借金救済制度は怪しい?利用するとその後どうなる?借金救済措置と言われる理由やメリット・デメリット
借金救済制度とは、借金に対して問題を抱えている人々を救うためのもので、債務整理や過払い金を指していることが一般です。
法的な手続きを踏んだり、債権者との交渉により、借金を減らしたり免除してもらえる借金救済措置で、国が認めた借金救済制度とか呼ばれることもあります。
この記事では、様々な角度から「借金救済制度」にまつわる情報について詳しく見ていきたいと思います。借金救済制度をするとどうなるのか?など気になるところでしょう。
借金救済制度と言われている「債務整理」には主に、任意整理、個人再生、自己破産、過払い金請求が挙げられます。それぞれ特徴や利用条件が異なるので、現在の自分の状況に合った方法を選択することが大切です。
借金救済制度を利用するとその後どうなってしまうのか?債務整理の影響についても触れていきます。
借金減額制度とは債務整理のことで、新たな制度ではない
借金救済制度、借金救済措置、借金返済制度、2024年の借金救済制度など、さまざまな表現の広告が見られますが、このような名前の制度があるわけではありません。借金救済制度とは、債務整理のことを指すのが一般的です。
初めて見た方は、借金を減らせる画期的な制度が新しくできたのか!と思ってしまいがちですが、債務整理は以前からある制度です。最近ではInstagramやTikTokの広告でもよく見かけるフレーズになっています。少なからず目を引くための宣伝文句のように使われていることが多いです。
「債務整理」ではなく、「借金救済制度」や「国が認めた」という表現で広告を出しているのは、見た人の目を引くためのいわば宣伝文句のような感じで使われていることが多いです。
借金救済制度(債務整理)は怪しい制度ではありませんが、借金救済制度の広告では、詳しい説明やデメリットについての説明がないまま「借金を減らせる」というメリット部分のみをアピールしていることが多いです。
そうならないためにも、債務整理をするなら、弁護士や司法書士といった法律のプロの力を借りるのがおすすめ!あなたに合った方法で、できるだけ借金返済負担が軽くなるように協力してもらいましょう。
借金救済制度を指す債務整理の特徴を簡単に紹介!
各制度について説明してきましたが、それぞれ手続きの仕方や、利用するための条件が異なります。まずは自分が置かれている状況を判断し、どの制度を利用するのが一番良いかを専門家の人としっかりと話し合いましょう。
どの制度を利用するにしても手続きを行う必要がありますので、ここではその方法と利用するための条件を説明していきたいと思います。
任意整理で借金救済はどうやって行われる?手続きの流れと利用条件
任意整理は、お金を借りている側との直接交渉になり、裁判所を通じてやる手続きではないので時間がかからず費用も抑えられるメリットがあります。手続きの流れと条件は以下のようになっています。
まずは専門家に任意整理について相談してみてください。基本的にはその後の債権者とのやり取りは専門家がすべて対応してくれるはずです。
専門家が債権者との交渉を行い、合意に基づいて無理のない返済計画を立てることができるので安心してこれからの人生を歩くことができます。
利用条件はちゃんと仕事をしていて継続した安定的な収入があり、借金の元金を3年~5年で返済する気持ちがあることが必要です。そもそも返済しようという気がないという人はいないので、条件は安定した収入だけだといっていいと思います。
任意整理は、将来発生する利息をカットし、無理のない返済計画を立てられるので現在の状況を大きく変えることができます。しかし、事故情報(ブラックリスト)に載ったり、ローンで返済中の高価なものを手放すこともあります。
個人再生で借金救済はどうやって行われる?手続きの流れと利用条件
裁判所に申し立てを行い負債を大幅に減額することができ、3年~5年をかけて分割で支払い、残った負債を免除してもらう手続きを個人再生といいます。
裁判所に対して申し立てを行うので、専門家への依頼をする方がおすすめの方法です。専門家が債務者の提出した書類をもとに個人再生の申立書を作成し、裁判所に提出します。
その後、再生計画案を作成してくれるので提出し認可されれば手続きは終了になります。
個人再生を利用するには、任意整理と同じく安定収入が必要になります。借金の総額が住宅ローンを除き(住宅ローン特則)5,000万円以下であることが条件になっています。
大幅な借金の減額が可能であり、持ち家を手元に残したまま負担を減らすことができます。信用情報に傷がつき、官報に名前と住所が記載されるデメリットもあるので利用するときは注意してください。
自己破産で借金救済はどうやって行われる?手続きの流れと利用条件
自己破産は、抱えていた借金が消滅し返済義務がなくなるので、借金のない新たな人生を歩むことが目的となっています。
たしかに精神的には借金が消えてラクになるかもしれませんが、その後の人生に様々な制限がかかることも忘れてはいけません。
専門家に相談し自己破産することを決めると、専門家が破産手続きを開始し、免責申立書を作成します。
裁判所の中で面接を行い、財産の調査と価値の高い財産を売却します。その後裁判所が免責決定を行います。自己破産は借金返済の最終手段です。
自己破産手続きを行うには、借金の返済が不可能であることに加えて、収入に見合わない浪費や、ギャンブルでの借金、不当に財産を減少させるなど免責不許可事由に該当していないことが利用条件になります。
自己破産は、借金が消えてなくなるという夢のような方法ですが、メリットが大きい分デメリットも大きい方法になります。
借りたものを返すというのは人として常識なので、その約束を果たせなくなった場合はそれ相応のペナルティを受けることになります。
過払い金請求の手続きと時効の援用の条件
過払い金請求は、過去に払いすぎた利息を取り戻す手続きです。
簡単に言えば余計に支払ったお金を返してくださいということです。一方、時効の援用は借金にも時効があり、もうその借金は時効だから支払いませんという意思表示をすることです。
まずは専門家に相談し、取引の履歴を調べ過払い金があるか確認します。細かくチェックする必要があるので、専門家に依頼して調べた方が多くのお金が返還される可能性が高いです。
過払い金が確認出来たら専門家が過払い金請求書を作成し、債権者に提出すれば手続きは終了になります。
過払い金の請求にも条件があり、過去に年利15%~20%を超える金利で借り入れを行った経験があり、最後の取引から10年以上経過していないことが条件になります。
過払い金請求や時効の援用は、適切に行えば予想以上の効果がありますが、過去の取引履歴をか確認するので証明することが難しいです。もちろん債権者側はお金を払いたくないので、話がなかなか進展しないケースもあります。
借金救済制度の3つの共通のデメリットで最も気になるブラックリストへの登録とは?
任意整理、個人再生、自己破産など借金救済制度にはそれぞれデメリットがあります。共通するデメリットには、ブラックリストに載ることがありますが、誤解している方も少なくないので、正しく知っておく必要があります。
ブラックリストとは、個人信用情報機関に事故情報が登録されることで、債務整理したときや滞納したときに一定期間登録されます。ブラックリストというリストが存在するわけではありません。
ブラックリストに載るとできなくなること
ブラックリストに載っている間は、次のようなことができなくなります。
- クレジットカードを利用すること、新規作成すること
- ローンを組むこと
- 携帯電話やスマホの本体代を分割払いすること
- 借金の保証人や連帯保証人になること
- 家賃保証会社を利用する賃貸物件を契約すること
クレジットカードに関しては今使っているものが利用できなくなるだけでなく、新規で作成することもできなくなります。クレジットカードの作成や更新の際には信用情報の確認があるからです。
ローンは、住宅ローンをはじめ、教育ローン、自動車ローン、カードローンなど、あらゆるものが組めなくなります。クレジットカードと同様に審査で引っかかってしまうからです。
携帯電話やスマホの本体を購入する際も、分割払いはローンの一種とみなされてしまいます。本体を購入する際は一括で支払う必要があります。
また、自分だけでなく、誰かの借金の保証人になることもできなくなります。子どもの奨学金などは親が保証人になるのが一般的ですが、それもできなくなります。
家賃保証会社も信用情報を見て審査を行うため、マンションなどの賃貸物件を契約する際は、家賃保証会社を利用しない物件を選びましょう。
ブラックリストに載るのは約5~10年
ブラックリストに載る期間は、事故の内容によって異なります。任意整理の場合は約5年、個人再生と自己破産の場合は約5~10年とされています。
個人信用情報機関にはCIC、JICC、KSCという3つの機関があり、借入先によって登録される情報機関は異なります。それぞれ事故情報が登録される期間にも違いがあります。
約5~10年経てば情報は解除され、再びクレジットカードを作ったりローンを組んだりできるようになります。
【種類別】借金救済制度の各手続き毎のメリット・デメリットを知ってから依頼を検討して!
世の中には様々な理由でお金の借り入れを行う人がいます。急にまとまったお金が必要になったり、生活が苦しかったりと理由は人それぞれです。
借りたお金を返すのは当たり前のことですが、状況によっては返済することが難しい人も多く存在します。
借金救済のための方法とである債務整理は、そのように借金の返済に苦しむ人たちを助けるのが目的の手続きです。
債務整理は大きく分けて4つ方法に分類されます。任意整理、個人再生、自己破産、特定調停です。あとは過払い金の請求を含む場合もあります。
借金問題に縁がない人でも、聞いたことがあるという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
借金を減らしたり、借金がなしになる可能性があるためメリットは大きいですが、デメリットもあることを頭に入れておいてください。
先だって下記にわかりやすく表にまとめてみました。
利用する手続き | メリット | デメリット |
---|---|---|
任意整理 | ・時間がかからず 料金がリーズナブル ・早期解決ができる ・無理のない返済計画の実現 |
・ブラックリストに載る ・クレジットカードの 強制解約 ・保証人に迷惑がかかる |
個人再生 | ・大幅な借金の減額 ・持ち家を維持できる |
・官報に記録が残る ・信用情報に傷がつく |
自己破産 | ・借金の消滅 ・人生のやり直し |
・一部財産の没収 ・ブラックリストへ 長い期間残る |
過払い金請求、時効の援用 | ・適切に利用すれば 大きな返還 |
・証明が難しい ・債権者の抵抗 |
一つずつ詳しく見ていきましょう。
任意整理は利息カットと返済を延ばし分割返済できる可能性がある反面、元金が減らないため減額効果が少ない
裁判所を仲介せずに、債権者と直接交渉することによって負担を減らす手続きです。しっかりと専門家の人に依頼をして交渉してもらうことが大事になります。
任意整理のメリット
任意整理は費用が安く、短期間で借金の負担を軽減してくれるので人気があります。将来的に支払う予定の利息をカットし、元金のみの支払いが可能になるので負担を減らすことができます。
任意整理のデメリット
基本的に元金を減らすということはできません。将来支払うべき利息を支払いませんという手続きなので、当然ペナルティがあります。ブラックリストに載ってしまい、クレジットカードやローンの利用が制限されます。
任意整理のメリット | 任意整理のデメリット |
---|---|
・利息カットで月々の返済額が減る ・整理する債務を選べる ・財産没収など大きなデメリットがない |
・信用情報への影響がある(約5年間) ・借金が減るがなくならない ・手続き後も返済が続くので収入が安定して必要 ・専門家に依頼すると費用がかかる |
任意整理は、お金と時間をかけずに借金問題を早期解決したい人におすすめです。しかし、事故情報として記録されてしまうことも忘れないようにしてください。
個人再生は大幅な借金減額ができるかもしれないが裁判所を解するので手続きに時間がかかり費用も高め!
個人再生とは名前の通り、作成された再生計画に基づいて借金返済を行う手続きになります。任意整理とは違い裁判所を通じて行われるので、専門家のサポートを受けながら進行していくことになります。
個人再生のメリット
現在の状況を大きく変えることができ、最大で9割の借金を減らすことができるのが最大の魅力です。持ち家を手放すことなく維持できる点も、利用する価値がある点の一つです。
個人再生のデメリット
裁判所を利用するので手続きが少し面倒になります。事故情報として記載され、官報に氏名や住所が記録されてしまいます。
個人再生のメリット | 個人再生のデメリット |
---|---|
・大幅に減額できる ・元金を含めて減額可能 ・住宅ローン特則を利用すれば自宅を残せる |
・信用情報への影響がある(約7年間) ・借金が減るがなくならない ・手続き後も返済が続くので収入が安定して必要 ・専門家費用が高め ・官報に載る ・全ての債務が対象なので保証人に迷惑がかかる |
複雑さや信用情報への影響などデメリットもありますが、減額される金額が大きいのが一番の魅力です。安定した収入がない人は利用できません。
自己破産は借金がなくなる代わりに財産没収など手続き後の影響が大きい
任意整理、個人再生は初めて聞いたけど自己破産は聞いたことがあるという人も多いと思います。ドラマや映画などでよく目にする機会が多いです。自己破産とは、現実的に返済が不可能になり、新たな人生を歩もうとする人のために作られました。
自己破産のメリット
抱えていた借金がなくなるので、人生の再スタートを切ることができます。所有している財産のほとんどを失いますが、借金が消滅するので気持ちが落ち着く効果もあります。
自己破産のデメリット
借金返済の最終手段であり、生活に必要なモノ以外はすべて処分され、手元にはほとんど何も残りません。事故情報として10年間記録が残り、手続き後は多くの制限を受けた状態で生活していきます。
自己破産のメリット | 自己破産のデメリット |
---|---|
・借金がなくなる ・返済義務が残らないので再スタートを切りやすい ・無職や安定収入がなくてもOK |
・信用情報への影響がある(約10年間) ・ギャンブルや浪費が原因だとできない可能性がある ・官報に載る ・手続き中は制限される資格や職業がある ・全ての債務が対象なので保証人に迷惑がかかる ・一定額以上の財産が全て没収 ・社会的信用を失いかねない |
自己破産手続きを利用する場合は、まずデメリットを先に考えることが大切です。言うまでもなく借金が消えて終わりではありません。今後の人生は計り知れない制限を受けながら生活することになるため、可能であれば回避するのが賢明です。
過払い金が発生している場合は過払い金返還請求をすればお金が戻ってくるので借金完済できる可能性もある
過払い金請求は、過去に払いすぎた利息を返してもらう手続きです。広告などでも過払い金という言葉をよく耳にします。一方、あまり聞きなれない時効の援用とは、借金には時効があり借金の時効期間が過ぎた場合に返済義務をなくす手続きです。
過払い金返還請求のメリット
想像以上のお金が返還されることもあります。時効の援用は、時効が成立する条件を満たしていれば借金が消滅します。
過払い金返還請求のデメリット
2つに共通していることは、証明することがとても難しいことです。会社が倒産してなくなっている可能性もゼロではありません。それに加えて、債権者側に支払いを拒否され強い抵抗にあうこともあるので、専門家のサポートが必要になります。
過払い金請求のメリット | 過払い金請求のデメリット |
---|---|
・自分でもできるが貸金業者に足元を見られる可能性がある ・引き直し計算が必要 ・完済できればブラックにならない |
・信用情報への影響がある(約5年間) ・完済できない場合は任意整理をしたことになる |
証明することの難しさや、債権者の抵抗などのデメリットもありますが、うまく利用することができれば、予想以上のお金が返ってくるので大きなメリットになります。
簡易裁判所に申し立てを行い債権者と話し合いを行い減額を目指すが減額できる幅は少ない可能性が高い!
特定調停は、簡易裁判所に申し立てをして行う手続きです。
調停委員が仲介し、債権者と申し立てをした債務者の間で交渉を進め、将来利息のカットなどを目指します。
目指す目標は任意整理と似ていますが、簡易裁判所に申し立てをするというのが最大の違いです。
特定調停をするための条件はこちらです。
- 減額後の借金を3年~5年で完済できる
- 安定、継続した収入がある
特定調停のメリット
自分で手続きを行う場合は専門家費用がかからないため、裁判所費用と書類取得費用のみで済むため、弁護士費用を用意できないなど費用を抑えたい方にはおすすめです。
裁判所が選任した調停委員が借金に困っている借り手と、お金を貸している再建業者の仲介をしてくれます。減額交渉したい債権者を選べる、という点は任意整理と同じです。
特定調停デメリット
公的手続きである一方、任意整理を専門家に依頼した際とは異なり、取り立てや催促はすぐには止まらず、止めるためには、裁判所への申し立てをする必要があります。
引き直し計算で過払い金が判明しても、過払い金請求は一緒の手続きでは出来ず、別で請求する必要があります。自身で申し立てから出廷までを行い、書類も作成しなければならず、時間も手間もかかるため、忙しい方や平日に都合がつかない方には向いていません。
さらに、特定調停で和解すると「調停調書」が裁判所で作成されますが、これは裁判判決と同等の効力があるため、その後返済が借金返済が延滞してしまうと、すぐに差し押さえされていまう可能性があります。
特定調停のメリット | 特定調停のデメリット |
---|---|
・利息の引き直し計算や将来利息のカットにより 借金減額が見込める ・手続きする債権者を選べる ・保証人がいる借金は除けるため保証人に迷惑がかからない ・すでに行われている強制執行手続きを止められる |
・手続きを自分で行う必要がある ・債権者からの取り立てが止まるまで時間がかかる ・過払い金返還請求は別途手続きが必要となる ・返済が滞ればただちに強制執行されるリスクがある ・調停委員が債務整理の専門家とは限らない ・調停が失敗するケースも少なくない |
特定調停は弁護士や司法書士に依頼しなくても個人で進められる手続きとなりますので、専門家に依頼する費用を抑えることができます。費用面負担が少ないのは大きな魅力でしょう。実際の交渉も自分で行うのではなく、調停委員が間に入ってくれるので安心です。
ただし、特定調停は成功率が高い手続きではありません。
相手が交渉に応じないこともありますし、成功・失敗に関わらずブラックになってしまいます。
また、特定調停は調停委員が仲介してくれますが借金問題や債務整理の専門家とは限らないことにも注意が必要です。成功時の減額効果に対してデメリットが大きいため、利用するかどうかしっかり検討することが大切です。
特定調停は、以下の条件に該当する人に向いています。
- 専門家に依頼せず自分で手続きしたい人
- 費用を抑えたい人
- 交渉後、借金を3年程度で返済できるだけの収入がある人
借金救済制度である債務整理の利用には費用がかかるのもデメリット
借金救済制度=債務整理は、弁護士や司法書士に依頼するのが一般的ですが、専門家に依頼すると、着手金や報酬金などの費用がかかります。事務所によって費用は異なりますが、相場は次のとおりです。
- 任意整理:債権者1社あたり5~15万円
- 個人再生:50~80万円
- 自己破産:50~130万円
任意整理をするのに必要な費用
任意整理は債権者1社ごとに費用が発生するのが特徴です。料金体系は事務所によってさまざまですが、着手金、解決報酬金、減額報酬金などが必要です。
報酬金は、日本弁護士連合会や日本司法書士連合会によって、「解決報酬金が1社あたり2万円以下、減額報酬金が減額分の10%以下」と決まっています。
任意整理は1社あたり5~15万円かかるため、債権者が複数ある場合はその数に応じて費用が高くなります。
個人再生をするのに必要な費用
個人再生には必要な書類が多く、手続きが非常に複雑です。そのため、弁護士や司法書士の仕事量も多く、費用は高額になりがちです。専門家への報酬と裁判所費用がかかり、相場は50~80万円です。
住宅ローンを今までどおり払い続けながら個人再生の手続きができる「住宅ローン特則」を利用すると、10万円ほど費用は多くかかります。
また、裁判所によっては、申立人と裁判所を補助する役割の「個人再生委員」が選任されることもあり、選任される場合は15~25万円の報酬が必要です。
自己破産をするのに必要な費用
自己破産には、同時廃止事件、管財事件、少額管財の3つがあり、どの手続きになるかによって費用は大きく異なります。
同時廃止事件は、破産手続きの開始と同時に廃止が決定し、破産手続きが省略されます。そのため、費用は安く収まります。
管財事件は、原則として一定の財産がある場合にとられる方法です。借金や財産の調査を行う「破産管財人」が選任されるため、その報酬などが必要となり、費用が高額になります。
少額管財は管財事件の一種で、管財事件の手続きが簡略化されたものです。弁護士を代理人にすることが条件であり、すべての裁判所で利用できるわけではないため、少額管財を希望する場合は事前に専門家に相談してみましょう。
特定調停を行うために必要な費用
自力で行う特定調停なので、専門家費用はかかりません。
特定調停で必要な費用は、申し立て手数料と手続き費用である収入印紙、郵便切手代金のみです。1社あたり1,000円程度で手続きできるのは、他の債務整理と比較してもかなりお得です。
- 申し立て手数料:収入印紙:1社につき500円分
- 手続き費用:予納郵便切手:1社につき432円分
費用を払えないかもと心配な方へ!お金がなくても債務整理で借金救済は可能です!
借金救済制度を専門家に依頼したときの費用は決して安いものではありません。しかし、費用が払えないから…と諦めるのは早いです。費用を払えないときは次にような対処法があります。
- 分割払いや後払いを利用する
- 法テラスを利用する
- 日本クレジットカウンセリング協会を利用する
多くの弁護士事務所、司法書士事務所では、費用の分割払いや後払いに対応しています。相談時に、分割払いや後払いが可能かどうか尋ねてみましょう。
また、収入が少ない方は、法テラスを利用できる可能性が高いです。収入要件や資産要件を満たせば、無料法律相談、債務整理費用の立て替えなどを利用できます。
法テラスで債務整理すると、報酬を支払う必要がないため、通常よりも安い費用でできるメリットもあります。任意整理の場合、1社43,000円、2社64,500円、3社86,000円です。
個人再生や自己破産も相場より安く行えます。法テラスは弁護士や司法書士を指名できない、審査に時間がかかるなどのデメリットはありますが、大幅に費用を抑えられるのは魅力です。要件を満たす方は利用をおすすめします。
任意整理を希望する場合、日本クレジットカウンセリング協会に相談するのもおすすめです。
多重債務者であること、生活に必要な借金であったことなど、いくつか要件を満たす必要はありますが、カウンセリングで任意整理での解決が適していると判断された場合、無料で任意整理が行えます。
借金救済制度と謳っている怪しい広告もあるので注意
借金救済制度の広告は、借金について検索している人には表示されやすいです。借金問題を解決したいと思っている方にとっては気になる広告でしょう。
借金救済制度で借金全額免除!とか、誰でも借金減額できる!といった内容はとても魅力的なフレーズですが、借金救済制度という制度があるわけではないですし、ましてや債務整理は誰でもどんな借金でも減らせる、なしにできる魔法のような方法ではありません。
借金がいくら減らせるか、借金減額の方法を知りたいという方は、借金減額診断や借金減額シミュレーターで先に自分の借金が減るかどうか調べるという方も多いと思います。無料で利用できて大変手軽で便利!
借金減額診断の多くは、弁護士事務所や司法書士事務所が運営してるので安心して利用できますが、借金減額制度と謳っている広告には、怪しい広告もあるので注意が必要です。
借金救済制度という気になる言葉で借金に困っている方を惹きつけ、依頼者を騙そうとして近づいてくる事務所や業者も中にはあります。
借金を大幅に減らせる!など大げさな表現で期待を抱かせたり、借金が減っているように見えて実はほとんど減っていなかったりするケースがあります。
借金救済制度自体は債務整理なので怪しい制度ではありませんが、過剰な広告を配信している事務所や業者には注意しましょう。
借金救済措置と言えど債務整理をすると様々な影響あり!手続き後の生活について知っておこう
債務整理を利用することは、現在自分が置かれているつらい立場を改善し、未来を明るくする有効な手段です。
しかし債務整理をすると様々な影響が出てきます。リスクやデメリット、その後の生活がどうなるかについては、依頼前にかならず知っておく必要があります。
また「債務整理をしたがもう借金問題について悩まなくてOKだから!」というわけではありません。生活の見直し、続く借金返済について目を向ける必要があります。
過去の反省を生かし、その後の人生で同じ失敗をしないようにするためには、今までの生活を見直していくことが大切です。
せっかく人生をやり直すチャンスをもらったのだから、このチャンスを生かさない手はありません。
確かに金銭面で過去に失敗したかもしれませんが、ちゃんと法的に認められた方法であったり金融業者との和解で解決したのだから、後ろめたさを感じる必要はありません。
過去ではなく未来を見て行動することがとても大事です。
借金救済制度を利用し借金問題解決ができると、抱えていた借金問題から解放され一時的に気持ちが安定しますが、その状況に慣れてくると様々な感情が芽生え始めます。
これからの人生に希望を持つことができるので、明るい未来をイメージすることができますが、一時的であるケースも多いです。時間が経過すると、救済制度を利用したことで自分はダメでクズな人間なんだ…と自分自身を責めてしまう人も少なくありません。
自分を責めてしまったり社会的な不安を感じたときは、一人で抱え込まず、信頼できる家族や友人にそうだんしましょう。
また、債務整理の手続を依頼した司法書士や弁護士に相談したり、心理カウンセラーなどの専門家に相談するのもありですね。
心強い味方になってくれるはずなので、安定した気持ちを維持することができます。
収支バランスの見直しや節約などで同じ過ちを繰り返さないように努めましょう!
二度と借金で困らないために、日々の生活について見直していくことが必要になります。借金問題を抱えてしまった原因を追究し、改善していくことが課題になりますね。
中にはギャンブルや不当な理由で借金を抱えてしまった人もいると思うので、そのような行為からはしっかりと足を洗うようにしてください。
大事なことは自分の生活レベルをしっかりと把握し、収入と支出のバランスを考えることです。無駄な支出を削り、予想外の出費に備えてお金を蓄えておくことが必要です。また、本などを読みお金に関する知識を身につけることで、同じ過ちを繰り返す確率がグッと下がります。
また、不安定な収入だと長期計画が立てられずお金に困る場面にも出くわしてしまうかもしれないため、継続した安定的な収入を得られる仕事につきましょう。
将来自分がどうなりたいのかをイメージし、そうなるには今どうするべきかを考え、実行することが大切です。
もう借金に苦しんでいた頃に戻りたくないという強い気持ちがあれば、どんな苦難にも立ち向かえるはずです。生活設計を一から見直し、不安のない生活を取り戻せるようにしましょう。
1.現状についてしっかりと理解する
収入や支出など、自分が現在どのような立場に置かれているのかを理解することにより、行動が起こしやすくなります。
2.収入と支出のバランスを見直す
自分が現実的に得られるお金(収入)をしっかりと把握し、支出とのバランスを見ていきましょう。支出<収入であれば困ることが無いです。安定した生活が送れるようになります。
固定で出て行ってしまうお金は仕方ありませんが、自分でコントロールできる支出については、極力減らすことを意識します。何かを購入した際にレシートを捨てずにとっておき、月にどれくらいの支出があるのかを記録するのがおすすめです。
3.貯蓄の開始
生活をしていると予想外の出費が必要な状況になる場合もあります。そのような出来事の備え少しずつでも貯蓄を心掛けます。意識していると、少しでも多く貯蓄したくなるので支出の減少にもつながります。
4.専門家への相談
不安を感じたり、お金に対してわからないことがあるときは、放置せずに専門家に助けてもらうようにしましょう。
せっかく借金問題から解放されても前の状態に戻っては意味がないので、無理のない生活設計を作成、実行することが大事です。また、過去のことで悩むのではなく、これからのことを考えるように意識してください。
借金救済制度と言われる債務整理をする際に知っておきたい法律や法改正の情報は?
法律というのは、その時の状況や時代背景などのよって変わったりすることがあります。借金救済に関してのことも例外ではなく、変更されることがあります。
利用者にとって歓迎できる変更もあればそうでないものもあります。制度を利用するときは、今持っている自分の知識が最新のものなのかを確認するようにしましょう。
古い知識のまま制度を利用しようとすると、スムーズに手続きを行うことが出来なかったり、利用条件に当てはまっていなかったりして解決が遅れてしまう可能性があります。自分で調べるのが難しいときは、専門家に詳しく話を聞いてみてください。
ほんの一部ですが、「借金救済」にまつわる法改正の内容をまとめてみました。利用者にとってプラスになる法改正が行われています。特に、利息制限法の改正は、過払い金請求に深く関わっています。
利息制限法改正
利息制限法が改正されたことにより、利息が最大で20%まで引き下げられました。この法改正のよりいわゆるグレーゾーン金利がなくなり、利息に対する負担が緩和されました。
【金利の引き下げとは?】
改正前は上限金利が20%を超えることが認められていましたが、改正後は15%~20%に引き下げられました。この改正によってグレーゾーン金利が撤廃され、借金の利息が減り、負担が大きく軽減されました。
利息の上限が引き下げられたことで、過去に払いすぎていた利息(過払い金)を取り戻せるようになりました。過去にさかのぼり請求することができるので、多くの人が過払い金を取り戻すことが可能です。
過払い金の返還請求期間の延長
法の改正で過払い金の請求期間が5年から10年に伸びたことにより、たくさんの人が過払い金の請求ができるようになりました。
破産法改正
自己破産は裁判所を通じて行われるため、とても複雑な手続きが必要となっていましたが、破産法の改正により手続きが簡略化され、時間と費用を抑えられるようになりました。
【自己破産手続きの簡略化とは?】
裁判所を通じて行われる手続きなので、改正前は複雑でしたが、改正後は簡略化され利用しやすい制度になりました。この改正によって、かかる時間も短縮され、費用も抑えられるようになりました。
この変更によって、自己破産をしようか悩んでいる人も自己破産という選択をしやすくなり、借金救済制度を利用することが現実的になりました。
改正内容 | 影響 |
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金利の引き下げ | 利息負担が軽減される |
過払い金の返還請求期間の延長 | より多く過払い金が戻ってくる可能性あり |
自己破産手続きの簡略化 | 手続きが早まれば悩みから解放されるのも早い |
これらの法改正により、借金救済制度の利用者にとっての利便性が向上し、借金救済制度の利用がさらに進めやすくなりました。
上限金利が引き下げられたことにより、返済額が減り、経済的に安定することができるようになり、手続きが簡略化されたことにより、時間と費用を抑えることができ利用しやすくなりました。
ただ、法が改正されることにより、利用しづらい状況になる事態も考えられます。利用条件の追加や、信用情報に対して、今以上に厳しく対応されるようになる可能性も十分に考えられます。
借金救済制度の内容については今後も変わっていく可能性もあるため、自分が借金問題解決のために利用したいとなった際には、専門家に相談したり最新の情報を頭に入れておくように心がけましょう。
借金救済制度や借金救済制度のデメリットは?借金救済制度に関するQ&A
借金救済制度を利用しようとする際に、多くの人が頭にデメリットを思い浮かべると思います。自分の将来に大きく関わることなので当然のことです。以下では、不安になりやすい悩みに関してQ&A方式で分かりやすく回答していきたいと思います。
借金救済制度の利用でクレジットカードはどうなる?
質問: 借金救済制度を利用した場合、クレジットカードはどうなりますか?
回答: 借金救済制度を利用すると、信用情報に傷がつきいわゆるブラックリストに載ってしまいます。利用した手続きによって異なりますが、制度を利用してから最低でも5年間は、新規のクレジットカードを作ることは難しいです。手続きする際に持っていたカードは強制解約になります。
ポイント
任意整理を利用した場合は完済から5年から7年、個人再生は手続きを開始してから5年から7年、自己破産の場合は10年間記録が残るので、その期間は新たにクレジットカードを作ることはできなくなります。借りたお金を返さなかったペナルティだと思って、おとなしく受け入れましょう。
ブラックリストに載る期間とその影響について
質問: ブラックリストに載る期間とその影響について教えてください。
回答: 借金救済制度を利用すると金融関係の信用を失うので、ブラックリストへの登録は避けられません。特に自己破産手続きを行った場合は、長期間記録が残り、手続き後の影響も大きいので注意が必要です。以下は、各種手続きのブラックリストへの登録期間になります。
制度 | 登録期間 |
---|---|
任意整理 | 完済から5年から7年間 |
個人再生 | 手続き開始から5年から7年間 |
自己破産 | 10年間 |
影響
金融機関の信用を失うことになるので、新たにクレジットカードを発行することができなくなります。また、返済能力に問題があると判断されるので、お金を借りたりローンを組もうとしても審査に通らなくなります。登録期間が過ぎればブラックリストからは消えますが、期間中は多くの制限を受けることになります。
各借金救済制度の費用と必要な時間はどれくらい?
質問: 各借金救済制度の費用と必要な時間はどれくらいかかりますか?
回答: 利用する手続きによって、必要な費用や時間は変わります。自分の状況や利用する事務所によっても変わってくるので、専門家に相談するのがおすすめです。個人再生、自己破産は裁判所を介するため、弁護士費用のほかに裁判所費用が必要になります。大まかではありますが、表にまとめてみたので参考にしてください。
制度 | 費用 | 必要期間 |
---|---|---|
任意整理 | 5万から15万円 | 3ヶ月から6ヶ月 |
個人再生 | 30万から80万円 | 6ヶ月から1年 |
自己破産 | 50万から100万円以上 | 6ヶ月から1年 |
家族や保証人への影響とその対策方法
質問: 借金救済制度を利用した場合、家族や保証人にはどのような影響がありますか?
回答: バレるのが嫌だからといって話し合いをせずに手続きをしてしまうと、トラブルになる可能性があるので注意してください。自分から保証人に返済義務が移行してしまうこともあるので、事前に話しあっておくことが大事です。
影響
任意整理と個人再生は、自分が受ける影響は大きいですが、家族に与える影響は少ないといえます。しかし、自己破産となると話は変わってきます。家や車などの財産を失ったり、保険が解約されたりと家族に与える影響は大きいです。
とはいえ、自己破産はあくまで個人の手続きですので、家族が影響を受けないことも多くあります。例えば、家族に自己破産をした人がいるからといって、結婚できなくなるといったことは一切ありません。
対策方法
借金救済制度を利用するときは、必ず保証人や家族に話しておくことが大切です。しっかりと今の現状を話し合い、同意を得ることで先に起こりうるトラブルを回避することができます。また、協力を得ることによって、借金問題がスムーズに解決しやすくなります。
借金救済制度のデメリットを回避する方法は?
質問: 借金救済制度のデメリットを回避する方法はありますか?
回答: 自分の判断や行動によって影響を最小限に抑えることはできますが、完全に回避することは難しいです。借金問題が解決するという大きなメリットがあるので、少なからずデメリットも存在します。利用する方法によって受けるデメリットも異なるので、確認しておいてください。
方法
借金救済制度を利用するときは、今の自分の状況を考えて、どの制度を利用するのが適切かどうかを理解しておくことが大事です。間違った判断をしてしまうとデメリットの影響を受けやすくなり、解決が遅れてしまう可能性があります。
借金救済措置の債務整理はあなたの借金問題解決に大きな力となってくれるはず!
借金問題を放置するとどんどん深刻化してしまうリスクが高いので、早い段階で専門家に相談することが大切です。
早い段階で相談することができれば選択肢が広がるので、借金問題の早期解決が期待できます。
借金救済制度と呼ばれる債務整理(任意整理、個人再生、自己破産)や過払い金請求が、あなたの借金負担を軽減し借金問題解決に役立つはずです。
自分の返済状況や借り入れ状況によって、選択すべき手続きが異なりますので、借金問題解決に強い専門家である司法書士や弁護士に包み隠さず相談してみましょう。
一人で抱え込んでいて辛かった毎日から抜け出せるに違いありません。
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