クレジットカードの紛失保険と盗難保険について徹底解説
「財布を開けて見てみたら、あるはずのカードがない」そんな事態を想像したら、すごく怖いですよね。どこかに落としてしまったのか、置き忘れてしまったのか、もしかすると盗まれた可能性もと、焦ってしまいます。
しかし、もしクレジットカードが失くなっていたとしても、慌てなくても大丈夫。クレジットカードには紛失保険・盗難保険が自動的に付帯していて、カード被害を補償してくれますよ。
今回は、そんな安心できるクレジットカードの紛失保険と盗難保険について、詳しく解説していきますね。
紛失保険・盗難保険とは?万が一に備えられた救いの手
クレジットカードの紛失保険・盗難保険とは、どちらも第三者にカード乗っ取りをされたり、不正利用されたりした際、被害額をカード会社が負担してくれる保険のことです。
紛失保険・盗難保険は、健康保険や医療保険などのように、月々お金を払うものではありません。
クレジットカードが発行されたら、すべてのカードに自動付帯されるのです。
そのため、今あなたが所有しているクレジットカードにも必ず紛失保険・盗難保険がどちらも付帯していますよ。
紛失・盗難保険の補償は、被害額すべてが対象
紛失保険・盗難保険は、すべてのクレジットカードについているので補償額が少ないと不安になる方もいるでしょう。しかしその心配はいりません。
紛失・盗難保険の補償額は、不正利用されたと認められた全額が対象だからです。
不正利用による最大被害額は、利用しているクレジットカードの利用限度額ですよね。つまり、利用限度額が100万円のカードを持っているなら、紛失・盗難保険の最大補償額も100万円ということ。
次の章では、どのような手続きをすれば紛失保険・盗難保険の補償を受けられるのか解説します。
紛失保険・盗難保険の手続きは簡単にできる
現代ではクレジットカードは、財布の代わりと言っても良いでしょう。そんなクレジットカードが他人の手に渡り不正利用されてしまうと、本当に「どうしよう!」と悩んでしまいますよね。
補償を受けるための手続きを解説していくので、見ていきましょう。
紛失保険・盗難保険の補償を適用するには手続きが必要
紛失保険と盗難保険は、2種類の保険があるのではなく保険の内容は同じものです。
- 紛失保険:カードを無くした時に不正利用された被害を補償
- 盗難保険:カードが盗まれて不正利用された被害を補償
- どちらの保険も補償内容は同じ
- 保険の補償を適用させるには手続きが必要
紛失保険・盗難保険は自動付帯されるので、特別な手続きは不要。ただし、保険の補償を適用させるには手続きが必要となります。
次の手順で、紛失保険・盗難保険の手続きをしていきましょう。
- 手順1:クレジットカード会社に連絡を入れる
- 手順2:警察に紛失届を提出する
- 手順3:カード会社に「届出番号」を伝える
- 手順4:カード会社から届く発行書類の対応をする
それぞれの詳細を説明していきますね。
手順1:必ず最初にクレジットカード会社に連絡をしよう
クレジットカードが無いことに気づいたら、必ず最初にカード会社に連絡をしましょう。全てのカード会社に緊急連絡先が用意されており、365日24時間受付可能なので時間を気にすることなく連絡できます。
慌てずきちんと情報を伝えることが大切なので、落ち着いてオペレーターに状況を伝えましょう。カード会社にカードが無くなったことを伝えると、クレジットカードの利用をストップして、不正利用があったかどうかも教えてくれます。
- カードが無くなったら、必ず最初にカード会社に連絡する
- 365日24時間受付してくれるので、いつでも連絡はOK
- クレジットカード利用を停止し、不正利用を防いでくれる
連絡したら本人確認が必要です。次の情報を聞かれますので、慌てずに落ち着いて答えましょう。
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
※カード発行時に登録した番号
カード番号を聞かれることはないので、ご安心ください。
手順2:なるべく早めに警察に「紛失届」を提出する
カード会社に連絡をしたら、なるべく早めに警察にも届けを出しましょう。紛失した場所の所轄警察に行く必要はないので、自宅付近の行きやすい警察に行くのがおすすめ。
警察に届け出ると「届出番号」が発行されますので、番号を大切に控えておいてください。
警察署に紛失届を提出する場合、次の情報が必要となります。
- 氏名
- 年齢
- 住所
- 電話番号
※固定電話でも携帯電話でもOK - 紛失の日時
- 紛失の場所
※予想できる範囲で地図を書く場合も - 紛失時の状況
- ほかにも一緒に紛失したものはないか
紛失した場所や日時が正確に分からなくても、届出は受理されるので心配しなくても大丈夫ですよ。また、海外の場合は国や地域によって警察の対応も異なりますので、最初にカード会社に連絡した時にどうすれば良いか相談しておきましょう。
手順3:再度カード会社に連絡して、警察に届けた事実を証明する
次に、警察で教えてもらった「届出番号」を、カード会社に伝える必要があります。紛失保険・盗難保険を適用させる際の条件なので、警察に届けた事実を証明する為にも連絡を入れましょう。
補償を受けるためには、「紛失・盗難が発覚した時」「届出番号が発行された時」の2回カード会社に連絡入れる必要があるので注意が必要です
電話口で伝えるだけなので、数分で終わります。面倒くさがらず、きちんとカード会社に「届出番号」を伝えましょう。
手順4:カード会社から届く新規カードの発行書類を返送
手順3まで終わると、約1週間前後で再発行手続きの書類が届きます。届いた書類に、必要事項を不備なく記載して返送。さらに1週間ほどで、新しいカードが届くでしょう。
新しいカードが届くまでの約2週間は、カード利用が出来ないので要注意です。別のカードを代用するか、現金のみで過ごす必要があります。
どうしてもクレジットカードが必要で、代用のカードを持っていないという場合は、即日発行できるカードを検討してみましょう。
不正利用の精査が終われば、不正理由分の請求は取り消され、すでに支払ってしまった金額分は返金されます。
カードが無いことを不正利用後の利用明細で気付いたときの対処法
ここまでの説明はクレジットカードが不正利用される前に、自分でカードが無いことを気づいた場合の手順でした。しかし、クレジットカードが無くなったことに気づかず、利用明細を見て始めてカードが無いことに気づく場合もありますよね。
また、カードは手元にあるのに知らないショップで、利用限度額まで不正利用されているケースもあるでしょう。
そんな状況でも紛失保険・盗難保険は適用されるので、慌てなくても大丈夫ですよ。
紛失保険・盗難保険の適用期間は60日
クレジットカードの紛失に気づいてカード会社に連絡した場合は、ほとんど不正利用から60日以内の連絡となる為とくに問題はありません。
しかし利用明細を見て始めて気づくパターンは、この60日の規定に注意する必要があるのです。
どれだけ早く不正利用された利用明細に気付くかが、補償を受けるポイント。例えば次のような状態では、とくに気を付ける必要があります。
- クレジットカードの締め日が、毎月10日
- 1/11日に不正利用された締め日は2/10
- 明細が確定するのが2/11日か2/12日
- この時、不正利用から既に30日経過
上記のケースだと、2/11日か2/12日の利用確定した時に、利用明細を見て気づけば大丈夫なのです。しかし、いつもの金額しか利用は無いだろうと明細を無視していると、規定の60日を過ぎてしまい補償が適用されないことになる可能性があります。
- クレジットカードの利用明細は毎月きちんと確認する
- おかしな利用があれば、直ぐにカード会社に問合わせる
上記2つはクレジットカードを利用する以上、常に守っておきましょう。
紛失保険・盗難保険が適用されない3つの条件
不正利用されても紛失保険・盗難保険が適用されれば、全て補償されるので安心できます。しかし、場合によっては保険が適用されない場合も。紛失・盗難保険が適用されない条件は、次の3つのいずれかを満たしたときです。
- 条件1:誰かにカードを貸した場合
- 条件2:暗証番号が予想されやすい番号だった場合
- 条件3:本人に重大な過失がある場合
それぞれ詳しく見ていきましょう。
条件その1:カードを誰かに貸していたら補償不可
クレジットカードを契約者本人以外が利用することは、カード会社の契約に違反します。他人名義のクレジットカードを利用した方は、ショップから「詐欺罪」で訴えられる可能性もあるくらいです。
もし本人が合意したとしても、他人にカードを貸した場合は補償の対象外となってしまいます。例えば次のようなケースはありがちですが、補償が受けられなくなるので絶対にやめましょう。
- 友人に同意の上でカードを貸した
- 恋人に貸したカードが盗難にあって不正利用された
- 子供が勝手にカードを使っていたら紛失して不正利用された
上記のように、例え親子でも恋人でも本人以外がカード利用していれば、不正利用されても補償はされないのでご注意ください。
条件その2:暗証番号の不適切な管理と安易な番号はNG
クレジットカードの暗証番号は、絶対に漏らしてはいけません。安易に推測できる番号を暗証番号に設定していると、紛失保険・盗難保険の補償を受けられない可能性があります。
もし次のケースに該当するなら、即刻番号を変えた方がいいでしょう。
- 暗証番号を彼女に教えている
- 誕生日や車のナンバーを暗証番号に設定している
- 電話番号の一部を暗証番号に設定している
- 住所情報や名前の語呂合わせで、簡単に推測できる番号にしている
- 暗証番号をカードの裏面に書いている
暗証番号については政府機関、銀行やカード会社その他の金融機関全てから、上記のような利用方法はやめることが注意喚起されています。
該当しているかも知れないと感じた方は、早急に暗証番号を変更しておきましょう。変更方法については、カード会社に連絡すれば詳しく教えてもらえますよ。
条件その3:本人の重大な過失によるものは対象外
本人の重大な過失が認められると、補償を受けられません。この「重大な過失」とは、知らないうちに実行している場合もあるので要注意。
次のケースは、「重大な過失」に該当する可能性が高いです。
- カード裏面の署名欄に署名をしないで利用いていた
- 鞄を置き忘れた結果、クレジットカードを紛失した
- 電話をしている間に、決済を済ませるよう妻にカードを渡した
- カード情報を記載したノートを盗まれた
- カード情報を記録したスマホを盗まれた
- 警察に届出を出していなかった
- 利用明細を確認していなかったので期限を過ぎてしまった
一番多いのは、「カード裏面の署名をしていなかった」ケース。本来カードの裏面に署名がないと、利用できないのが規定です。まだ署名していない方は、今すぐ署名してくださいね。
手持ちのクレジットカードを再点検し、不要なカードは整理しよう
クレジットカードは欲しいとは思っていなくても、ポイントカードと一体型になっていたり、発行すると特典がもらえたり、意外と発行する機会が多いです。
そのようなクレジットカードだと、紛失しても気に留めないのでトラブルの原因カードになってしまいます。
カードは現金と同じ?今すぐ手持ちのカードを再確認しよう
トラブルになる前に、現在手持ちのクレジットカードの枚数をチェックしましょう。この時に、枚数自体すらわからない場合、利用明細は確実にチェックするようにしないといけません。
不正利用されても止めるべきカード自体がわからないので、利用明細が生命線になってきますよ。
不要なカードは解約してスッキリさせよう
手持ちのクレジットカードを確認したら、カード自体を利用するかどうかを良く考えましょう。5枚以上のカードがある場合は、発行して1回も利用していないのに更新されているカードもあるはず。安全のためにも、解約してしまうことをお薦めします。
また、1年に1回程度しか利用していないカードも不要でしょう。クレジットカードの枚数が増えれば、それだけ不正利用のリスクも増えるので思い切って解約するのもひとつの手。
- 発行されて1回も利用していないのに更新されるカードは不要
- 年に1回しか使っていないカードも現実的には不要
- カードが多いと不正利用のリスクが増加
- 不要なカードは解約しておくことが、不正利用防止に有効な手段の一つ
リスクを少なくする為にも、普段利用しないクレジットカードは断捨離してスッキリしましょう。
カード管理を徹底すれば、犯罪被害のリスクを最小にできる
クレジットカードの管理をきちんと徹底していれば、不正利用を企む悪い人に目をつけられにくくなるでしょう。
- 不要なカードは持たない
- 暗証番号はきちんと管理している
- 利用明細は毎月チェックしている
- 他人にカードを預けることはしない
- 署名したカードを利用している
- 引き落し口座の残高は、常時チェックしている
このようなクレジットカードの利用法をしていれば、全く困ることなく便利に利用することができるはずです。
万一、不正利用されたとしても紛失保険・盗難保険は確実に適用されるので、普段から安心してクレジットカードを利用することができますよ。
カード時代だからこそ、正しい利用方法を身につけよう
現代はカード時代でクレジットカードの無い生活は、考えられなくなってきました。インターネットなどに縁の無い高齢者の方でさえ、クレジットカードは生活に必要なアイテムとなってきています。
だからこそ、正しいクレジットカードの利用方法を身につけて、安心で便利にカードを利用することを心がける必要があるのです。
正しく利用していれば、不正利用されても紛失保険・盗難保険で補償されます。
とはいえ、紛失も盗難も無いに越したことはありません。普段からきちんとクレジットカードを管理しておきましょうね。





