありませんので、安心してください。
2つのポイントについて、さらに詳しく解説します。
多くの仕事はそのまま続けられる
自己破産を理由に従業員を解雇するのは、不当解雇です。仮に会社側に自己破産の事実を知られ、退職を迫られたとしても応じる必要はありません。
万が一、自己破産を理由に会社側とトラブルになってしまったときは、然るべき場所で相談しましょう。労務問題に強い弁護士に相談するのもおすすめです。
ただし、ごく一部、自己破産によって制限を受ける仕事もあります。この場合は、「業務につけないこと」を理由に、解雇される可能性もあるでしょう。
制限を受ける職業の例は、以下のとおりです。
- 士業(弁護士や司法書士、税理士や会計士など)
- 保険外交員
- 警備員
- 質屋・古物商
- 建設業 など
ただし、これらの職業で制限を受けるのも、自己破産手続き中のみ。免責許可が下り、手続きが完了すれば制限も解除されます。仕事もスタートできるので、安心してください。
退職金の一部を請求される可能性がある
勤め先企業に退職金に関する規定があり、現時点で受け取れる金額の8分の1が20万円を超える場合、超えた分を支払う必要があります。
これは、退職金も自身の財産と認められるため。退職金についても、160万円を超えそうかどうか、事前に確認しておくと安心です。
自己破産するとどうなる?【収入への影響】
自己破産後の生活を成り立たせるために、重要なのが収入についてです。収入面には、いったいどのような影響があるのでしょうか。3つのポイントを解説します。
給料はそのまま受け取れる
自己破産すると収入も根こそぎ持っていかれるのでは?と不安に思いますが、破産手続き開始後の収入は処分の対象外です。
自己破産後に受け取った給料全額が自分のものとなり、使い道を制限されることもありません。新たに起業することもでき、成功して大きな財産を手に入れたとしても、返済する必要はありません。
「借金返済がなければ、毎月の給料があれば十分に生活していける」という場合、自己破産したからといって、すぐに生活に困ることはないでしょう。
年金の受取額に影響はない
自己破産をしたからといって、年金を差し押さえられるようなこともありません。年金を受け取る権利は、差押えの禁止対象の一つだからです。
加入しているのが、国民年金でも厚生年金でも、今までどおりに受給できます。またもちろん、将来の受給ができなくなったり、減額されたりするようなこともありません。
生活保護の受給も可能!自己破産したら生活保護が受給できない訳では無い
現在の状況によっては、「自己破産と生活保護、どちらかだけでは生活が立て直せない」というケースもあるでしょう。この場合、両方の手続きを検討する必要があります。
この場合に気になるのが、「自己破産したら生活保護が受給できない」という噂です。しかし実際には、自己破産しても生活保護は受給できますから、安心してください。
自己破産をしても生活保護の認定に影響することはありませんし、生活保護を受給しながら自己破産することもできます。
自己破産は支払い能力がないことが利用条件のひとつなので、生活保護を受給している方が債務整理する場合は自己破産が最も適した方法であるといえます。
むしろ生活保護受給者であれば、「自己破産費用が免除される」というメリットがあります。
自己破産するためには、以下のような費用がかかります。
- 裁判所に支払う予納金(1万5,000円から50万円程度)
- 弁護士や司法書士に支払う報酬(20万円から50万円程度)
この内、生活保護受給者が免除されるのは、「弁護士や司法書士に支払う報酬」です。法テラスの立て替え制度(民事法律扶助制度)を利用できるため、本人の費用負担はゼロになります。
生活保護を受けていない場合は、その後返還するよう求められますが、破産手続き中及び手続き後に生活保護を受けていれば、予納金の返還が免除される仕組みになっています。
債務整理したときは生活保護を受けておらず、自己破産後に生活が厳しくなってしまった場合でも生活保護は受けられます。自身の状況から、適切に制度を活用しましょう。
自己破産と生活保護のタイミングは?パターン別紹介
何らかの事情で収入が途絶え、借金が返せないとなった場合、自己破産と生活保護の両方が、同時に必要になることもあるでしょう。
この場合に気になるのが、「どっちが先になるのか?」という点です。両者のタイミングについて、3つのパターン別に紹介します。
1.自己破産→生活保護
収入が途絶え、借金返済に困った場合に、まず自己破産の手続きに着手するパターンです。自己破産と生活保護のタイミングは、自分の自由に決めてOKですが、もっとも一般的と言われるのが、こちらのパターンです。
自己破産によって、何か収入が生まれるわけではありませんから、その後の生活保護の申請に問題が生じることもないでしょう。
生活を立て直すため、破産手続きが開始されたら、できるだけ早く生活保護受給のための手続きを進めていきましょう。
2.生活保護→自己破産
こちらは、生活保護を受給してから、自己破産手続きを進めていくパターンです。こちらも特に問題はありません。
先に生活保護を受給していれば、自己破産に必要な費用負担を軽減できる可能性が高いですが、自己破産→生活保護の場合、その恩恵は受けられません。弁護士や司法書士に相談しながら、手続きを進めていくのがおすすめです。
3.生活保護と自己破産を同時に
生活保護と自己破産は、もちろん同時に手続きを進めていくことも可能です。生活保護については福祉事務所の窓口に、自己破産については弁護士や司法書士に相談しましょう。
自己破産にかかる期間は、約3ヶ月から6ヶ月ほど。一方で、生活保護の場合は申請から約2週間ほどで手続きが完了します。
結局のところ、「生活保護→自己破産」と同じ流れで手続きを進めていくことになるでしょう。
自己破産と生活保護…気になるデメリットと注意点
自己破産と生活保護には、特別な関連性はありません。つまり、両方の制度を利用したところで、大きなデメリットは発生しないのです。
自身の状況に合わせて、もっとも良い選択をしましょう。
ただし、いくらお金ないという状況下であっても、生活保護費で借金の返済ができない点にだけは注意してください。先ほどもお伝えしたとおり、生活保護費を借金の返済に充てることはできません。
つまり、借金を抱えて生活保護を受給した場合、できるだけ早く自己破産の手続きを進めていく必要があるでしょう。
生活保護の受給を隠したまま、新たな借り入れを行うことはできませんし、生活保護を受給しているからといって、借金の督促が免除されるわけでもありません。
自己破産の手続きが遅れ、生活保護費で借金の返済をしてしまうと、
- 受給が打ち切られる
- 悪質なケースでは「徴収金」として扱われ、免責されない
- 刑事罰が科せられる恐れがある
などの可能性もあるので、十分に注意してください。
自己破産と生活保護は弁護士・司法書士に相談してみよう!
自己破産と生活保護について悩んだときには、まず弁護士や司法書士など、借金の専門家に相談してみるのがおすすめです。
すでに生活保護を受給している場合はもちろん、これから先の受給を考えている場合でも、状況を踏まえた上でアドバイスをもらえます。
このあたりについても、一度相談してみると、専門家視点でのアドバイスをもらえるはずです。
忘れてはいけない自己破産の注意点4つ
ここまでの情報をもとに、「自己破産後にどうなるのかが不安だったが、思ったよりも影響は少なそう!」と感じた方も多いのではないでしょうか。
「自己破産=自由を奪われる」というイメージは行き過ぎですが、実際には、注意するべきポイントもあります。4つを紹介するので、参考にしてみてください。
保証人や連帯保証人に迷惑がかかる
自己破産をすれば、自身の借金は全て免責されます。債務者本人に請求できなくなった債権者は、保証人や連帯保証人に対する手続きをスタートするでしょう。
自己破産をしても、その効果が、保証人や連帯保証人にまで及ぶわけではありません。
たとえば、返済できなくなった借金の中に「奨学金」があれば、親や親せきを連帯保証人にしているケースが一般的です。そちらに迷惑をかけてしまいます。
保証人や連帯保証人も返済が難しい場合、同時に債務整理を検討する必要があるでしょう。
奨学金に関しては、月額を減らしたり返還期限を延ばしたりする制度もあるので検討してみてください。
日本学生支援機構 返還が難しくなったら
誰でも自己破産できるわけではない
自己破産できるのは、以下の条件を満たしている方のみです。
- 借金を返済できない
- 免責不許可事由に該当しない
「借金を返済する能力はあるが、したくない」という場合に、自己破産はできません。また、借金の理由によっても、自己破産できるかどうかが違ってきます。
ギャンブルで借金したり、浪費でできた借金は、面積不許可自由に該当するので注意しましょう。自分が条件に当てはまるかどうかは、司法書士や弁護士といった専門家に相談して検討するのがおすすめです。
自己破産以外の債務整理(任意整理や個人再生)で借金を整理できる可能性などを確認することができます。
手続き後7年間は自己破産できない
自己破産後に再び借金を抱えてしまうケースもあります。しかし、いったん自己破産の手続きを取ると、その後7年間は自己破産ができないという決まりがあります。
法律上は、7年以上経過していれば2度目の自己破産が可能となりますが、実際には、そう簡単ではありません。
税金や罰金は免責対象ではない
自己破産で返済義務がなくなるのは、「借金」のみです。以下のような支払いについては、支払い義務がそのまま残るので注意してください。
- 税金
- 罰金
- 社会保険料
- 損害賠償
- 養育費
税金や社会保険料を滞納している場合、まとまった金額になっていることも。自己破産をしたからといって、チャラになるわけではありません。
自己破産を検討するのであれば、手元のお金で「借金を返済する」よりも「滞納した税金を支払う」方が、その後の生活も立て直しやすくなるでしょう。
自己破産に強い弁護士事務所3選
債務整理は、借金問題に強い専門家に依頼するのが一番です。借金問題の相談先といえば、司法書士や弁護士が一般的です。
債務整理の中でも、自己破産に的を絞って相談するなら、弁護士を選ぶのがおすすめ。代理人として、手続きの全てをサポートしてもらえます。
弁護士であれば、代理で全てお任せできますし、生活保護と自己破産といった内容についても、的確なアドバイスとサポートを受けられるでしょう。
「自分自身が自己破産した場合に、どのような影響が出るのか?」について、より詳しくアドバイスしてもらえます。
- そもそも自己破産できるのか?
- 自己破産以外に、自分の借金を減らすための方法はないか?
- 自己破産を進める上での注意点
これらの点を明らかにして、安心して手続きを進めていきましょう。おすすめの事務所は以下の3つです。
弁護士法人 響
債務整理や過払い金返還請求に関する相談実績は、過去に23万件以上。圧倒的な解決力で、安心してお任せできます。
相談料は何度でも無料で、初期費用も0円です。電話やメールでの無料診断は、全国から受け付けています。
天音総合法律事務所
債務整理を得意とする法律事務所で、借金問題は何度でも無料相談可能です。問い合わせ相談実績は、17万件以上あります。
対応エリアは日本全国で、フリーダイヤルからの無料相談にも対応しています。オンライン面談にも対応しており、いつでも自宅から、安心できる環境で相談可能です。
サンク総合法律事務所
サンク総合法律事務所は、365日24時間対応で、全国各地からの相談を受け付けている弁護士事務所です。
相談実績は1ヶ月当たり600件以上と、実績も豊富。アットホームな雰囲気で、相談しやすい点も魅力です。
- 相談料0円
- 初期費用0円
- 報酬の分割払い対応
金銭面で不安があっても、相談しやすい弁護士事務所です。
自己破産は減額のインパクトが大きい分、デメリットや影響も大きい!専門家に相談が鍵
返済しきれない借金を抱えてしまったとき、収入が途絶え、来月の生活費の見通しが立たないとき…。絶望感を抱えてしまう方は多いのではないでしょうか。
しかし、借金問題も貧困問題も、解決できる道は必ずあります。自己破産は、今目の前の借金をどうしようもできず困っている人を助けるための制度です。
誤解も多く、自己破産をすると大きなデメリットばかりしかないというイメージが強いですが、デメリット以上に借金がなくなるというメリットの方が大きいと感じる方もいるはずです。
自己破産しても生活保護は受給できますし、生活保護を受給している人が自己破産することも可能。また、両方の手続きを同時に進めていくことも可能なのです。
「まず何からスタートするべきかわからない…」という場合には、ぜひ弁護士や司法書士に相談してみてください。自己破産のリスクを踏まえた腕、あたたに合った的確なアドバイスをしてもらえるでしょう。
自己破産をしてもなお、借金で苦しんでいたときのような辛い生活が待っていたり、お金がなくて生活できなくなるようなことはありません。まずは落ち着いて、自身の状況を見つめ直してみてください。そして自己破産をしたことによるデメリットと比べてみてください。
「自己破産したらどうなるのか」「自己破産のデメリットが自分にとってどうなのか?」具体的な内容を正しく知ることで、不安は軽減されるはずです。ご自身にとってより良い解決策を探っていきましょう。
ただ、自分の借金整理は「自己破産しかない」と思い込みで動くのは危険です。自己破産よりも任意整理や個人再生で借金を減らし、残りを返済していく方が向いているという方もいらっしゃると思います。
専門家に相談の上、どういった債務整理の方法が自分の借金整理に合っているのか、どの方法でいくらくらい借金減額ができるのかの目安を調べてから方法を決定しても遅くはないのではないでしょうか。