クレジットカードの便利な付帯保険!付帯条件に要注意!?
クレジットカードを選ぶ時には、付帯サービスの比較検討が欠かせません。中でも旅行中のケガや病気を補償してくれる旅行保険は皆さんおなじみですよね。
旅行保険サービスには国内・海外旅行傷害保険の2種類がありますが、これには「付帯条件」と言う特別な条件があることをご存知でしょうか?
これは保険適用の際に大変重要な条件です。これを十分理解していないと、せっかくの補償がおりない可能性もあるので要注意!そこで今回は、クレジットカードの付帯保険について、その条件や保険の内容を詳しく解説します。
覚えておこう!クレジットカード付帯保険の種類と内容
ショッピング目的でカードを申込んだ方は、あまり付帯保険に興味が持てないかもしれません。でも付帯保険に無関心だと、請求できるはずの保険金も貰えないまま。
やっぱり自分のカードの付帯保険のことくらいは知っておいてしかるべきです。そこで先ずは、クレジットカードにどんな保険サービスがあるのかをご説明しましょう。
どのクレジットカードにも共通するのは盗難・紛失保険
クレジットカードの付帯保険はカードによって異なりますが、どのカードにも共通するのは「盗難・紛失保険」です。これはカードを盗まれたり紛失したりして他人に不正利用された場合、その被害金額を補償してくれる保険です。
日本国内で発行されるクレジットカード全てに付帯しており、これがあるからこそ、どなたも安心してカードを利用できるのです。クレジットカードには、その他にも次のような付帯保険があります。
- 盗難・紛失保険
- 海外旅行傷害保険
- 国内旅行傷害保険
- ショッピング保険
- オンライン不正利用保険
- シートベルト保険
どの保険が付帯するかはクレジットカード次第で、中には盗難・紛失保険以外の保険が一切つかないカードもあります。では次にそれぞれの保険について簡単にご説明しましょう。
国内・海外旅行傷害保険は旅行時の頼もしい味方
国内・海外旅行傷害保険は、カード付帯保険としてはポピュラーなもので、旅行先でのトラブルをカバーしてくれる保険です。具体的には、旅先でのケガや病気、死亡や障害に対する補償や、物を壊したり怪我をさせてしまった場合の補償も含まれます。
以下は海外旅行傷害保険の保障項目とその説明です。一般に年会費の高いカードほど、項目や金額が充実します。年会費無料のカードの中には、旅行保険がつかない場合もあります。
海外旅行傷害保険 | 補償内容 |
---|---|
傷害死亡・後遺障害補償 | 事故による死亡や後遺障害について補償 |
傷害・疾病治療補償 | 旅行中のケガや病気の治療代を補償 |
救援者費用補償 | 旅行先に家族が渡航する旅費や捜索費を補償 |
賠償責任補償 | 相手にケガを負わせたり万一死亡させてしまった 時の賠償責任額を補償 |
携行品損害補償 | デジカメなど携行品の盗難や破損を補償 |
また海外旅行傷害保険は大抵のクレジットカードに付帯しますが、国内旅行傷害保険がつくのは一部のカードだけです。国内旅行傷害保険は、障害死亡・後遺障害補償のほかに、入院・手術・通院補償などがつきます。
ショッピング保険は商品が壊れても安心
次にショッピング保険についてご説明しましょう。カード会社によっては「買い物保険」などと呼び方が違うことがありますが、保険業界の正式な名称は「動産総合保険」と言います。
動産総合保険とは、クレジットカード決済で購入した商品が壊れたり盗まれたりしたときに、期間内であれば商品代金を補償してくれる保険です。
- 基本的に購入日から90日間が補償対象期間
- カードによっては、120日間や180日間の長期保証も
オンライン不正利用保険はネットショッピングには必要
ネットショッピングを楽しむ方には、オンライン不正利用保険は必須の保険です。ネットショッピングのカード決済で個人情報を盗まれ不正利用されても、この保険が付帯していれば損害として補償してくれます。
オンライン不正利用は、カードが手元にあっても被害に遭っている可能性があるため注意が必要です。以下のような場合はカード犯罪に巻き込まれているかもしれないので、一度利用明細を確認することをおすすめします。
- 買った覚えのない商品代金が請求された
- 知らない間に利用限度額がオーバーしている
シートベルト保険は今や貴重な存在
シートベルト傷害保険は、現在は数えるほどのクレジットカードにしか付帯していません。この保険は、日本国内で車に搭乗中「シートベルトを着用」していて、死亡もしくは重度な後遺障害が残った場合に補償がおりるものです。
対象のクレジットカードを持っていれば必ず適用されますから、ドライバーや助手席に同乗する機会の多い方は覚えておいた方がいい保険ですよ。
シートベルト着用が義務化されてからはこの保険を外すカード会社が増えており、今やこのシートベルト保険が付帯するクレジットカードは貴重な存在です。
付帯保険の重要ポイント!自動付帯と利用付帯についての基礎知識
ところでクレジットカードに付帯している保険には、自動付帯と利用付帯という2種類の付帯条件があります。
これををちゃんと理解していないと保険が適用されないこともあるので要注意なのです。
次にこの付帯保険の重要ポイントについて詳しく解説します。
自動付帯は何もしなくても保険が適用される
お手持ちのカードがあれば、ちょっと旅行保険に関する項目を調べてみてください。もしもその保険が「自動付帯」なら、特に何も考えなくても大丈夫です。
自動付帯とは、カード保有者に自動的に適用される保険のことです。従って保険適用のために何かをする必要はありません。でも以下のようなケースは例外で、保険が適用されませんのでご注意を。
- クレジットカードの有効期限が切れていた
- 保険請求をしなかった
付帯保険はクレジットカードに依存しますから、カードが使えなくなれば保険も適用されませんし、事故の際には自分で請求手続きをしないと保険金はおりません。
利用付帯はクレジットカード決済が条件
では一方の「利用付帯」とはどんな条件なのでしょう?利用付帯とは、そのクレジットカードで決済することが適用条件の保険のことです。
前章でご紹介した付帯保険のうち、完全に自動付帯のものは極わずかで、このように多くが利用付帯です。
- 盗難・紛失保険【-】
- 海外旅行傷害保険【自動付帯/利用付帯】
- 国内旅行傷害保険【自動付帯/利用付帯】
- ショッピング保険【利用付帯】
- オンライン不正利用保険【利用付帯】
- シートベルト保険【自動付帯】
ショッピング保険やオンライン不正利用保険は、そのクレジットカードの利用が前提です。そして旅行保険については、カードによって自動付帯の場合と利用付帯の場合があります。
利用付帯の旅行保険は適用条件にご注意
特に気をつけたいのは、「旅行保険が利用付帯」だというケースです。利用付帯の場合、保険適用には以下の条件のどちらかを満たす必要があるからです。
- カードで公共の交通機関を利用すること
- 旅行会社が企画するツアー料金をカードで支払うこと
あなたのクレジットカードにいくら補償額の高い旅行保険が付帯していても、それが利用付帯だとしたら、上記の条件を満たしていなければ一円の保険金もおりません。
つまりお手持ちのクレジットカードの保険の付帯条件が利用付帯の場合は、保険適用のために旅行前から準備を整えておく必要があるのです。
ツアー代金を支払えば旅行中ずっと保険が適用される
では具体的にどうすれば、利用付帯の保険を上手に使いこなせるのでしょうか?国内旅行と海外旅行では若干異なる部分もありますので、ここでは利用する機会の多い海外旅行傷害保険についてご説明することにします。
最も簡単なのは、旅行会社でツアーを予約してクレジットカードで支払うことです。これだけで利用付帯の条件をクリアでき、旅行期間中は間違いなく保険が適用されます。
公共交通機関でカードを使えば保険が有効になる
でもパッケージツアーを利用しない個人旅行の場合はどうすればいいのでしょう?その場合は、交通機関でカードを使用することで付帯条件を満たすことができます。
これは旅行前でも旅行中でも構いません。例えばこんな利用例が考えられます。
- a.海外への航空機のチケット代金をカードで支払った
- b.自宅から空港までの公共交通機関にカードを使った
- c.旅行先で公共交通機関を使いカードで支払った
a.b.いずれのケースも、旅行中はずっと海外旅行傷害保険の補償対象です。そしてc.については、交通機関への支払い時からが保険適用期間となります。
現地の交通機関をカード払いしても付帯条件を満たせる
c.の例をもう少し詳しくご説明しましょう。出国後に交通機関をカードで使って付帯条件を満たした場合、そこから通常3ヶ月間の旅行期間中が補償対象です。
現地の交通機関の切符をカードで買って初めて保険が有効になったとすると、そこまでの行程は無保険ですが、そこから先の3ヶ月間は保険が効くので安心だということになりますね。
なお一般に対象となる交通機関は以下のものです。
- バス
- タクシー
- 電車
- 船舶
- 飛行機
レンタカーやマイカーの利用は対象にはなりませんのでご注意くださいね。
海外旅行傷害保険はカードによって条件が異なる
自分のクレジットカードに海外旅行傷害保険がついているからといって、それだけでは安心できないということがわかりましたね。
ご説明してきた通り、付帯保険には自動付帯と利用付帯という2通りの付帯条件があるからです。
そしてそれはクレジットカードの種類によって異なります。
利用付帯の保険なら、旅行前から条件をクリアするためにカード利用のことを考えておかなくてはなりません。
海外旅行傷害保険は自動付帯の方がいいというのは、自動付帯にはこういった手間が一切かからないからです。
付帯保険の基本!自動付帯&利用付帯のメリットとデメリット
最後に利用する機会の多い付帯保険・海外旅行保険における自動付帯と利用付帯のデメリットとメリットをまとめました。旅行保険目的でクレジットカードを選ぶ際に、是非ご参考になさってください。
一見いいことばかりの自動付帯の保険にもデメリットはあります。またその反対に、面倒だと思える利用付帯にも見逃せない利点があるんですよ。
それぞれの利点や欠点をご説明しながら、付帯保険に関するちょっとした裏ワザもご紹介したいと思います。
自動付帯の保険は重複適用に便利
自動付帯の保険は何かと便利にできています。特に重宝するのが、保険を重複する裏ワザの利用時です。クレジットカードが複数枚あると、それぞれの付帯保険の補償内容を合算することができるのですが、その際には自動付帯の保険の方が都合が良いのです。
例えば複数のクレジットカードの付帯保険が適用された場合、保険金は以下のようになります。
- 【傷害死亡・後遺障害】→より高い方が適用される
- 【その他の補償】→合算後の金額が最高補償額になる
利用付帯だと使わない限り保険は有効になりませんが、自動付帯なら引き出しにしまい込んだカードの付帯保険でも、この通り次々合算できるという訳です。
カード付帯の旅行保険はなるべく自動付帯がいいというのは、こういうこともあるからなんですね。
自動付帯の保険が付帯するカードは数が少ない
次に自動付帯の保険のデメリットです。一般に自動付帯の方が便利で優秀ですが、以下のような問題もあります。
- 保険が自動付帯のカードは数が少ない
- 部分的に利用付帯のカードも存在する
最大のデメリットは、自動付帯の保険そのものの数が少ないということでしょう。それだけ選べるカードの種類も限られてきますから、なかなか好みのクレジットカードが見つかりません。
「絶対に自動付帯じゃないと申し込まない」と決めていると選択肢が狭まってしまいますから、妥協点も必要ですよ。
例えば付帯条件のバリエーションとして、「海外旅行は自動付帯、国内旅行は利用付帯」だったり、利用付帯と自動付帯で補償額が変わる保険もありますので、是非そういったカードもご検討ください。
利用付帯には意外とメリットが多い!保険期間延長の裏ワザも
利用付帯の保険を有効にするには、旅行前もしくは旅行中にカード利用の条件をクリアすることが必要でしたね。自動付帯に比べるとこれが面倒なのですが、その分利用付帯にはこんなメリットもあります。
- クレジットカードの選択肢が多い
- 年会費無料のカードについていることが多い
- ツアー代金をクレジットカードで支払えば自動付帯と変わらない
- 長期間保険が適用される裏ワザが使える
利用付帯でも特に不便はない
利用付帯の保険のメリットは、第一にカードの選択肢が多いこと、そしてその多くが年会費無料だということです。つまりコストをかけたくなければ、必然的に保険は利用付帯になるわけです。
海外旅行の場合ツアーを利用する方が殆んどでしょうし、その場合はむしろカード決済しない方が不自然です。何故なら、カード特典で旅行代金が割引になるしポイントも貯まるからです。
つまり保険が利用付帯だからといって、特に不便を感じることもなく、条件も自然にクリアできてしまうんですね。さて、最後の裏ワザについては、次に詳しくご説明しましょう。
利用付帯のカードで保険期間を90日以上に延長できる
この裏ワザは、保険適用期間を延長させる方法です。そしてこれには利用付帯の保険が欠かせません。
そもそもクレジットカードの付帯保険は、自動付帯でも利用付帯でも、海外旅行傷害保険には90日間の有効期間が設定されています。
通常それほど長期の滞在は無いと思いますが、長期出張や留学などは90日を超えることもあるでしょう。そういうケースにこの裏ワザは役立ちます。
クレジットカードは2種類使います。最初に使うAカードの保険は自動付帯でも利用付帯でもOKです。
- 1.Aカードの保険を発動させる
- 2.滞在90日でAカードの保険適用期間は完了
- 3.現地でBカードで交通機関を利用
- 4.Bカードの保険が発動する
これで現地で90日を超えても旅行保険は有効で、合計180日間保険期間が適用されることになります。
付帯保険の裏ワザには利用付帯のカードが必要
ポイントは2番目に使うBカードの付帯保険の種類です。自動付帯ではNGですし、利用付帯でも「出国と同時に保険期間がスタート」するタイプはNGです!クレジットカードの選択にはくれぐれも気をつけてくださいね。
- × 自動付帯
- 利用付帯でなおかつ交通利用で発動できるタイプ
一般的なクレジットカード海外旅行保険の補償期間は90日ですから留学など海外での滞在が長い時にこの裏技が有効かもしれません。
付帯保険だけでは不足?掛け捨ての旅行保険が必要な場合も
このように数枚のクレジットカードの付帯保険を利用すると、利用付帯や自動付帯の利点を使っていろんなことが可能になります。
しかしカード付帯保険の補償内容だけでは不安だったり、またこういった手間がかけれない場合は、無理せず掛け捨ての旅行保険への加入をお薦めします。
別途旅行保険に加入した場合も、先ほどご紹介した補償内容を合算する裏ワザが使えますから、お手持ちのカードの付帯保険も決して無駄にはなりません。
付帯保険はよく調べておこう
付帯保険は、カード会社が契約している保険会社によって適用条件も少しずつ異なります。今回ザックリご説明しましたが、必ずお手持ちのカード毎に補償内容など詳しく確認しておきましょう。
いずれにしてもクレジットカードの付帯保険について知らないと、損している可能性があるということがわかって頂けたと思います。
ご自分が保有するクレジットカードの付帯保険は、一度よく調べて是非有効活用してくださいね。
クレジットカードの付帯保険は使い方次第でよりお得です
クレジットカードの付帯保険は、内容や条件をよく知ることで有効活用できます。自動付帯の海外旅行傷害保険はカードを持っているだけで適用されて便利ですが、利用付帯にもお得な裏ワザが使えます。
自動付帯と利用付帯の2種類のカードを持っていれば、かなり上手に保険を使いこなせるでしょう。付帯保険の種類や補償の内容を良く検討して、便利な組合せになるようカードを選んでくださいね。


